光文社文庫 12月の新刊

(12月13日発売/一部地域をのぞく)

今月の新刊はコチラ

  • 志賀越みち
    伊集院 静
    定価:1034円(税込み)

    こんな名作があったのか――
    好きどす。好きどす。
    うちをどうか離さんといておくれやす……

    昭和38年、京都祇園。東京の大学生、津田雅彦は花模様の浴衣姿で一心不乱に祈る女性と出会う。輝く眸に心を奪われ、若者は恋に落ちる。容姿も芸技も随一と評判の舞妓、真祇乃。やがて彼女も雅彦に想いを寄せていく。逢瀬を重ね、恋情を育む二人だったが……。

    伊集院 静(いじゅういん・しずか)

    1950年山口県防府市生まれ。立教大学文学部卒業。 ‘81年短編小説「皐月」でデビュー。 ‘91年『乳房』で吉川英治文学新人賞、’92年『受け月』で直木賞、’94年『機関車先生』で柴田錬三郎賞、2002年『ごろごろ』で吉川英治文学賞をそれぞれ受賞。’16年に紫綬章を受章。『日傘を差す女』『琥珀の夢』『患者よ、お前がいなくなって淋しくてたまらない』『ミチクサ先生』『いとまの雪』、エッセイ集『大人への手順』「大人の流儀」シリーズなど、著書多数。

  • サーモン・キャッチャー
    the Novel
    道尾秀介
    定価:858円(税込み)

    小説で、すごい世界を見に行こう。
    道尾秀介に騙される快感を堪能あれ!
    釣り堀カープ・キャッチャーで消えた鯉の謎が、運命を動かしていく。

    神様の通う屋内釣り堀カープ・キャッチャーの景品棚には、高得点でもらえる伝説の白い箱があった。 箱の中身を知りたいバイトの明、箱を狙う父親、店主を脅す女性、幽霊を撮影する兄妹、謎のヒツギム人らが釣り堀に集う時、運命は動く。一匹の鯉を巡り、悩める者たちが人生をかけた大勝負。怒涛の展開で大興奮、超絶技巧、名手道尾秀介の人生を変えるミステリー。

    道尾秀介(みちお・しゅうすけ)

    1975年、東京都出身。2004年、『背の眼』でホラーサスペンス大賞特別賞を受賞しデビュー。 『向日葵の咲かない夏』が話題となり、一大ベストセラーに。 ‘07年『シャドウ』で本格ミステリ大賞受賞。’09年『カラスの親指』で日本推理作家協会賞受賞。 ‘10年『龍神の雨』で大藪春彦賞受賞、『光媒の花』で山本周五郎賞受賞。’11年『月と蟹』で第144回直木賞を受賞。 その作品群は多様な魅力を持ち、読者の支持を広く集める。 その他の著書に『カササギたちの四季』『光』『満月の泥枕』『スケルトン・キー』『いけない』『いけないⅡ』『N』『カエルの小指』など多数。

  • DRY
    原田ひ香
    定価:814円(税込み)

    『三千円の使いかた』の次に、原田ひ香が女のお金と生き方を見つめた衝撃作!!
    読んだ人を圧倒する話題作がついに文庫化。

    離婚し子と引き離され、金銭的に困窮した藍は、祖母と母のいる実家に戻る。生活力もなく喧嘩の絶えない藍たちに手を差し伸べたのは、隣に住む美代子だった。祖父を介護して暮らしているという美代子に助けられ親しくなるうち、彼女のある秘密が知れる……。貧困、ケア、孤独。背負わされる業と役割に、女たちはどう抗えるというのか。迫真と驚愕のクライムノベル。

    原田ひ香(はらだ・ひか)

    1970年神奈川県生まれ。2005年「リトルプリンセス2号」で第34回NHK創作ラジオドラマ脚本懸賞公募(現・創作ラジオドラマ大賞)の最優秀作を受賞。 2007年「はじまらないティータイム」で第三十一回すばる文学賞受賞。 2022年『三千円の使いかた』が大ヒット、『一橋桐子(76)の犯罪日記』がNHKでドラマ化される。 他の著書に『母親ウエスタン』『彼女の家計簿』『彼女たちが眠る家』 『まずはこれ食べて』『口福のレシピ』『母親からの小包はなぜこんなにダサいのか』『古本食堂』、 「東京ロンダリング」シリーズ、「三人屋」シリーズ、「ランチ酒」シリーズなど多数。 最新刊は『老人ホテル』(小社刊)。

  • おとぎカンパニー
    日本昔ばなし編
    田丸雅智
    定価:726円(税込み)

    「一寸法師」「桃太郎」「浦島太郎」…
    現代ショートショートの旗手が誰もが知る「昔ばなし」を奇跡のアレンジ!

