光文社文庫 3月の新刊

(3月14日発売/一部地域をのぞく)

今月の新刊はコチラ

  • 晩節遍路
    吉原裏同心(39)
    佐伯泰英
    定価:814円(税込み)

    新生吉原のため、覚悟の成敗へ!
    一人二役の幹次郎が、動く
    文庫書下ろし

    吉原会所の裏同心神守幹次郎にして八代目頭取四郎兵衛は、長吏頭に就任した十五歳の浅草弾左衛門に面会した。そこで吉原乗っ取りを目論む西郷三郎次忠継が弾左衛門屋敷にも触手を伸ばしていることを知る。そんな中、切見世で起きた虚無僧殺しの背後に、吉原を共に支えてきた重要人物がいることに気づく幹次郎。覚悟を持ち、非情なる始末に突き進んでいく。

    佐伯泰英(さえき・やすひで)

    1942年北九州市生まれ。闘牛カメラマンとして海外で活躍後、主にノンフィクション作品を発表する。’99年初の時代小説「密命」シリーズを手始めに、次々と時代小説を発表。文庫書下ろし作品のみで累計6500万部突破の快挙を成し遂げる。大好評の「吉原裏同心」「夏目影二郎始末旅」シリーズ(小社刊)の他、2019年に映画化された「居眠り磐音」、「酔いどれ小籐次」「新・酔いどれ小籐次」「空也十番勝負」「照降町四季」「交代寄合伊那衆異聞」「古着屋総兵衛影始末」「新・古着屋総兵衛」「鎌倉河岸捕物控」などの各シリーズで幅広い読者層から支持を得ている。
    佐伯泰英ウェブサイト

  • 春を嫌いになった理由 新装版
    誉田哲也
    定価:792円(税込み)

    ミステリーでサスペンスで青春小説。怖くてコミカルで温かい――
    殺人鬼が生放送中にやってくる!?
    なんなんだ、この面白さは!!
    誉田哲也初期の超傑作に出会ってください

    フリーターの秋川瑞希は、テレビプロデューサーの叔母に超能力者エステラの通訳兼世話役を押しつけられる。嫌々同行したロケ現場で、エステラの透視通りミイラ化した死体が発見された――。一方、妹と中国から日本に密入国した林守敬は、過酷な運命に追いつめられていた。様々な因縁が交錯する先に立ち現れる驚愕の事件とは? 著者初期の傑作サスペンス長編!

    誉田哲也(ほんだ・てつや)

    1969年、 東京都生まれ。学習院大学卒。 2002年、『妖(あやかし))の華』 第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞を受賞。’03年には、『アクセス』で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞している。 主な著作に、『ストロベリーナイト』『ソウルケイジ』『シンメトリー』『インビジブルレイン』『感染遊載』『ブルーマーダー』『インデックス』『ルージュ 硝子の太陽』『ノーマンズランド』『オムニバス』(以上、光文社刊)、「ジウ」シリーズ(全3巻)『国境事変』『歌舞伎町セブン』『歌舞伎町ダムド』『ハング』『ノワール 硝子の太陽』『歌舞伎町ゲノム』(以上、中央公論新社刊)、「武士道」シリーズ (全4巻) 「増山超能力師」シリーズ (全2巻) (以上、文藝春秋刊)、『背中の蜘蛛』『ケモノの城』『ヒトリシズカ』(以上、双葉社刊)、『フェイクフィクション』『あなたが愛した記憶』(集英社刊)、『もう、聞こえない』『プラージュ』(幻冬舎刊)、『あの夏、二人のルカ』(角川書店刊)などがある。

  • 死刑囚メグミ
    石井光太
    定価:1210円(税込み)

    彼女は何故、死刑判決を受けなければならなかったのか。
    小さなつまずきで、人生は簡単に変わる。
    必死でもがく人間に、差し伸べられる手はあるのか。

    解説:古川諭香

    覚醒剤密輸の罪により、マレーシアで死刑判決を受けた小河恵。何故、海外でこんな事態に陥ってしまったのか? 東北の小さな町に生まれ、東京に出て准看護婦をしていた恵は、借金返済のために夜はホステスをして稼ぐようになっていた。そんなとき、病院の同僚、鹿沼好江からある人物を紹介され、生活が一変する……
    究極のバタフライエフェクト小説が登場!

