光文社文庫 1月の新刊

(1月11日発売/一部地域をのぞく)

今月の新刊はコチラ

  • ブラックウェルに憧れて
    四人の女性医師
    南 杏子
    定価:748円(税込み)

    医学部不正入試問題に象徴される医学界の不公平と不公正。
    退官を迎える女性教授は、医師としてキャリアを重ねてきた4人の教え子たちに、何を語るのか?
    『ディア・ペイシェント』『いのちの停車場』で話題沸騰!現役医師だから描けた医療現場のリアル。

    解説:吉田伸子

    20年前、中央医科大学の解剖学実習で組まれた女性だけの班――長谷川仁美、坂東早紀、椎名涼子、安蘭恵子の4人は、城之内泰子教授の指導のもと優秀な成績で卒業しそれぞれの道を歩んできた。順調に見えるキャリアの裏には、女性ゆえの苦労もある。人生の転機を迎えた彼女たちに、退官する泰子が告げる驚きの事実とは? 今こそ読まれるべき珠玉の人間ドラマ!

    南 杏子(みなみ・きょうこ)

    1961年徳島県生まれ。日本女子大学卒。出版社勤務を経て、東海大学医学部に学士編入し、卒業後、慶應義塾大学病院老年内科や高齢者専門病院で勤務する。2016年『サイレント・ブレス』でデビュー。他の著書に『ディア・ペイシェント 絆のカルテ』『いのちの停車場』『ヴァイタル・サイン』『希望のステージ』『アルツ村』などがある。

  • テレビドラマよ永遠に
    女子大生さくらがわはるの推理
    鯨統一郎
    定価:792円(税込み)

    「えっ!?」
    これが驚かずにいられるか!
    マスターと常連たちの酔いどれ談義に春子の名探偵ぶり。
    これ全部小説だったって、どういうこと――?
    意外すぎる展開に開いた口がふさがらない、好評シリーズ第8弾!

    解説:細谷正充

    バー<森へ抜ける道>を舞台に繰り広げられる酒呑みトークやみんな大好き未解決事件の話、そして東子さんの名推理。これが全部、登場人物のひとりが書いた小説だったって……一体どういうこと!? それはさておき今度のお題は飛行機から消えた殺人鬼の謎に25年前の資産家令嬢行方不明事件。テレビドラマの蘊蓄もたっぷりの好評バー・ミステリ第8弾!

    鯨統一郎(くじら・とういちろう)

    1998年『邪馬台国はどこですか?』でデビュー。傑作・怪作・奇作・話題作を連発する、本格界随一のトリック・スター。著書に『努力しないで作家になる方法』『作家で十年いきのびる方法』『女子大生つぐみと邪馬台国の謎』『三つのアリバイ 女子大生桜川東子の推理』『徳川埋蔵金はここにある 歴史はバーで作られる2』『金閣寺は燃えているか? 文豪たちの怪しい宴』『カルトからの大脱出』などがある。

  • 第四の暴力
    深水黎一郎
    定価:924円(税込み)

    「今日は、全部出してもいいよね?」
    男の怒りが未来を変える――あなたならどちらを選ぶ?
    「第四の権力(マスコミ)」への疑問と憤怒が大爆発!
    本格ミステリーの鬼才が敢えて挑発する超問題作!

    解説:杉江松恋

    集中豪雨で全滅した山村にただ一人生き残った男を、テレビカメラとレポーターが、貪るようにしゃぶりつくす。男は怒りを爆発させ、暴れ回る。その引き金を引いた女性アナウンサーは業界を去るが、彼女もまたマスコミの犠牲者だったと男は気づく。その二人が場末の食堂で再会した時……。強烈な皮肉と諧謔でギョーカイを鋭く抉る、超激辛の問題作登場!