    入社当日、私の前に現れた部長は身長三センチほどしかなかった。ハンデをものともせず、バリバリ仕事をこなしているように見えたのだが……。(「一寸上司」)物々交換のプロ集団たちの会社。彼らは日夜、クライアントの目的の物を手に入れるべく、あの手この手で奮闘していた。(「わらしべエージェンシー」)なじみ深い昔ばなしを鮮やかに生まれ変わらせた12編。

    田丸雅智(たまる・まさと)

    1987年、愛媛県生まれ。東京大学工学部、同大学院工学系研究科卒。2011年、『物語のルミナリエ』に「桜」が掲載され作家デビュー。’12年、樹立社ショートショートコンテストで「海酒」が最優秀賞受賞。「海酒」は、ピース・又吉直樹氏主演により短編映画化され、カンヌ国際映画祭などで上映された。坊っちゃん文学賞などにおいて審査員長を務め、また、全国各地でショートショートの書き方講座を開催するなど、現代ショートショートの旗手として幅広く活動している。書き方講座の内容は、’20年度から小学4年生の国語教科書(教育出版)に採用。’21年度からは中学1年生の国語教科書(教育出版)に小説作品が掲載。’17年には400字作品の投稿サイト「ショートショートガーデン」を立ち上げ、さらなる普及に努めている。著書に『海色の壜』「おとぎカンパニー」シリーズなど多数。メディア出演に「情熱大陸」「SWITCHインタビュー 達人達」など多数。

  • 竜王氏の不吉な旅
    鮎川哲也「三番館」全集 第1巻
    鮎川哲也
    定価:1210円(税込み)

    鬼貫警部と並ぶ本格推理の巨匠のもう一つの代表作安楽椅子探偵の傑作「三番館」シリーズ、ついに刊行開始!

    刑事をクビになり、妻に三行半をつきつけられたわたしは、新宿の裏通りで探偵事務所を開業している。といっても滅多に客はなく、友人の弁護士が持ち込む事件の調査で糊口を凌いでいる。そしてもう一人の心強い味方が銀座にあるバー〝三番館〟の達磨顔のバーテンダー。カクテルは下手だが推理力は抜群、少ないデータで真犯人をピタリと言い当てる安楽椅子探偵だ!

    鮎川哲也(あゆかわ・てつや)

    1919年東京生まれ。南満洲鉄道勤務の父に伴い少年時代を大連で過ごす。’43年「婦人画報」の朗読文学募集に佐々木淳子の筆名で書いた掌編「ポロさん」が入選。’49年「宝石」百万円懸賞コンクールに本名(中川透)で応募した『ペトロフ事件』が一等入選。’56年には講談社の「書下し長篇探偵小説全集」の13巻募集に『黒いトランク』が入選。以後、本格物の長短編を数多く発表。’60年に、『憎悪の化石』と『黒い白鳥』で日本探偵作家クラブ賞(現・日本推理作家協会賞)を受賞。’90年から発足した東京創元社主催の鮎川哲也賞、’93年から始まった光文社文庫の『本格推理』にて多くの新人を発掘。2002年9月24日死去。ミステリー界に遺した功績をたたえ、翌年日本ミステリー文学大賞特別賞が贈られた。

  • 超常気象
    異形コレクションLⅢ
    井上雅彦・監修
    定価:1210円(税込み)

    全篇新作書下ろし!
    生誕二十五周年を飾る54冊目の《異形》
    「異常気象」を遙かに凌駕する「超常気象」の世界へ――

    〈収録作品〉

    朝松 健『怪雨は三度降る』
    井上雅彦『彩られた窓』
    上田早夕里『成層圏の墓標』
    空木春宵『堕天児すくい』
    大島清昭『星の降る村』
    加門七海『虚空』
    黒木あるじ『千年雪』
    坂入慎一『三種の低気圧』
    澤村伊智『赤い霧』
    篠たまき『とこしえの雨』
    柴田勝家『業雨の降る街』
    斜線堂有紀『金魚姫の物語』
    田中啓文『地獄の長い午後』
    平山夢明『いつか やさしい首が……』
    宮澤伊織『件の天気予報』

  • 夜桜 決定版
    吉原裏同心(17)
    佐伯泰英
    定価:792円(税込み)

    誰よりも走るのが早い謎の侍が江戸で大人気に。
    吉原を舞台に、いざ走り合いの大勝負!!

