光文社文庫 7月の新刊

(7月12日発売/一部地域をのぞく)

今月の新刊はコチラ

  • オムニバス
    誉田哲也
    定価:880円(税込み)

    警察小説No.1ヒットシリーズ
    累計500万部突破! 姫川玲子シリーズ文庫最新刊!
    待望の第三短編集

    解説:宇田川拓也

    葛飾区青戸の女子大生殺害事件。浮上した被疑者は、すでに別件で本所署に留置されていた。勝俣に呼び出された姫川玲子は、本所の案件には触るなと強要される――。(「それが嫌なら無人島」)
    住人の男が自殺した家の床下から、女性の腐乱死体が発見された! 二人の関係は? そして男の不可解な行動の意味とは?(「六法全書」)
    ほか、姫川玲子が新たな魅力を見せる全七編。

    誉田哲也(ほんだ・てつや)

    1969年、 東京都生まれ。学習院大学卒。 2002年、『妖(あやかし) の華』 第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞を受賞。’03年には、『アクセス』で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞している。主な著作に、『ストロベリーナイト』『ソウルケイジ』『シンメトリー』『インビジブルレイン』『感染遊載』『ブルーマーダー』『インデックス』『ルージュ 硝子の太陽』『ノーマンズランド』『オムニバス』(以上、光文社刊)、「ジウ」シリーズ(全4巻)『国境事変』『歌舞伎町セブン』『歌舞伎町ダムド』『ハング』『ノワール 硝子の太陽』『歌舞伎町ゲノム』(以上、中央公論新社刊)、「武士道」シリーズ (全4巻) 「増山超能力師」シリーズ (全2巻) (以上、文藝春秋刊)、『背中の蜘蛛』『ケモノの城』『ヒトリシズカ』(以上、双葉社刊)、『フェイクフィクション』『あなたが愛した記憶』(集英社刊)、『もう、聞こえない』『プラージュ』(幻冬舎刊)、『あの夏、二人のルカ』(角川書店刊)などがある。

  • 妃は船を沈める 新装版
    有栖川有栖
    定価:792円(税込み)

    祝・第26回日本ミステリー大賞受賞
    人気の「火村英生」シリーズが、新装版で登場!

    解説:西澤保彦(再録)

    一台の車が海に落ち、中から男性の遺体が発見される。彼は、妻の友人で多額の資産を持つ三松妃沙子から、多額の借金をしていた。彼女は「妃」と呼ばれ、三つの願いを叶えるかわりに災いももたらす「猿の手」を大切にしていたという。彼女の願いとは何だったのか――。臨床犯罪学者・火村英生が、トリックも心情の揺れも解き明かす本格ミステリー!

    有栖川有栖(ありすがわ・ありす)

    1959年大阪府生まれ。’89年、『月光ゲーム』でデビュー。2003年『マレー鉄道の謎』で第56回日本推理作家協会賞を受賞。’08年『女王国の城』で第8回本格ミステリ大賞を受賞。’17年『幻坂』で第5回大阪ほんま本大賞受賞。’18年「火村英生」シリーズで第3回吉川英治文庫賞受賞。’22年、第26回日本ミステリー文学大賞受賞。現代本格ミステリの代表的な書き手として、多くの読者を魅了している。近著に『捜査線上の夕映え』『濱地健三郎の呪える事件簿』などがある。

  • ちびねこ亭の思い出ごはん
    チューリップ畑の猫と落花生みそ
    高橋由太
    定価:682円(税込み)

    泣けて、泣けて、あたたかい……
    亡くなった大切なあの人にもう一度会える――
    そんな店がここにあります。
    好評シリーズ第七作、お待たせしました!
    文庫書下ろし

    中学教師の櫻井登は、妻を早くに亡くし、男手一つで娘の桃子を育て上げた。その大切な娘が、結婚を考えているという男を家に連れてきた。アルバイト暮らしで、自分の店を持ちたいと夢みたいなことを語る年下の男だ。大反対して追い返した後、二人は事故に遭ってしまう。登は二人の遺骨を携え、死者に会えるという食堂を訪れるのだが――。好評シリーズ第七作。

    高橋由太(たかはし・ゆた)