    深水黎一郎(ふかみ・れいいちろう)

    1963年山形県生まれ。2007年『ウルチモ・トルッコ』でメフィスト賞を受賞してデビュー。同作は『最後のトリック』と改題文庫化され、ベストセラーとなる。11年「人間の尊厳と八〇〇メートル」で日本推理作家協会賞(短編部門)受賞。14年刊行の『大癋見警部の事件簿』で本格ミステリ大賞候補。15年刊行の『ミステリー・アリーナ』で本格ミステリベスト10第1位を獲得。その他の著書に『犯人選挙』『詩人の恋』『名画小説』など。

  • みどり町の怪人
    彩坂美月
    定価:770円(税込み)

    未解決の母子殺人事件が生んだ都市伝説
    “怪人”が人々を狂わせていく

    解説:黒木あるじ

    一見、ありふれた日常が流れる、どこにでもある小さな郊外の町、みどり町。ただある一点、「怪人がいる」という“非日常”を除いては……。時は1990年代初め。奇妙な都市伝説の裏には、未解決のまま20年以上が過ぎた凄惨な母子殺人事件が隠されていた――。

    彩坂美月(あやさか・みつき)

    12月31日生まれ。山形県出身。早稲田大学第二文学部卒業。2009年、第7回富士見ヤングミステリー大賞準入選作『未成年儀式』でデビュー (文庫化の際に『少女は夏に閉ざされる』に改題)。他著に『夏の王国で目覚めない』『柘榴パズル』『金木犀と彼女の時間』『向日葵を手折る』『思い出リバイバル』など。

  • ちびねこ亭の思い出ごはん
    からす猫とホットチョコレート
    高橋由太
    定価:682円(税込み)

    泣けて、
    泣けて、
    あたたかい
    亡くなった大切な人に会える――そんな店がここにあります。
    文庫書下ろし

    保育士の佐藤理々は、二十二歳のときにできた初めての子を死産した。夫と誕生を心待ちにして、名前も彩葉と決めていた女の子。あのとき転んだせいではないか。自分を責めずにいられなかった。七年後、理々は「死んだ人に会える食堂」へと向かっていた。一度も胸に抱くことができなかった我が子に会うために――。温かい感動が胸に迫る、好評シリーズ待望の第六弾。

    高橋由太(たかはし・ゆた)

    1972年千葉県生まれ。 2010年、第8回 「このミステリーがすごい!」大賞隠し玉として『もののけ本所深川事件帖 オサキ江戸へ』(宝島社文庫)でデビュー。「オサキ」シリーズ、「ぽんぽこ」 シリーズ、「猫は仕事人」シリーズなど、多くの時代小説の人気シリーズ作品を執筆している。時代小説以外の作品に「黒猫王子の喫茶店」シリーズ、「作ってあげたい小江戸ごはん」シリーズ、「あやかし和菓子処かのこ庵」シリーズのほか、『あなたの思い出紡ぎます 霧の向こうの裁縫店』『神様の見習い もののけ探偵社はじめました』などがある。

  • 断罪
    悪は夏の底に
    石川智健
    定価:880円(税込み)

    正義と悪の境はどこにあるのか
    一人の刑事も失踪。相次ぐ行方不明者はどこへ消えた?
    謎を追う刑事が突き止めた背後にある大きな組織とは?
    驚愕の「警察ミステリー」登場!

    解説:朝宮運河

    警視庁捜査一課の青山陽介は担当した殺人事件で、犯人だと目された男とは別に真犯人がいるとにらんだ。その働きを認めた検事の稲城から、不審な行方不明事件が続く武蔵野東警察署に出向くよう命じられる。そこで出会った検案医、夏目塔子に何かを感じるのだが――。抜群の推理力を発揮する同級生・小鳥冬馬の助けを得て青山が辿り着く戦慄の真実とは!

    石川智健(いしかわ・ともたけ)

    1985年神奈川県生まれ。『グレイメン』で2011年に「ゴールデン・エレファント賞」第二回大賞を受賞。’12年に同作品が日米韓で刊行となり、作家デビューを果たす。現在は医療系企業に勤めながら、執筆活動を行っている。著書に「エウレカの確立」シリーズや『ため息に溺れる』『この色を閉じ込める』『60 誤判対策室』『闇の余白』『ゾンビ3.0』などがある。

  • 毒蜜
    裏始末 決定版
    南 英男
    定価:836円(税込み)

    シリーズ累計80万部突破!
    多門剛の恋人の美人弁護士が殺害された――。
    ライバル「強請屋」の見城豪、登場!
    恋人の敵を討て!

