光文社文庫 8月の新刊

(8月9日発売/一部地域をのぞく)

今月の新刊はコチラ

  • アンと愛情
    坂木 司
    定価:880円(税込み)

    累計100万部突破のベストセラー
    「和菓子のアン」シリーズ第三弾!
    今回は金沢も旅します!
    デパ地下を舞台にしたほの甘ミステリー

    解説:前川佳代

    成人式を迎えても、大人になった実感のわかないアンちゃん。同い年の優秀な「みつ屋」の社員と自分を比べて落ち込んだり、金沢で素晴らしいお菓子に出合って目を輝かせたり。まだまだアンちゃんの学びの日々は続きます。
    これからもそんな日常が――と思いきや、えっ、大好きな椿店長が!?  
    和菓子に込められた様々な想いや謎に迫る、美味しいお仕事ミステリー第三弾。

    坂木 司(さかき・つかさ)

    1969年東京生まれ。2002年『青空の卵』でデビュー。引きこもり探偵・鳥井真一とその人間模様を描いたデビュー作を含む三部作で高い評価を得る。他の著作に『ワーキング・ホリデー』『ウィンター・ホリデー』『ホリデー・イン』『先生と僕』『僕と先生』『切れない糸』『シンデレラ・ティース』『ホテルジューシー』『楽園ジューシー』『夜の光』『短劇』『大きな音が聞こえるか』『肉小説集』『何が困るかって』『女子的生活』『鶏小説集』『ショートケーキ。』などがある。

  • 長い廊下がある家 新装版
    有栖川有栖
    定価:836円(税込み)

    祝・第26回日本ミステリー大賞受賞
    人気の「火村英生」シリーズが、新装版で登場!

    解説:杉江松恋

    日比野浩光は山奥で迷子になり、やっと明かりのついた家を見つけた。そこでは、心霊現象を取材に来た三人の男女が夕食の最中で、ここは「幽霊屋敷」なのだという。翌朝、別の家と繫がる長い地下廊下で、取材に来るはずだったもう一人の男が血を流して死んでいるのが見つかった――! 臨床犯罪学者・火村英生が鍵のかかった扉の謎を華麗に解き明かす!

    有栖川有栖(ありすがわ・ありす)

    1959年大阪府生まれ。’89年、『月光ゲーム』でデビュー。2003年『マレー鉄道の謎』で第56回日本推理作家協会賞を受賞。’08年『女王国の城』で第8回本格ミステリ大賞を受賞。’17年『幻坂』で第5回大阪ほんま本大賞受賞。’18年「火村英生」シリーズで第3回吉川英治文庫賞受賞。’22年、第26回日本ミステリー文学大賞受賞。現代本格ミステリの代表的な書き手として、多くの読者を魅了している。近著に『捜査線上の夕映え』『濱地健三郎の呪える事件簿』などがある。

  • 雨の中の涙のように
    遠田潤子
    定価:770円(税込み)

    雨に。溶けていく、罪もけがれも――
    『雪の鉄樹』の名手が紡ぐ連作短編集。

    解説:千街晶之

    彼を思い出すのは、決まって雨の日だった。美しく才能に溢れ、出会う人すべてを魅了してしまう、芸能人の堀尾葉介。葉介と意外な形で関わり合う人々は知らぬうちに、皆その人生を変えられていく。そして葉介自身の苦悩もやがて――。雨の降るいくつもの情景の中で、悶え苦しみながら生きる人々の罪やけがれが溶けていく。哀切と意外性に満ちた傑作連作短編集。

    遠田潤子(とおだ・じゅんこ)

    1966年大阪府生まれ。関西大学文学部独逸文学科卒。2009年『月桃夜』で第21回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。’16年、『雪の鉄樹』が「本の雑誌が選ぶ2016年度文庫ベストテン」第1位、’17年、『オブリヴィオン』が「本の雑誌が選ぶ2017年度ベスト10」第1位、『冬雷』が第1回未来屋小説大賞に。’20年、『銀花の蔵』が第163回直木三十五賞候補になるなど、注目やまない活躍を続けている。他の著書に『アンチェルの蝶』『雨の中の涙のように』『ドライブインまほろば』『緑陰深きところ』『紅蓮の雪』『人でなしの櫻』『イオカステの揺籃』などがある。