    1972年千葉県生まれ。 2010年、第8回 「このミステリーがすごい!」大賞隠し玉として『もののけ本所深川事件帖 オサキ江戸へ』(宝島社文庫)でデビュー。「オサキ」シリーズ、「ぽんぽこ」 シリーズ、「猫は仕事人」シリーズなど、多くの時代小説の人気シリーズ作品を執筆している。時代小説以外の作品に「黒猫王子の喫茶店」シリーズ、「作ってあげたい小江戸ごはん」シリーズ、「あやかし和菓子処かのこ庵」シリーズのほか、『あなたの思い出紡ぎます 霧の向こうの裁縫店』『神様の見習い もののけ探偵社はじめました』などがある。

  • 湯治場のぶたぶた
    矢崎存美
    定価:660円(税込み)

    シリーズ累計77万部突破!
    一冊読み切りなのでここからでも読める、大人気ファンタジーシリーズ!
    文庫書下ろし

    ぶたぶたシリーズは、こんな人にオススメです。
    ・最近ちょっとツイてないと思っている。
    ・不思議なことが好き。
    ・美味しいものが大大大好き。
    ・小さな日常が大切だ。
    ・ぬいぐるみが奇跡を起こすことがあると思う。
    一つでも当てはまるなら、ハマります。きっと。

    ふっと、休みたくなる時がある。身体をいたわって、滋味あふれる美味しい食事をとり、心を洗濯する――そんな思いを叶えてくれる小さな湯治場がここにあります。少し元気がない時は、鞄ひとつを持ってふらりと訪れてください。
    ビワがなる山里と豊かでいいお湯、そしてちょっとだけ不思議で、可愛い(⁉)オーナー山崎ぶたぶたが、あなたをお待ちしています。

    矢崎存美(やざき・ありみ)

    埼玉県出身。1985年、星新一ショートショートコンテスト優秀賞を受賞。’89年に作家デビュー。著書に「ぶたぶた」シリーズのほか、「食堂つばめ」シリーズ、「NNNからの使者」シリーズ(以上、ハルキ文庫)、「繕い屋」シリーズ(講談社タイガ)、「神様が用意してくれた場所」シリーズ(GA文庫)、『キルリアン・ブルー』(TO文庫)、『あなたのための時空(とき)のはざま』(ハルキ文庫)ほか多数。
    矢崎存美|note
    https://note.com/yazakiarimi

  • ボクハ・ココニ・イマス
    梶尾真治
    定価:858円(税込み)

    消失刑 それは、究極の孤独という刑罰
    誰もぼくに気づかない 誰とも話せない 誰とも触れあえない
    それでも、ぼくは諦めない!

    解説:森下一仁

    平凡なサラリーマンだった浅見克則は、はずみで傷害事件を起こしてしまう。判決は懲役一年。だが、試行段階の「消失刑」を選べば刑期が短縮され、自宅で過ごせるという。ただし、特殊なリングの装着で周囲から〝見えない〟存在となり、人との交流は完全に禁じられる。
    深く考えず選択した彼に押し寄せる過酷な運命――絶望的な状況の中、彼が見出した一筋の希望とは?

    梶尾真治(かじお・しんじ)

    1947年、熊本県生まれ。 ‘71年「美亜へ贈る真珠」で作家デビュー。’79年には「地球はプレイン・ヨーグルト」で星雲賞を受賞 短編SFの名手としての地位を確立した。2003年には『黄泉がえり』が映画化され、大ヒット。 ‘05年には『クロノス・ジョウンターの伝説』が映画化、舞台化された。他の著書に、日本SF大賞を受賞した『サラマンダー殲滅』や『おもいでエマノン』『つばき、時跳び』『壱里島奇譚』『クロノス・ジョウンターの黎明』『未来のおもいで 白鳥山奇譚』 などがある。

  • たちまちみさきかもめが見ていた
    平石貴樹
    定価:770円(税込み)

    連続した三つの未解決事件。共通する関係者と見えない繋がり。
    「これが当時の状況や人間関係から導きだされる、もっとも合理的な解釈ではないかとぼくは考えました」
    捜査の記憶をたぐり、辿り着いた真相とは!?

    解説:若林 踏

    美貌の新進推理作家として注目されている柚木しおりは、未解決の殺人と傷害致死事件の関係者だった。彼女の作品を読んだことで、事件を洗い直すことを決意した舟見警部補は、以前難事件を解決に導いたジャン・ピエールに捜査協力を依頼しようと動き始めた――。圧倒的な推理力を発揮する青年が暴く、見えなかった真実。函館物語第二弾が登場!