    陸自隊員、やくざという異色の経歴を持つ揉め事専門の始末屋・多門剛。恋人の美人弁護士・朝倉華奈が何者かに殺されてしまった。悲しみに暮れる多門は、華奈の友人たちの証言をもとに、華奈を殺した憎き犯人を割り出すべく動き出すが、その途中に意外な人物の邪魔が入った。強請屋で名を知られるその人物の目的とはいったい何なのか。そして、ついに明らかになった真犯人とは……。ますます好評のハードサスペンスシリーズ、躍動の第八弾。

    南 英男(みなみ・ひでお)

    1944年、東京都生まれ。明治大学卒業後、雑誌編集者を経て青春ハードボイルド小説などを執筆して人気を博す。’85年『街に棲む野獣』以降、ハードサスペンスに取り組む。ベストセラーになった「強請屋稼業」シリーズ、「毒蜜」シリーズ、「姉御刑事」シリーズなど全著作合計が2300万部を突破した。

  • ずっと喪
    洛田二十日
    定価:682円(税込み)

    ショートショート大賞受賞作を含む、前代未聞の22編!

    巻末対談ゲスト:加納愛子さん(Aマッソ)

    過疎化が進み、観光資源もないわが村。村おこしの秘策は「桜前線を断ち切って村に留めてしまおう」だった。成功すれば一年じゅう桜が咲くはずだ。(「円い春」) 
    雄太郎には生まれたときから母がいない。技師である父親は、彼のために「義母」を作るのだが……。(「義師」) 
    ぶっ飛んだ設定とまったく先の読めない展開。ショートショート界に爆風を吹き込んだ異才が放つ22編!

    洛田二十日(らくだ・はつか)

    新潟県新潟市出身。早稲田大学文化構想学部卒業。大学卒業後は放送作家事務所に所属し、テレビ、ラジオ番組の構成作家として活動。第2回ショートショート大賞にて応募作「桂子ちゃん」が大賞を受賞。2018年ショートショート作品集『ずっと喪』でデビュー。以降も短編を中心に作品を発表中。

  • 未決 決定版
    吉原裏同心 (19)
    佐伯泰英
    定価:792円(税込み)

    嫌われ女郎の心中が、思わぬ大波乱を巻き起こす。
    江戸の遊廓吉原を、かつてない強大な「闇の力」が襲う!

    遊女たちの髪洗いの日、千惷楼でお職を張る女郎莉江が客と心中した。廓の用心棒神守幹次郎らは、心中に見せかけた殺しでは、と疑いを抱く。探索で浮かび上がったのは、陰供を引き連れ楼に上がった謎の人物。白装束の軍団が幹次郎に脅しをかける中、莉江とかかわる者らが次々と殺されていく。そして「闇の力」が会所に襲い掛かるとき、幹次郎らに生命の危機が!

    佐伯泰英(さえき・やすひで)

    1942年北九州市生まれ。闘牛カメラマンとして海外で活躍後、主にノンフィクション作品を発表する。’99年初の時代小説「密命」シリーズを手始めに、次々と時代小説を発表。文庫書下ろし作品のみで累計6500万部突破の快挙を成し遂げる。大好評の「吉原裏同心」「夏目影二郎始末旅」シリーズ(小社刊)の他、2019年に映画化された「居眠り磐音」、「酔いどれ小籐次」「新・酔いどれ小籐次」「空也十番勝負」「照降町四季」「交代寄合伊那衆異聞」「古着屋総兵衛影始末」「新・古着屋総兵衛」「鎌倉河岸捕物控」などの各シリーズで幅広い読者層から支持を得ている。
    佐伯泰英ウェブサイト

  • 髪結 決定版
    吉原裏同心 (20)
    佐伯泰英
    定価:792円(税込み)

    髪結見習いの少女が見てしまったある秘密。
    狙われた娘たちを助け出せるか。

    女髪結おりゅうの妹で髪結見習いのおきちが不審な客に狙われているという。廓の用心棒神守幹次郎らはおきちの警固に乗り出すが、背景には謎の船問屋が企んだ陰謀が隠されていた。さらに、吉原会所の頭取四郎兵衛をその座から引き下ろそうと、卑劣な攻撃が始まる。再び蠢き出した「闇の力」がもたらす危機に、吉原会所は総力を上げ立ち向かうが、悲劇が襲う!