  • さよなら願いごと
    大崎 梢
    定価:770円(税込み)

    大崎梢史上最高濃度のミステリー!
    この夏、君が消えた――。のどかな田舎町に、悪意が迫る。
    秘密を追う子どもたち、どうなる!?
    ラスト、見ていた世界が引っくり返る!

    解説:宇田川拓也

    心躍る夏休み。琴美は、近所で起きた不思議な盗難事件の解決に大奮闘。祥子の母親への疑念は、三十年前の女の子の殺人事件の謎とつながる。沙也香は、新聞部の企画で町にある廃ホテルについて調べ始める。のどかな田舎町で思いがけない謎に出会った子どもたち。謎は意外なつながりを見せ、子どもたちは解明に突き進むのだが――。輝きと驚きに満ちたミステリー。

    大崎 梢(おおさき・こずえ)

    東京都生まれ。神奈川県在住。2006年、書店勤務の経験を生かした連作短編集『配達赤ずきん』でデビュー。ジュブナイルから本格ミステリー、家族小説まで、幅広く活躍中。作品に『片耳うさぎ』『ねずみ石』『かがみのもり』『忘れ物が届きます』『だいじな本のみつけ方』『よっつ屋根の下』『もしかして ひょっとして』『ドアを開けたら』『横濱エトランゼ』『めぐりんと私。』『バスクル新宿』『27000冊ガーデン』など多数。連作に「成風堂書店事件メモ」シリーズ、「出版社営業・井辻智紀の業務日誌」シリーズ、「千石社」シリーズ、「天才探偵Sen」シリーズなどがある。

  • 白蟻女
    赤松利一
    定価:748円(税込み)

    銭金で人間が幸せになるか?
    幸せが売っとるか?
    狂乱のバブルに翻弄されたひと組の夫婦。
    夫の通夜に現れた浮気相手の幽霊が奇跡を起こす――。(表題作)

    夫の通夜、夜伽する恵子の前に、四十年前に白蟻駆除剤を飲んで死んだ夫の浮気相手――白蟻女――の幽霊が現れた。何の因果か、恵子は白蟻女と一緒に自分たちの人生を追体験することに。忘れていた過去、知らなかった夫の一面、田畑を売ることを決めたあの日、そして……(表題作)。バブル前夜、時代の変化に翻弄された家族の崩壊と再生を描いた感動作!

    赤松利一(あかまつ・りいち)

    1956年香川県生まれ。2018年「藻屑蟹」で第1回大藪春彦新人賞を受賞しデビュー。’20年『犬』で第22回大藪春彦賞を受賞。ほかに『鯖』『風致の島』『隅田川心中』『らんちう』『饗宴』『ボダ子』『女童』『エレジー』『東京棄民』『救い難き人』など。

  • かきあげ家族
    中島たい子
    定価:770円(税込み)

    家宝がいつの間にかネットオークションに!?
    犯人は家族の誰かなのか? 父は密かにさぐりを……。
    中井戸家は全員秘密だらけ!
    笑いと涙の家系エンタテインメント!

    解説:藤田香織

    スランプ中の老映画監督・中井戸八郎のもとに、仕事をクビになった長男と離婚した長女が出戻ってきた。家には引きこもりの次男もいて、図らずも十数年ぶりに一家集結してしまう。そんな中、家宝である世界的名監督の遺稿がネットオークションに出ていることが発覚する。家族の誰かが出品したとにらんだ八郎は、改めてそれぞれと向き合ってみようとするが……。

    中島たい子(なかじま・たいこ)