    石井光太(いしい・こうた)

    1977年、東京生まれ。国内外の貧困、戦争、災害、事件などをテーマに執筆活動を行う。ノンフィクション作品に、『物乞う仏陀』『絶対貧困』『遺体』『本当の貧困の話をしよう』『ルポ 誰が国語力を殺すのか』など多数。小説は本書のほかに『蛍の森』『砂漠の影絵』『赤ちゃんをわが子として育てる方を求む』『世界で一番のクリスマス』などがある。

  • そのひと皿にめぐりあうとき
    福澤徹三
    定価:924円(税込み)

    読めば必ず勇気が湧く。
    戦禍とコロナ禍を生きる17歳
    ふたりの過酷な青春が74年の時を経て、鮮やかに交錯する。 

    解説:北上次郎

    一九四六年、戦争で両親と住まいを失った里見滋は、焦土と化した東京を放浪し、飢えと貧困に苦しむ。二〇二〇年の東京、コロナ禍で自粛生活を続ける洲崎駿は、父の勤務先が倒産し、楽しかった高校生活が破綻する。絶望の淵から這いあがろうともがくふたりを待っていたのは、驚くべき運命の巡りあわせだった。心にしみる感動と勇気がみなぎる傑作長編。

    福澤徹三 (ふくざわ・てつぞう)

    1962年、 福岡県生まれ。ホラー、怪談実話、クライムノベル、警察小説など幅広いジャンルで執筆。2008年『すじぼり』で第10回大藪春彦賞を受賞。著書に『真夜中の金魚』『死に金』『忌談』『怖の日常』『作家ごはん』『忌み地 怪談社奇聞録』『亡者の家』『しにんあそび』『灰色の犬』『群青の魚』『羊の国のイリヤ』など多数。『東京難民』は映画化、『白日の鴉』はテレビドラマ化、『Iターン』『侠飯』はテレビドラマ化・コミック化された。

  • エンドレス・スリープ
    辻 寛之
    定価:946円(税込み)

    大井埠頭の冷凍倉庫で発見された5つの死体──
    大量殺人なのか、それとも……

    大井の港湾倉庫で火災が発生。湾岸署の刑事・矢島は、被害のあった現場の冷凍庫から身元不明の五体の死体を発見する。そして、死体の中でいちばん最初に身元が判明したフリーライター・如月啓一の遺稿には、六人の名前が記されていた……。死体は、何のためにわざわざ冷凍保管されたのか? 死に直面した人間の絶望と再生への執着を描いた意欲作。

    辻寛之(つじ・ひろゆき)

    1974年富山県生まれ。埼玉県在住。
    2018年に『インソムニア』(『エンドレス・スリープ』改題)で第22回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞し、デビュー。
    著書に「麻薬取締官・霧島彩」シリーズがある。

  • えき
    茜 灯里
    定価:946円(税込み)

    五輪直前に新型馬インフルエンザ発生!
    それはさらなる「悪夢」の序章に過ぎなかった

    解説:井上夢人

    二〇二四年、欧州での新型コロナウイルス感染爆発パンデミックにより、夏季五輪は再び東京で開催されることに。しかし、五輪提供馬の審査会で突如、馬を狂暴化させる「新型馬インフルエンザ」が発生。開催に向けて、過去に例を見ないウイルスとの闘いに獣医師たちは奔走するが、それが想像を絶するカタストロフィへの幕開けとなるとは、誰にも想像しえなかった――
    第24回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。

    茜 灯里(あかね・あかり)

    作家・科学ジャーナリスト。東京大学理学部地球惑星物理学科、農学部獣医学課程卒。東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻博士課程修了。博士(理学)、獣医師。全国紙記者、国際馬術連盟登録獣医師などを経て、現在、大学等で教壇に立つ。『馬疫』が第24回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞し、小説家デビュー。

  • マーキュリーの靴
    鮎川哲也「三番館」全集 第2巻
    鮎川哲也
    定価:1210円(税込み)

    本格推理の巨匠がライフワークとして書き続けた安楽椅子探偵の傑作シリーズ
    そのすべての短編を発表年代順に収録大好評の鮎川哲也「三番館」全集、第2集!