    佐伯泰英(さえき・やすひで)

    1942年北九州市生まれ。闘牛カメラマンとして海外で活躍後、主にノンフィクション作品を発表する。’99年初の時代小説「密命」シリーズを手始めに、次々と時代小説を発表。文庫書下ろし作品のみで累計6500万部突破の快挙を成し遂げる。大好評の「吉原裏同心」「夏目影二郎始末旅」シリーズ(小社刊)の他、2019年に映画化された「居眠り磐音」、「酔いどれ小籐次」「新・酔いどれ小籐次」「空也十番勝負」「照降町四季」「交代寄合伊那衆異聞」「古着屋総兵衛影始末」「新・古着屋総兵衛」「鎌倉河岸捕物控」などの各シリーズで幅広い読者層から支持を得ている。
    佐伯泰英ウェブサイト

  • ふたり道
    父子十手捕物日記
    鈴木英治
    定価:726円(税込み)

    四つ斬りにされた鉄貼りの扉とおしろいの残り香
    下手人はとてつもない遣い手の女なのか!?

    茶を商う砂栖賀屋が押し込みに入られたという報せがあり、南町奉行所定町廻り同心の御牧文之介と中間の勇七が駆けつける。家人、奉公人とも皆殺しの凄惨な現場では、鉄板が貼りつけられた蔵の扉が四つ斬りに割られており、さらにかすかにおしろいの残り香が……。下手人はとてつもない遣い手の女なのか? 好評シリーズ第17弾!

    鈴木英治(すずき・えいじ)

    1960年、静岡県沼津市生まれ。明治大学経営学部卒業。’99年、第一回角川春樹小説賞特別賞を『駿府に吹く風』(『義元謀殺』に改題)で受賞。主な作品に「口入屋用心棒」「手習重兵衛」「徒目付久岡勘兵衛」「新兵衛捕物御用」「下っ引夏兵衛捕物控」「大江戸やっちゃ場伝」「無言剣殺」「突きの鬼一」などの人気シリーズがある。

  • 獄門待ち
    隠密船頭(十)
    稲葉 稔
    定価:704円(税込み)

    稲葉稔の累計76万部突破シリーズ、落涙必至の最新刊
    〝南町奉行の隠密〟沢村伝次郎が、子供捜しに奔走する!
    文庫書下ろし

    南町奉行所内与力並の沢村伝次郎は、奉行の筒井に呼ばれた。筒井の用件とは自分が裁きを下した事件を改めて再探索してほしいという頼みだった。大身旗本の子息二人が殺められた衝撃の事件で、旗本家で槍持ちだった下手人は死罪を待っている状態だったが、調べると、その人物には優しくて真面目な人柄が浮かんできた。処刑まで時はない。伝次郎は真相に辿りつけるのか。人気シリーズ、今巻は落涙必至の第十弾。

    稲葉稔(いなば・みのる)

    1955年、熊本県生まれ。脚本家、放送作家などを経て、’94年作家デビュー。著書に決定版として刊行されている「研ぎ師人情始末」、「剣客船頭」、「隠密船頭」シリーズ(以上、光文社文庫)をはじめ、「浪人奉行」シリーズ(双葉文庫)、「大河の剣」シリーズ(角川文庫)、「武士の流儀」シリーズ(文春文庫)などがある。2020年、「隠密船頭」シリーズが第9回 日本歴史時代作家協会賞 文庫書き下ろしシリーズ賞を受賞した。