    日本橋に現れた、誰より走るのが早い若侍。見世物好きの江戸者を当て込み、吉原を舞台に走り合いの勝負を行う話が出るが、過去の怪しい若侍の正体を会所は調べることに。一方、吉原の大籬三浦屋で人気の振袖新造が騒動を起こし、裏同心幹次郎にも罠が忍び寄る。新造の陥る悲劇とは。そして、謎の俊足の侍が、吉原と江戸の町を大興奮の渦に巻き込むことに――

    佐伯泰英(さえき・やすひで)

    1942年北九州市生まれ。闘牛カメラマンとして海外で活躍後、主にノンフィクション作品を発表する。’99年初の時代小説「密命」シリーズを手始めに、次々と時代小説を発表。文庫書下ろし作品のみで累計6500万部突破の快挙を成し遂げる。大好評の「吉原裏同心」「夏目影二郎始末旅」シリーズ(小社刊)の他、2019年に映画化された「居眠り磐音」、「酔いどれ小籐次」「新・酔いどれ小籐次」「空也十番勝負」「照降町四季」「交代寄合伊那衆異聞」「古着屋総兵衛影始末」「新・古着屋総兵衛」「鎌倉河岸捕物控」などの各シリーズで幅広い読者層から支持を得ている。
    佐伯泰英ウェブサイト

  • 無宿 決定版
    吉原裏同心(18)
    佐伯泰英
    定価:792円(税込み)

    人気絶頂の薄墨太夫を狙う「眼」の正体とは。
    薄墨の秘めた過去が、幹次郎を惑わせる――

    早朝の浅草寺で、廓の用心棒幹次郎は血の臭いをまとうふたりの男とすれ違う。 質商小川屋の一家総勢七人を惨殺したと思われるふたりは、江戸の町から消え去ったかに思われたが……。 さらに、人気絶頂の花魁・薄墨太夫を狙う謎の「眼」に気づく幹次郎。 その正体を追ううち、薄墨こと加門麻の隠された過去に触れることになる。 悪を相手に、幹次郎の怒りの秘剣が翻る。

    佐伯泰英(さえき・やすひで)

    1942年北九州市生まれ。闘牛カメラマンとして海外で活躍後、主にノンフィクション作品を発表する。’99年初の時代小説「密命」シリーズを手始めに、次々と時代小説を発表。文庫書下ろし作品のみで累計6500万部突破の快挙を成し遂げる。大好評の「吉原裏同心」「夏目影二郎始末旅」シリーズ(小社刊)の他、2019年に映画化された「居眠り磐音」、「酔いどれ小籐次」「新・酔いどれ小籐次」「空也十番勝負」「照降町四季」「交代寄合伊那衆異聞」「古着屋総兵衛影始末」「新・古着屋総兵衛」「鎌倉河岸捕物控」などの各シリーズで幅広い読者層から支持を得ている。
    佐伯泰英ウェブサイト

  • 戦国十二刻
    始まりのとき
    木下昌輝
    定価:770円(税込み)

    足利義政 斎藤道三 毛利元就 竹中半兵衛 島津惟新 長曾我部盛親応仁の乱、厳島、関ヶ原…運命のときまで24時間!《戦国十二刻シリーズ》第二弾!

    守護である土岐頼芸を討たんとする蝮の異名をもつ斎藤道三。そのもとに土岐一族の重鎮の首を持参したという十兵衛なる侍が現れるのだが……。秘められた因縁に驚愕必至の「因果の籤」ほか、毛利元就、竹中半兵衛ら名だたる軍師たちの運命を決定づけた二十四時間。応仁の乱から関ヶ原の合戦へ――戦乱の時代を貫く因果を、大胆な歴史解釈と緻密な構成で活写する全八編!

