(2023年11月14日発売/一部地域をのぞく)
- 小布施・地獄谷殺人事件梓林太郎定価:748円(税込み)
不幸の星の下に生まれた女と、
葛飾北斎の足跡を追って小布施にたどり着いた画家――
二人の邂逅は何を呼び覚ますのか!?
人の心の機微を描いた傑作ミステリー!解説:郷原 宏
終戦間際の空襲で記憶を失った七恵は、指物職人・坪倉清春の養子になった。小布施で幸せに暮らしていたある日、七恵は見知らぬ男に乱暴されてしまう。七恵が父親のいない娘を産んだ二年後、一人の男が殺された。被害者と関わりがあり、殺人現場にも居合わせた画家・古屋敷圭介は七恵と交流を深めていくが……。戦争の悲劇と人の心の機微を描いた傑作ミステリー!
- 乗物綺談
異形コレクションLⅥ井上雅彦:監修定価:1320円(税込み)有栖川有栖、平山夢明、澤村伊智、上田早夕里、斜線堂有紀、芦花公園ら、稀代の短篇巧者16名が書下ろし競演! いまホラー界とSF界でもっとも注目されるテーマ・アンソロジー最新刊! 鉄道から人力車、潜水艇まで、さまざまな乗物をめぐる怖ろしくも妖しい16編を収録!
《収録作品》
久永実木彦 可愛いミミ
坂崎かおる 封印
大島清昭 車の軋る町
芦花公園 カイアファの行かない地獄
澤村伊智 くるまのうた
宮澤伊織 ドンキの駐車場から出られない
篠たまき 天眼通の夢
柴田勝家 電車家族
上田早夕里 車夫と三匹の妖狐
斜線堂有紀 帰投
平山夢明 スイゼンジと一緒
空木春宵 新形白縫譚 蜘蛛絲怨道行
井上雅彦 男爵を喚ぶ声
黒 史郎 カーラボスに乗って
黒木あるじ キャラセルは誘う
有栖川有栖 スーパーエクスプレス・イリュージョン - にぎやかな落日朝倉かすみ定価:880円(税込み)
今まで自分が書いた中で一番好きだと思いました。
毎日笑ったり怒ったり。何とかやってはいるけれど、おもちさん、83歳。
独り暮らしは難しい。
『平場の月』の作者が贈る切なくもユーモラスな人生最晩年へのエール。解説:杉江松恋
北海道で独り暮らしのおもちさんは八十三歳。東京に住む娘は一日二度、電話をしてくれる。近くに住むお嫁さんのトモちゃんは、車で買い物に連れて行ってくれる。それでも、生活はちょっとずつ不便になっていく。この度おもちさん、持病が悪化し入院することになった――。
日々の幸せと不安、人生最晩年の生活の、寂しさと諦めが静かに胸に迫る物語。 - クライン氏の肖像
鮎川哲也「三番館」全集 第4巻鮎川哲也定価:1210円(税込み)絶筆「白樺荘事件」初文庫化!
元刑事の貧乏探偵が持ち込む難題を鮮やかな推理で解明する銀座のバーテンダー。珠玉の本格推理9編に加え未完に終わったシリーズ唯一の長編を収録!解説:山前 譲
十九世紀の作曲家ベルンハルト・クラインの肖像画を所有する音楽評論家に、絵画強奪予告の手紙が届いた。私立探偵が警護についたにもかかわらず、絵はあっさりと賊の手に落ちてしまった。面目丸潰れの探偵は西銀座のバーテンの知恵を借りることに……。「三番館」全集の完結巻となる本書には、シリーズ唯一の長編となるはずだった未完の「白樺荘事件」を文庫初収録。
- 紅刷り江戸噂
松本清張プレミアム・ミステリー松本清張定価:792円(税込み)心の闇は、底知れぬ。
男女のもつれは、解けぬ糸、何で切るやら、何処を切るやら。
殺めた罪に残る空しさ。
江戸情緒溢れる傑作時代推理短編集登場!年始の客も落ち着き、明日は七草。大津屋庄兵衛の店では、通りにやってきたなずな売りから七種を買い粥を店の者に振る舞った。が、その夜、粥を食べた者たちが苦しみだした。医者は七種の中に猛毒の「とりかぶと」の葉が混っていたのではないかというーー。(「七種粥」)
江戸市井の人々の暮らしの中に潜む、底知れぬ心の闇と、つきない欲望を描く時代推理短編集。 - 甘露梅 新装版
お針子おとせ吉原春秋宇江佐真理定価:836円(税込み)新装版4カ月連続刊行第一弾
仲ノ町の通りを彩る桜、菖蒲、茶屋のすすき、萩、そして町を包む雪――。
江戸の遊廓を舞台に哀切の恋模様と人情を描いた傑作連作集解説:末國善己
エッセイ:諸田玲子岡っ引きの夫に先立たれたおとせは、時を同じくして息子が嫁を迎えたため、手狭な家を出て、吉原で住み込みのお針子となった。元町家の女房の目に映る、華やかな遊廓の表裏で繰り広げられる遊女たちの痛切な営みと恋模様、人情劇。そして、めぐる季節の中で、いつしか自身にも仄かな想いが兆し始め――。市井物の名手である著者の没後10年を前に、4カ月連続で新装版刊行! その第一弾となる本編には、公私にわたり交流のあった諸田玲子氏の書下ろしエッセイ「宇江佐真理姉さんのこと」を初収録。
- 銀の夜角田光代定価:836円(税込み)
まばゆい十代を過ごした三人の女性──
三十代半ば、欲しいのは「生きる手応え」。
「やり遂げなくてはいけない何か」のため、動け!
魂を揺さぶる角田ワールド全開!女子校時代に少女バンドを組んでメジャーデビューした3人の女性。30代半ばとなった現在、人生のピークは10代だったと懐かしむ毎日を送っている。夫に浮気されたり、自らの見果てぬ夢を娘に託したり……など、日常は冴えない。そんな毎日にひょんなことからあるミッションが舞い込み、3人はまた図らずも力を合わせることに……。人生と本当に向き合い始めた大人女性たちの「生きる手応えとは?」を描いた話題作。