    解説:山前 譲

    鮎川哲也(あゆかわ・てつや)

    1919年東京生まれ。南満洲鉄道勤務の父に伴い少年時代を大連で過ごす。’43年「婦人画報」の朗読文学募集に佐々木淳子の筆名で書いた掌編「ポロさん」が入選。’49年「宝石」百万円懸賞コンクールに本名(中川透)で応募した『ペトロフ事件』が一等入選。’56年には講談社の「書下し長篇探偵小説全集」の13巻募集に『黒いトランク』が入選。以後、本格物の長短編を数多く発表。’60年に、『憎悪の化石』と『黒い白鳥』で日本探偵作家クラブ賞(現・日本推理作家協会賞)を受賞。’90年から発足した東京創元社主催の鮎川哲也賞、’93年から始まった光文社文庫の『本格推理』にて多くの新人を発掘。2002年9月24日死去。ミステリー界に遺した功績をたたえ、翌年日本ミステリー文学大賞特別賞が贈られた。都立小平霊園に眠る。

  • 肌色の月
    探偵くらぶ
    久生十蘭
    定価:1210円(税込み)

    今見た景色が幻想か、はたまたこの世が幻影か。
    多彩なジャンルを縦横無尽に描いた作家のミステリ世界!

    解説:日下三蔵

    宇野久美子はアパートを引き払い、和歌山に帰ると周りに告げていた。しかし、それは自身をこの世から消し去る演出だった。死に場所に選んだ湖に向かうべく伊東で列車を降りるが、予想外の雨。濡れた彼女に声をかけた紳士の誘いを断り切れず、車に乗ると――。(「肌色の月」)絶筆となった表題作を始め、多彩なジャンルで活躍した著者のミステリ作品傑作集!

    久生十蘭(ひさお・じゅうらん)

    1902(明治35)年北海道生まれ。東京の聖学院中学中退後、故郷に戻って函館新聞社に入社。1928(昭和3)年、新聞社を退社して上京し、岸田國士に師事。翌年、演劇研究のためにパリに渡り、パリ市立技芸学校で学ぶ。1933年、同校を卒業して帰国。同郷の後輩の水谷準が編集長を務める「新青年」に翻訳、ユーモア小説、著名人インタビューなどを寄稿。1936年のミステリ長篇『金狼』から久生十蘭のペンネームを主に使用する。時代ミステリ『顎十郎捕物帳』『平賀源内捕物帳』、長篇『魔都』『キャラコさん』『十字街』『真説・鉄仮面』、中・短篇「湖畔」「黒い手帳」「地底獣国」「ハムレット」「予言」など作品多数。1952年 「鈴木主水」で第26回直木賞を受賞。1955年、吉田健一の英訳した「母子像」でニューヨーク・ヘラルド・トリビューン紙主催の第2回国際短篇小説コンクール第一席に入選。1957年10月、食道癌のため死去。

  • はい、総務部クリニック課です。
    私は私でいいですか?
    藤山素心
    定価:770円(税込み)

    その不安、飼い慣らしませんか?
    取り除けなくても、楽になる方法があるんです。
    一作目が大好評で続々重版!
    明日への糧になるお仕事小説シリーズ第二作!
    文庫書下ろし

    「出ない杭は打たれない」をモットーに生きてきた奏己が、医療事務としてクリニック課へ異動になって3ヶ月あまり。少しずつ部署に馴染んできた頃、完璧なはずの森先生が、あり得ないミスを連発し始めた。どうやらそこには、誰もが陥る「負の罠」が存在していたようで――。心が逃げ場を失ったとき、ちょっと元気になれるヒントの詰まったお仕事小説!

    藤山素心(ふじやま・もとみ)

    広島県出身。東京都在住。医師。2017年にホビージャパン主催のHJ文庫大賞(現:HJ小説大賞)で金賞を受賞。以後は「江戸川西口あやかしクリニック」シリーズ(光文社キャラクター文庫)、「おいしい診療所の魔法の処方箋(レシピ)」シリーズ(双葉文庫)、「はい、総務部クリニック課です。」シリーズ(光文社文庫)、『呪ワレ者』(マイクロマガジン社)など、一般小説から児童書まで幅広く執筆している。

  • やせる石鹸(下)
    逆襲の章
    歌川たいじ
    定価:726円(税込み)

    大ヒット映画原作『母さんがどんなに僕を嫌でも』著者初の小説を文庫化!
    太っただけで傷つけられる、そんなのおかしいよ!!

    40キロの減量に成功するも、「私はやせてもデブだった」の言葉を遺し、拒食症からの心不全で死んでしまった同級生・よき子。巨デブ女子・たまみはダイエットをやめ、「太っただけで傷つけられない」世の中にするため、あることへの挑戦を決意する。たまみのもとに、一人、また一人と志を同じくする巨デブ女子が集い始めるが……。

    歌川たいじ(うたがわ・たいじ)

    1966年東京都生まれ。2010年『じりラブ』でデビュー。自らの生い立ちを記した『母さんがどんなに僕を嫌いでも』が映画化されるなど話題を呼び、その後も作品を次々と発表。年齢層や性別を問わず、幅広い読者に支持されている。主な作品に『花まみれの淑女たち』『バケモンの涙』などがある。

  • きつねまい 決定版
    吉原裏同心 (23)
    佐伯泰英
    定価:792円(税込み)

    年の瀬の吉原を、次々と危機が襲う。
    旗本屋敷での大捕物へ!