    木下昌輝(きのした・まさき)

    1974年奈良県生まれ。2012年「宇喜多の捨て嫁」でオール讀物新人賞を受賞。収録作『宇喜多の捨て嫁』は、直木賞候補となり、歴史時代作家クラブ賞新人賞、舟橋聖一文学賞、高校生直木賞、咲くやこの花賞を受賞。『天下一の軽口男』で大阪ほんま本大賞、『絵金、闇を塗る』で野村胡堂文学賞、『まむし三代記』で日本歴史時代作家協会賞作品賞、中山義秀文学賞を受賞。ほかに『戦国十二刻 終わりのとき』『戦国十二刻 始まりのとき』『孤剣の涯て』など。

  • 暁の雹
    其角忠臣蔵異聞
    小杉健治
    定価:748円(税込み)

    忠臣蔵の闇と元禄を描く意欲作第三弾!
    文庫書下ろし

    「松の廊下刃傷沙汰」芝居が上演取り止め!土左衛門で発見された作者は自殺か、他殺か?松の廊下の刃傷沙汰を題材に山村座が真っ先に芝居を掛ける。しかし、千秋楽まであと少しのところで幕府から上演を止めさせられ、作者の伊勢貞九郎は、日本橋川で土左衛門となって発見される。奉行所は上演取り止めを苦にした自殺とするが、貞九郎と面識のあった宝井其角はどうも納得がいかない……。俳諧師・其角の視点から描く忠臣蔵異聞第三弾。

    小杉健治(こすぎ・けんじ)

    1947年東京生まれ。’83年「原島弁護士の処置」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。’88年『絆』で日本推理作家協会賞、’90年『土俵を走る殺意』で吉川英治文学新人賞を受賞。著書に『宿命 検事・沢木正夫』『父からの手紙』「新九郎外道剣」シリーズ、「人情同心 神鳴り源蔵」シリーズ、「般若同心と変化小僧」シリーズなどがある。

  • くれないの姫
    はたご雪月花(四)
    有馬 美季子
    定価:726円(税込み)

    「絶対、下手人を許さない!」
    はたご雪月花を予約していた客が殺された。
    女将の里緒は激怒するが、その後も近所で殺人が続く――
    文庫書下ろし

    浅草山之宿町の旅籠〈雪月花〉のある「せせらぎ通り」で白金の百姓が殺された。雪月花に宿泊する予定の客だった。その後も、同じ通りで続く殺人に、雪月花の女将・里緒をはじめ普段は観光客で賑わう通りの店や人々は怯える。里緒と懇意の南町奉行所定町廻り同心・山川隼人は、事件の背後に隠れている真相に辿りつけるか。味わいと江戸の風情、それに人情がちりばめられた「はたご雪月花」シリーズ、待望の第四弾。思わず一気読みしてしまうこと、請け合いです。

    有馬美季子(ありま・みきこ)

    2016年、『縄のれん福寿』(祥伝社文庫)で時代小説デビュー。その後、料理屋を切り盛りする女三代がかしましくも事件を解決していく「はないちもんめ」シリーズも好評を博す。ほかの作品に吉原随一の花魁となった主人公が欲望と嫉妬が渦巻く世界で不可解な謎を艶やかに解き明かしていく『吉原花魁事件帖 青楼の華』(PHP文芸文庫)、『食いだおれ同心』(祥伝社文庫)、他のシリーズとして「冬花の出前草紙」がある。2021年、日本歴史時代作家協会賞、文庫書き下ろしシリーズ賞を「はないちもんめ」シリーズ、「はたご雪月花」シリーズで第10回日本歴史時代作家協会賞、文庫書き下ろしシリーズ賞を受賞した。

  • 江戸のかほり
    藤原緋沙子傑作選
    藤原緋沙子
    定価:770円(税込み)

    これぞ、「藤原緋沙子の世界」代表作シリーズをつまみ読み!
    江戸の人情に料理、事件の謎解きに爽快感が溢れる――
    心が満たされる藤原緋沙子作品の「粋」を集めました。

    縁切り寺の御用宿を舞台にした「隅田川御用帳」、江戸では珍しい女性医者を主人公に据えた「藍染袴お匙帖」、〝窓際同心〟の活躍を描いた「橋廻り同心・平七郎控」、行方知れずになった妻を捜し出す浪人が主人公のシリーズ「浄瑠璃長屋春秋記」。人気時代作家・藤原緋沙子の代表シリーズといえる作品の「一篇」を集めた、まさにこれが傑作ダイジェスト。愛読者も、未読の方にもお勧めの一冊です。【収録作品】「裁きの宿」(「隅田川御用帳シリーズ」)「桜散る」(「橋廻り同心・平七郎控シリーズ」「別れ烏」(「藍染袴お匙帖シリーズ」」「盗まれた亀」(「浄瑠璃長屋春秋記シリーズ」)