    平石貴樹(ひらいし・たかき)

    1948年北海道生まれ。東京大学文学部教授などを歴任し、現在は同大学名誉教授。’83年に「虹のカマクーラ」ですばる文学賞を受賞後、推理小説を中心に発表。2016年『松谷警部と三ノ輪の鏡』で本格ミステリ大賞最終候補に。ロジックを重視した作品に定評がある。その他の著書に『だれもがポオを愛していた』『フィリップ・マーロウよりも孤独』『サロメの夢は血の夢』『スノーバウンド@札幌連続殺人』『潮首岬に郭公の鳴く』『葛登志岬の雁よ、雁たちよ』など。

  • 首イラズ
    華族捜査局長・おういんまど
    岡田秀文
    定価:858円(税込み)

    連続殺人の謎を解くのは、素人の侯爵捜査官⁉
    絶対に面白い、大正時代ミステリーの傑作!

    解説:細谷正充

    内務省に新設された華族捜査局で、警部補の来見甲子郎は局長周防院円香の指揮の下、九鬼梨伯爵家で起きた陰惨な毒殺事件の捜査を行うことに。曲者ぞろいの伯爵家一族に確執が見え隠れする中、円香の独自の捜査スタイルに甲子郎は翻弄され続ける。そして事態は首切り連続殺人に発展! 大正時代の東京を舞台に展開する陰惨で奇怪な殺人に、麗しき捜査官が挑む。

    岡田秀文(おかだ・ひでふみ)

    1963年東京生まれ。明治大学卒業。’99年「見知らぬ侍」で第21回小説推理新人賞を受賞、2001年『本能寺六夜物語』で単行本デビュー。’02年『太閤暗殺』で第5回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞。’15年『黒龍荘の惨劇』で第15回本格ミステリ大賞、第68回日本推理作家協会賞の候補に。歴史小説と本格ミステリの両分野で高い評価を得ている。他の著書に『応仁秘譚抄』『足利兄弟』『大坂の陣』『維新の終曲』『戦時大捜査網』『白霧学舎 探偵小説倶楽部』『治験島』など多数。探偵・月輪の登場するシリーズ作品に『伊藤博文邸の怪事件』『黒龍荘の惨劇』『海妖丸事件』『月輪先生の犯罪捜査学教室』がある。

  • 人を呑む家
    鮎川哲也「三番館」全集 第3巻
    鮎川哲也
    定価:1210円(税込み)

    安楽椅子探偵 Vol.3 「三番館」シリーズ
    新宿裏通りに巣食う貧乏探偵が持ち込む難題を鮮やかな推理で解明する銀座のバーテンダー。珠玉の本格推理9編にボーナストラック2編を文庫初収録!

    解説:山前 譲

    消費者金融会社の由木は、江戸文学研究者の本田に家を担保に多額の融資をした。本田は高額の稀覯本を購入するというが、後日、利息の取り立てで家を訪れた由木の目前で彼は忽然と姿を消したのだ。実はその家、以前にも住人が屋内で消失していた……。達磨顔のバーテンが不可思議な謎を解く「三番館」全集第3巻。今回は作品の原案となった短編二編を文庫初収録。

    鮎川哲也(あゆかわ・てつや)

    1919年東京生まれ。南満洲鉄道勤務の父に伴い少年時代を大連で過ごす。’43年「婦人画報」の朗読文学募集に佐々木淳子の筆名で書いた掌編「ポロさん」が入選。’49年「宝石」百万円(税込)懸賞コンクールに本名(中川透)で応募した『ペトロフ事件』が一等入選。’56年には講談社の「書下し長篇探偵小説全集」の13巻募集に『黒いトランク』が入選。以後、本格物の長短編を数多く発表。’60年に、『憎悪の化石』と『黒い白鳥』で日本探偵作家クラブ賞(現・日本推理作家協会賞)を受賞。’90年から発足した東京創元社主催の鮎川哲也賞、’93年から始まった光文社文庫の『本格推理』にて多くの新人を発掘。2002年9月24日死去。ミステリー界に遺した功績をたたえ、翌年日本ミステリー文学大賞特別賞が贈られた。