    吉原の用心棒神守幹次郎を、豊後岡藩から二人の侍が訪ねてきた。かつて出奔した旧藩に復帰せよとの話に、幹次郎は戸惑う。そんな折り、廓内で若い女が襲われ、吉原に出店を持つ呉服屋で騒ぎが起きる。吉原乗っ取りを狙う新たな企てが浮かび上がる中、玉藻にも怪しい男が近づき、年の瀬の吉原に危機が。難問山積の中、幹次郎は役人たちとともに大捕物に向かう!

    佐伯泰英(さえき・やすひで)

    1942年北九州市生まれ。闘牛カメラマンとして海外で活躍後、主にノンフィクション作品を発表する。’99年初の時代小説「密命」シリーズを手始めに、次々と時代小説を発表。文庫書下ろし作品のみで累計6500万部突破の快挙を成し遂げる。大好評の「吉原裏同心」「夏目影二郎始末旅」シリーズ(小社刊)の他、2019年に映画化された「居眠り磐音」、「酔いどれ小籐次」「新・酔いどれ小籐次」「空也十番勝負」「照降町四季」「交代寄合伊那衆異聞」「古着屋総兵衛影始末」「新・古着屋総兵衛」「鎌倉河岸捕物控」などの各シリーズで幅広い読者層から支持を得ている。
    佐伯泰英ウェブサイト

  • 始末 決定版
    吉原裏同心 (24)
    佐伯泰英
    定価:792円(税込み)

    廓を手玉に取る大胆な犯罪が発生。
    勇壮な川越船で、裏切りの男女を追え!

    廓に上がらず、吉原で金を使わない地廻りと呼ばれる男の骸が切見世で見つかった。切見世にいた女郎とその仲間が下手人とみた廓の用心棒神守幹次郎は、町方同心の桑平とともに女郎を故郷の川越に追う。一方、番方仙右衛門とお芳に子が生まれ喜びが溢れる中、頭取四郎兵衛の前に倅だという男が現る。秘密を打ち明けられた幹次郎は、情の絡む悲しき成敗に挑む。

    佐伯泰英(さえき・やすひで)

    1942年北九州市生まれ。闘牛カメラマンとして海外で活躍後、主にノンフィクション作品を発表する。’99年初の時代小説「密命」シリーズを手始めに、次々と時代小説を発表。文庫書下ろし作品のみで累計6500万部突破の快挙を成し遂げる。大好評の「吉原裏同心」「夏目影二郎始末旅」シリーズ(小社刊)の他、2019年に映画化された「居眠り磐音」、「酔いどれ小籐次」「新・酔いどれ小籐次」「空也十番勝負」「照降町四季」「交代寄合伊那衆異聞」「古着屋総兵衛影始末」「新・古着屋総兵衛」「鎌倉河岸捕物控」などの各シリーズで幅広い読者層から支持を得ている。
    佐伯泰英ウェブサイト

  • 生目いきめの神さま
    九十九字ふしぎ屋 商い中
    霜島けい
    定価:682円(税込み)

    持つと災難が降りかかる「福の石」?
    目玉売ります!?
    あやかし商売、まだまだ奮闘中!
    不思議でほっこりとあたたかい大人気シリーズ第九弾!
    文庫書下ろし

    近頃るいにつきまとう悪霊たち。九十九屋店主の冬吾がかつて客から引き取った「福石」に関わりがあるらしいのだが。(「福の石」)ある朝、店先に置かれた印籠にはふたつの目玉が入っていた。持ち主の按摩・寿安は、目玉の謂れを明かし、るいの力を貸してほしいと言う。(表題作)不思議を商う店を舞台に、るいとあやかしたちが活躍する大好評シリーズ第九弾!