    藤原緋沙子(ふじわら・ひさこ)

    高知県生まれ。2002年、「隅田川御用帳」シリーズで小説家デビュー。文庫書き下ろし時代小説で絶大な人気を誇る。代表的シリーズとして「隅田川御用帳」があり、ほかにシリーズとしては「渡り用人 片桐弦一郎控」(光文社文庫)、「藍染袴お匙帖」(双葉文庫)、「橋廻り同心・平七郎控」(祥伝社文庫)、「切り絵図屋」(文春文庫)、「見届け人秋月伊織事件帖」(講談社文庫)、「秘め事 おたつ」(幻冬舎時代小説文庫)などがある。’13年、「隅田川御用帳」シリーズで第2回歴史時代作家クラブ賞シリーズ賞を受賞。

    【編者について】

    菊池仁(きくち・めぐみ)

    1944年、神奈川県生まれ。文芸評論家。歴史・時代小説の評論を中心に活躍。

  • 従者
    鬼役伝(四)
    坂岡 真
    定価:748円(税込み)

    200万部ヒットシリーズの超人気シリーズ「鬼役」の原点シリーズ
    鬼役、始動! ついに御膳奉行となり、毒味を始めた伊吹求馬。その前に、「裏の御用」の命が下る――
    ここから読んでも面白いシリーズ第四弾!
    文庫書下ろし

    ついに矢背家に婿入りして、御膳奉行となった求馬。初の毒味を無事に終えると、目の前に「矢背家の用人」を命じられたという浪人風の男、佐山大五郎が現れた。槍の名人という佐山は、配下として探索に動いてくれることになり、矢背家も御用を務めるに盤石な態勢となった。しかし、佐山が、消息を絶つ――。将軍の毒味役鬼役の矢背家、初代の物語、一気読みのシリーズ第四弾。

    坂岡 真(さかおか・しん)

    1961年、新潟県生まれ。11年の会社勤めを経て文筆の世界へ。花鳥風月を醸し出す筆致の時代小説を描く。作品の質の高さには定評があり、「鬼役」シリーズは200万部を超える大ヒットシリーズとなった。ほかに主なシリーズとして、「ひなげし雨竜剣」(光文社文庫)、「帳尻屋始末」「帳尻屋仕置」「照れ降れ長屋風聞帖」「はぐれ又兵衛例繰控」(双葉文庫)、「あっぱれ毬谷慎十郎」「十手長屋物語」(ハルキ文庫)、「うぽっぽ同心十手裁き」(徳間文庫)、「死ぬがよく候」(小学館文庫)、「のうらく侍御用箱」「新・のうらく侍」(祥伝社文庫)、「火盗改しノ字組」(文春文庫)などがあり、お紋作品に『一分』(光文社)、『絶局』(小学館)などがある。いま、もっとも注目されている時代小説作家のひとりである。

  • 国道者
    佐藤健太郎
    定価:792円(税込み)

    「国道」には謎と物語があふれている。狭くて険しい登山道のような「酷道」、全長わずか200メートル弱、階段、途中で海や山にぶつかって消える……など超個性的なものから、地元住民の悲願がつまった感動の道まで、日本全国のエッジが効いた国道を紹介する。毎日通る見慣れたはずのあの国道に、こんな物語があったとは!! 何も語らないその無機質な姿が、読後はちょっとカッコよく見えてくる……。

    〔目次〕
    CHAP1
    北海道・東北編国道333号、国道339号、国道458号、 国道289号、国道349号、国道401号
    CHAP2
    関東編国道6号、県道14号、国道120号、県道9号、国道17号、国道1号、都環C1、国道16号、国道246号、国道271号
    CHAP3
    東海・中部・北陸編国道403号、国道52号、国道414号、国道152号、県道162号、国道41号、国道361号
    CHAP4
    近畿編国道23号、国道42号、国道308号、国道166号、国道43号、国道174号
    CHAP5
    中国・四国編国道31号、国道189号、国道32号
    CHAP6
    九州・沖縄編 国道266号、国道57号、国道499号、国道58号、国道390号