  • いとはんのポン菓子 『バケモンの涙』改題
    歌川たいじ
    定価:814円(税込み)

    太平洋戦争末期、子どもたちを飢えから救うため、
    橘トシ子19歳、不屈の挑戦が始まる

    解説:白河桃子

    敗色濃厚となった太平洋戦争末期、大阪の旧家のいとはん・橘トシ子は国民学校の教師となる。栄養不足で教え子たちが次々と命を落とす中、少ない燃料と穀物で大量のポン菓子を製造できる機械の存在を知る。「この機械-穀物膨張機-さえあれば、子どもたちにポン菓子をお腹いっぱい食べさせられる」。そう考えたトシ子は、膨張機そのものを量産できる製造工場を立ち上げようと、物資不足の大阪を後にして、〝鉄の町〟北九州へ一人乗り込むが……。人々を飢えから救い、復員兵の職を作り出した実在する女性の奮闘の半生を描く。

    歌川たいじ(うたがわ・たいじ)

    1966年東京都生まれ。2010年『じりラブ』でデビュー。自らの生い立ちを記した『母さんがどんなに僕を嫌いでも』が映画化されるなど話題を呼び、その後も次々と作品を発表。年齢層や性別を問わず、幅広い読者に支持されている。主な作品に『花まみれの淑女たち』『やせる石鹸』などがある。

  • 後宮女官の事件簿
    藍川竜樹
    定価:770円(税込み)

    後宮の不正を取り締まる宮正女官、その相棒は……女装した皇帝!?
    呪詛を訴える投げ文、蛇に咬まれて死んだ女嬬、失踪した嬪――
    ワケありコンビが後宮に次々起こる事件を追う。
    中華後宮ミステリー堂々開幕!!
    文庫書下ろし

    凱国の後宮で不正を取り締まる宮正の魏蛍雪は、刑部令の祖父から皇帝の傍仕えを命じられた。大好きな捕り物のために女性武官に扮して後宮に入ってくるというのだ。渋々引き受けた蛍雪だったが、皇帝と対面したその日、早速事件が持ち込まれて……。ワケありコンビが不可解な事件の謎を追う! 数々の事件の裏には、後宮の闇が!? 中華後宮ミステリー堂々開幕!!

    藍川竜樹(あいかわ・たつき)

    兵庫県出身、在住。やぎ座。近著に『神戸北野 僕とサボテンの女神様』『女王ジェーン・グレイは九度死ぬ』『鬼愛づる姫の謎解き絵巻』などがある。

  • 春淡し 決定版
    吉原裏同心 (31)
    佐伯泰英
    定価:792円(税込み)

    幹次郎が消えた!? 
    緊急事態に新春の廓は大騒ぎに!

    高齢の四郎兵衛に代わり、廓を御する吉原会所の八代目頭取を誰が継ぐのか。五丁町名主の話し合いは紛糾し、画策や探り合いが始まった。新春の吉原、次期頭取候補と目される神守幹次郎を狙い、送りこまれる刺客に、張られる罠。危機を覚えた幹次郎は、故郷の豊後岡藩藩邸を訪れるとともに、ある決意を固める。吉原百年の計を思い、幹次郎の打つ、新たな布石とは!

    佐伯泰英(さえき・やすひで)

    1942年北九州市生まれ。闘牛カメラマンとして海外で活躍後、主にノンフィクション作品を発表する。’99年初の時代小説「密命」シリーズを手始めに、次々と時代小説を発表。文庫書下ろし作品のみで累計6500万部突破の快挙を成し遂げる。大好評の「吉原裏同心」「夏目影二郎始末旅」シリーズ(小社刊)の他、2019年に映画化された「居眠り磐音」、「酔いどれ小籐次」「新・酔いどれ小籐次」「空也十番勝負」「照降町四季」「交代寄合伊那衆異聞」「古着屋総兵衛影始末」「新・古着屋総兵衛」「鎌倉河岸捕物控」などの各シリーズで幅広い読者層から支持を得ている。
    佐伯泰英ウェブサイト

  • まよい道 決定版
    吉原裏同心 (32)
    佐伯泰英
    定価:792円(税込み)

    幹次郎は京へ向かう。いきなり待ち受ける暗雲。
    桜咲く京で、待ったなしの危機が!