    1969年東京都生まれ。多摩美術大学卒業。放送作家、脚本家を経て、2004年「漢方小説」で第28回すばる文学賞を受賞。
    著書に『万次郎茶屋』『パリのキッチンで四角いバゲットを焼きながら』『ぐるぐる七福神』『院内カフェ』『がっかり行進曲』などがある。

  • 竜になれ、馬になれ
    尾崎英子
    定価:792円(税込み)

    大手進学塾の模試にも使用!
    『きみの鐘が鳴る』著者による、
    この夏読みたい爽やかな成長物語です。

    小学校六年で将棋部の玻璃は、小児脱毛症になり、二学期からウィッグを着けて登校している。友達にバレないか不安を抱える日々の中、将棋を指せるカフェを見つけた。店主で元女流棋士の夕子さんと過ごす時間で、ハルは次第に心を落ち着かせるようになっていく。
    大人になりつつある少女が、悩んだり迷ったりする姿を爽やかに描く成長物語。

    尾崎英子(おざき・えいこ)

    1978年、大阪府生まれ。早稲田大学教育学部国文学科卒。2013年『小さいおじさん』(文庫刊行時に『私たちの願いは、いつも。』に改題)で第15回ボイルドエッグズ新人賞を受賞しデビュー。著書に『有村家のその日まで』『たこせんと蜻蛉玉』『ホテルメドゥーサ』『きみの鐘が鳴る』などがある。

  • 赤い雨 決定版
    吉原裏同心 (33)
    佐伯泰英
    定価:792円(税込み)

    京と吉原、二つの町を襲う異変。
    止むともしれぬ赤い雨が降る――

    京での修業先が決まった幹次郎と麻。その新生活は不穏な空気に包まれていた。祇園旦那衆らの寄合で、不審な殺人について探るよう依頼された幹次郎は、正体の見えぬ強敵に立ち向かうことに。一方、裏同心不在の吉原では、老舗の大籬がついに謎の山師の魔の手に陥ちてしまう。二つの町で進行する企みと危機の連続。裏同心幹次郎と吉原の人々の新しい闘いが幕を開けた。

    佐伯泰英(さえき・やすひで)

    1942年北九州市生まれ。闘牛カメラマンとして海外で活躍後、主にノンフィクション作品を発表する。’99年初の時代小説「密命」シリーズを手始めに、次々と時代小説を発表。文庫書下ろし作品のみで累計6500万部突破の快挙を成し遂げる。大好評の「吉原裏同心」「夏目影二郎始末旅」シリーズ(小社刊)の他、2019年に映画化された「居眠り磐音」、「酔いどれ小籐次」「新・酔いどれ小籐次」「空也十番勝負」「照降町四季」「交代寄合伊那衆異聞」「古着屋総兵衛影始末」「新・古着屋総兵衛」「鎌倉河岸捕物控」などの各シリーズで幅広い読者層から支持を得ている。
    佐伯泰英ウェブサイト

  • 乱癒えず 決定版
    吉原裏同心 (34)
    佐伯泰英
    定価:792円(税込み)

    裏同心を失った吉原を危機が襲い、
    遠い京で山鉾の地下蔵から、闇が忍び寄る――。

    禁裏の刺客・不善院三十三坊を斬った幹次郎。その直後から、禁裏と、ある西国の雄藩の影が祇園の町にちらつきはじめる。両者の暗い思惑を断つべく幹次郎は、入江同心と共に思いがけぬ場所へと潜入する。吉原では、澄乃と身代わりの左吉の必死の探索によって、吉原乗っ取りを企てる一味の正体へ少しずつ近づくのだが――。いよいよ決戦前夜か、手に汗握る展開!