    霜島けい(しもじま・けい)

    大阪生まれ。『出てこい!ユーレイ三兄弟(ブラザーズ)』(朝日ソノラマ)でデビュー。霜島ケイ名義で、ファンタジーとホラーのジャンルで活躍する。「封殺鬼」シリーズ (小学館)、「カラクリ荘の異人たち」シリーズ(ソフトバンククリエイティブ)、「九十九字ふしぎ屋 商い中」シリーズ、「あやかし同心」シリーズ(ともに光文社)ほか、著書多数。

  • 翔べ、今弁慶!
    元新選組隊長 松原忠司異聞
    篠 綾子
    定価:770円(税込み)

    時代小説、歴史小説の枠を超えたとんでもない超大作!
    新選組の今弁慶、時空を超え!?
    江戸から遡ること680年前。不器用だが豪胆な幕末の侍が図らずも生きることになった世界とは……。
    そして、感動のラストが待つ!
    文庫書下ろし

    解説:細谷正光

    「四番隊隊長、松原忠司に切腹を申し付ける」新選組副長・土方歳三はこう断罪した。鉄鉢巻をつけて大薙刀を携える様から「今弁慶」と称された松原忠司。潔く自刃しようとした瞬間、意識が途切れる――そして、目が覚めると、そこは源義経の生きる世界だった。歴史の動乱に巻き込まれた不器用な松原の生きざまを骨太に描いた、著者の光文社文庫初の書下ろし作品!

    篠 綾子(しの・あやこ)

    第4回健友館文学賞受賞作『春の夜の夢のごとく 新平家公達草紙』でデビュー。短編「虚空の花」で第12回九州さが大衆文学賞佳作入選。おもな著書に、『青山に在り』(新生第一回日本歴史時代作家協会賞作品賞受賞)、『蒼龍の星』『酔芙蓉』『天穹の船』、主なシリーズに「更紗屋おりん雛形帖」(第6回歴史時代作家クラブ賞シリーズ賞受賞)、「江戸菓子舗照月堂」「小烏神社奇譚」「万葉集歌解き譚」「木挽町芝居茶屋事件帖」など多数。本作は、光文社時代小説文庫で著者初の書下ろし作品である。

  • 夫婦めおと笑み
    父子十手捕物日記
    鈴木英治
    定価:726円(税込み)

    文之介、父となる、兄にもなる!
    人気シリーズ、ついに大団円!

    南町奉行所定町廻り同心の御牧文之介は、妻・お春の懐妊に大喜びするもつかの間、中間・勇七とともに辻斬りの探索に奔走する。殺されたのは、大身の旗本・松平駿河守の碁敵の僧侶だった。駿河守が絡んでいるとにらんだ文之介と勇七は身辺を洗うが……。一方、人形師の用心棒を依頼された丈右衛門が何者かにかどわかされてしまう。

    鈴木英治(すずき・えいじ)

    1960年、静岡県沼津市生まれ。明治大学経営学部卒業。’99年、第一回角川春樹小説賞特別賞を『駿府に吹く風』(『義元謀殺』に改題)で受賞。主な作品に「口入屋用心棒」「手習重兵衛」「徒目付久岡勘兵衛」「新兵衛捕物御用」「下っ引夏兵衛捕物控」「大江戸やっちゃ場伝」「無言剣殺」「突きの鬼一」などの人気シリーズがある。

  • 無縁坂
    介錯人別所龍玄始末
    辻堂 魁
    定価:748円(税込み)

    武士の世に生きた「介錯人」の生き様が胸に迫り、感涙必至。
    大反響を得た傑作シリーズ、文庫で4カ月連続刊行!

    牢屋敷の首打役を務める別所龍玄二十二歳。介錯人・別所一門の名を背負い、切腹する侍の介錯を頼まれることもある。小柄で物静かな姿は童子のようでありながら、その介錯を知る者の間では凄腕と囁かれる。斬る者と斬られる者、その一瞬に生まれる心の働きだけが、ただそこにある――。不浄と呼ばれ、恐れられる首斬人の生き様と矜持。涙溢れるシリーズ第一作。

    辻堂 魁(つじどう・かい)

    1948年高知県生まれ。早稲田大学文学部卒業後、出版社に勤務。退職後、本格的に執筆業に入る。 江戸情緒、人の情、そして迫真の剣戟あふれる作風には定評があり、人気沸騰中の作家である。 著作に「読売屋 天一郎」「夜叉萬同心」シリーズ(ともに光文社文庫)、 「大岡裁き再吟味」シリーズ(講談社文庫)、「仕舞屋侍」「疾風の義賊」シリーズ(徳間文庫)、 「刃鉄の人」シリーズ(角川文庫)、「天神小五郎 人情剣」(ハルキ文庫)、 「花川戸町自身番日記」「日暮し同心始末帖」、 NHKで連続ドラマ・正月時代劇として映像化された「風の市兵衛」シリーズ(以上、祥伝社文庫)などがある。