    吉原遊廓の裏同心・神守幹次郎は、表向きは謹慎を装い、元花魁の加門麻を伴う修業の旅に出た。桜の季節、京に到着した幹次郎と麻は、木屋町の旅籠・たかせがわに投宿し修業先を探すことに。その最中、知人のいぬはずの京の町中で二人は襲撃される。一方、汀女らが留守を預かる吉原では、謎の山師が大籬の買収を公言し……。京と吉原で、各々の運命が大きく動き出す。

    佐伯泰英(さえき・やすひで)

    1942年北九州市生まれ。闘牛カメラマンとして海外で活躍後、主にノンフィクション作品を発表する。’99年初の時代小説「密命」シリーズを手始めに、次々と時代小説を発表。文庫書下ろし作品のみで累計6500万部突破の快挙を成し遂げる。大好評の「吉原裏同心」「夏目影二郎始末旅」シリーズ(小社刊)の他、2019年に映画化された「居眠り磐音」、「酔いどれ小籐次」「新・酔いどれ小籐次」「空也十番勝負」「照降町四季」「交代寄合伊那衆異聞」「古着屋総兵衛影始末」「新・古着屋総兵衛」「鎌倉河岸捕物控」などの各シリーズで幅広い読者層から支持を得ている。
    佐伯泰英ウェブサイト

  • 家族
    名残の飯
    伊多波 碧
    定価:748円(税込み)

    誰だって泣きたいときはある。
    「ちょっとだけ優しくなれる」物語が詰まったシリーズ第四弾!
    こうして無事にまた会えてよかった。
    生きていてくれてありがとう。
    文庫書下ろし

    「橋場の渡し」近くにある一膳飯屋「しん」。飛脚問屋の元美人女将と娘の二人が訳あって営むことになった、その店の近所で火事が起きた。それまで支えあってきた橋場町の住人たちの間に不穏な空気が漂う。同じ頃、奥州から訳ありの一人の女が江戸に戻って来た。犬に詳しいその女の正体が明らかになった時、人の心が揺れ出す――。人情が染みる、新たな展開のシリーズ第四弾。

    伊多波碧(いたば・みどり)

    2001年作家デビュー。絶妙な語り口と生き生きとした人物造形に定評がある。’21年、時代小説の新シリーズ「名残の飯」の第一弾として『橋場の渡し』を刊行したところ、読者、書店員の間で話題を呼んだ。本作はそのシリーズ二作目となる。ほかの著書に『うそうそどき』『リスタート!』『父のおともで文楽へ』などの作品がある。

  • はぐれ狩り
    日暮左近事件帖
    藤井邦夫
    定価:704円(税込み)

    シリーズ史上最高迫力の剣戟が満載の第十六弾
    忍びの意地!
    「お前たちが秘かに斃したはぐれ忍びに代わって 恨みを晴らす」
    呉服屋から依頼を受けた公事宿「巴屋」出入物吟味人・日暮左近は、とてつもない闘いに巻き込まれていく――
    文庫書下ろし

    公事宿『巴屋』に呉服屋の京丸屋から、付け火や浪人から乱暴狼藉をされるなどの騒動が起きているので調べてほしいと依頼があった。巴屋の出入物吟味人・日暮左近は、主・彦兵衛の頼みで京丸屋を調べ始めたのだが、事態はとんでもない方向へ。そして、忍び同士の意地と誇りを懸けた戦いが始まることになった――。シリーズ史上最高剣戟の詰まった第十六弾。

    藤井邦夫(ふじい・くにお)

    1946年北海道生まれ。テレビドラマの脚本家、監督として活躍後、時代小説家として
    デビューし、一躍人気作家となる。その巧みなストーリーには定評があり、多くの読者を
    魅了している。主なシリーズに、「日暮左近事件帖」「乾蔵人 隠密秘録」「評定所書役・
    柊左門 裏仕置」(以上、光文社文庫)、「日溜り勘兵衛極意帖」「知らぬが半兵衛手控え帖」
    「新・知らぬが半兵衛手控え帖」「柳橋の弥平次捕物噺」「結城半蔵事件始末」(以上、
    双葉文庫)、「秋山久蔵御用控」「養生所見廻り同心 神代新吾事件覚」(以上、文春文庫)、
    「江戸の御庭番」(角川文庫)、「大江戸閻魔帖」(講談社文庫)などがある