    佐伯泰英(さえき・やすひで)

    1942年北九州市生まれ。闘牛カメラマンとして海外で活躍後、主にノンフィクション作品を発表する。’99年初の時代小説「密命」シリーズを手始めに、次々と時代小説を発表。文庫書下ろし作品のみで累計6500万部突破の快挙を成し遂げる。大好評の「吉原裏同心」「夏目影二郎始末旅」シリーズ(小社刊)の他、2019年に映画化された「居眠り磐音」、「酔いどれ小籐次」「新・酔いどれ小籐次」「空也十番勝負」「照降町四季」「交代寄合伊那衆異聞」「古着屋総兵衛影始末」「新・古着屋総兵衛」「鎌倉河岸捕物控」などの各シリーズで幅広い読者層から支持を得ている。
    佐伯泰英ウェブサイト

  • 裏切り
    隠密船頭(十一)
    稲葉 稔
    定価:748円(税込み)

    稲葉稔の累計78万部突破シリーズ、手に汗握る最新刊
    〝南町奉行の隠密〟沢村伝次郎が、許せぬ「悪」を追う!
    文庫書下ろし

    町外れの商家や家などに押し込み強盗が入り、年寄りや弱い者たちの金と命が奪われた。南町奉行所内与力並の沢村伝次郎は、奉行から事件探索の命を受け、旧知の同心・松田久蔵とともに調べ始めた。難航していた探索だが、あることで事件の糸口を摑んだ伝次郎。浮かび上がった許せぬ真相とは――。
    現代に通ずる「悪」に思わず怒りがこみ上げる、そしてラストは爽快な待望のシリーズ第十一弾。

    稲葉稔(いなば・みのる)

    1955年、熊本県生まれ。脚本家、放送作家などを経て、1994年作家デビュー。著書に決定版として刊行されている「研ぎ師人情始末」、「剣客船頭」、「隠密船頭」シリーズ(以上、光文社文庫)をはじめ、「浪人奉行」シリーズ(双葉文庫)、「大河の剣」シリーズ(角川文庫)、「武士の流儀」シリーズ(文春文庫)などがある。2020年、「隠密船頭」シリーズが第9回日本歴史時代作家協会賞「文庫書き下ろしシリーズ賞」を受賞した。

  • 武神
    鬼役伝(五)
    坂岡 真
    定価:770円(税込み)

    「妻を斬ってでも家名を守り、御毒味役をつづけねばならぬ。
    過酷な宿命を背負った者、それが鬼役なのじゃ」
    200万部ヒットシリーズの超人気シリーズ「鬼役」の原点シリーズ
    京の八瀬から出てきた「最強の遣い手」の目的とは――!
    京からの刺客!
    文庫書下ろし

    御膳奉行となった矢背求馬のところに、旧知の役者で矢背家の恩人でもある市川團十郎が殺されたと報せが入る。真相を調べていた求馬の前に明らかになった、背後に潜んでいた「陰謀」とはいったい――。そして、矢背家の前に洛北最強の遣い手が現れた。その名は「酒呑」。妻・志乃に繋がるという酒呑の狙いは何なのか。
    将軍の毒味役「鬼役」の矢背家、初代の物語、シリーズ第五弾。

    坂岡真(さかおか・しん)

    1961年、新潟県生まれ。11年の会社勤めを経て文筆の世界へ。花鳥風月を醸し出す筆致の時代小説を描く。作品の質の高さには定評があり、「鬼役」シリーズは200万部を超える大ヒットシリーズとなった。ほかに主なシリーズとして、「ひなげし雨竜剣」(光文社文庫)、「帳尻屋始末」「帳尻屋仕置」「照れ降れ長屋風聞帖」「はぐれ又兵衛例繰控」(双葉文庫)、「あっぱれ毬谷慎十郎」「十手長屋物語」(ハルキ文庫)、「うぽっぽ同心十手裁き」(徳間文庫)、「死ぬがよく候」(小学館文庫)、「のうらく侍御用箱」「新・のうらく侍」(祥伝社文庫)、「火盗改しノ字組」(文春文庫)などがあり、お紋作品に『一分』(光文社)、『絶局』(小学館)などがある。また、2022年、「鬼役」「鬼役伝」シリーズで、第11回日本歴史時代作家協会賞文庫書き下ろしシリーズ賞を受賞した。いま、注目されている時代小説作家のひとりである。