光文社文庫 9月の新刊

(2023年9月13日発売/一部地域をのぞく)

今月の新刊はコチラ

  • 向日葵ひまわりいろのフリーウェイ
    杉原爽香50歳の夏
    赤川次郎
    定価:726円(税込み)

    すでに判決も出て〝犯人〟は服役中――
    冤罪かもしれない殺人事件を再調査
    爽香は警察の捜査を覆せるのか?
    文庫オリジナル 主人公が読者と一緒に年齢を重ねる爽香シリーズ最新刊

    杉原爽香は、恩師の河村布子から、布子の古い知人・小川久子の娘が起こした殺人事件について相談を受ける。どうも冤罪らしいのだ。真犯人を見つけ出すため調査に乗り出す爽香たち。だが、真実を隠蔽しようとする勢力が、さまざまな手段で爽香たちの行く手を阻む。冤罪事件の真相解明という、かつてない難題に五十歳の爽香が挑む。人気シリーズ第三十六弾! 

    赤川次郎(あかがわ・じろう)

    1948年、福岡県生まれ。’76年「幽霊列車」で第十五回オール読物推理新人賞を受賞しデビュー。以来、次々とベストセラーを刊行。2006年、第九回日本ミステリー文学大賞、’16年『東京零年』で第五十回吉川英治文学賞受賞。
    「三毛猫ホームズ」シリーズなど、多数のシリーズ作品を持つ、日本を代表する人気作家。著作は600冊を超える。

  • 十津川警部 長野新幹線の奇妙な犯罪
    西村京太郎
    定価:704円(税込み)

    消えた身代金二十億円!
    続発する誘拐事件の裏に隠された闇とは!?
    十津川警部の名推理

    都内の企業オーナーの妻が誘拐された。身代金の要求額は二十億円。人質は解放されるが、十津川警部らの追跡もむなしく、二十億円はまんまと奪われてしまう。さらに横浜と松江で続発した高額な身代金誘拐事件でも、犯人は身代金奪取に成功。いずれも被害者は会社経営者だった。被害者三人の意外な共通点に気づいた十津川は、長野新幹線で安中榛名へ! 傑作長編。

    西村京太郎(にしむら・きょうたろう)

    1930年東京都生まれ。都立電機工業学校卒業後、人事院に勤務。’63年『歪んだ朝』で第2回オール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。’65年『天使の傷痕』で第11回江戸川乱歩賞を受賞。’78年にはトラベル・ミステリーブームの先駆けとなる『寝台特急殺人事件』を発表、ベストセラーに。2005年第8回日本ミステリー大賞を受賞。十津川警部シリーズは現在も多くの読者の支持を得ており、著作は600冊を超える。’22年、死去。

  • 二十面相 暁に死す
    辻 真先
    定価:814円(税込み)

    二十面相が死ぬなんて
    そんな、まさか!?
    御年91歳のレジェンド・辻真先が描く
    戦後の『怪人二十面相』

    一九四六年、春。疎開していた少年探偵団の団員も少しずつ戻ってきたが、二十面相の暗躍はやむことがなかった。団員の羽柴くんの家には、明智探偵と小林少年の偽者まで現れたという。銀座の美術店、名古屋の映画館、私立学園の建築予定地と、神出鬼没の二十面相を、明智は追い詰めることができるのか? そして「小林少年の偽者」の正体は!? 辻真先版『怪人二十面相』第二弾!

    辻 真先(つじ・まさき)

    1932年、 愛知県生まれ。名古屋大学文学部卒。NHKでテレビドラマの演出に携わる傍ら、テレビアニメの脚本を多数手掛ける。 本格ミステリ、旅行エッセイ、アニメのノベライズなど、 執筆範囲は多岐にわたり、 ‘82年、『アリスの国の殺人』で第35回日本推理作家協会賞(長編部門)2009年、『完全恋愛』(牧薩次名義)で第9回本格ミステリ大賞 (小説部門)、’19年、第23回日本ミステリー文学大賞を受賞。 近著に『村でいちばんの首吊りの木』『たかが殺人じゃないか』などがある。

  • もしかして ひょっとして
    大崎 梢
    定価:748円(税込み)

    平凡な6人の日常に、謎が舞い込む。
    学校で、家庭で、電車の中で。
    その謎が解けたら、人生が少し、動き始める。
    日常の謎解きの、感動がたっぷり詰まった6つの短編集!

    長年勤めてくれた家政婦さんが急に辞めてしまった理由とは? 友人が猫を隠したのはなぜ? 介護施設にいる伯母の頼みを聞いたら、死体が現れた!? ――どこにでもいる少しお人好しの六人が、日常に現れた思いがけない謎に立ち向かう。謎が解けたとき、少しだけ、人生が、立ち止まっていた心が、前に進んでいく。「日常の謎」の魅力がたっぷり詰まった短編集。

    大崎 梢(おおさき・こずえ)

    東京都生まれ。神奈川県在住。2006年、書店勤務の経験を生かした連作短編集『配達赤ずきん』でデビュー。ジュブナイルから本格ミステリー、家族小説まで、幅広く活躍中。作品に『片耳うさぎ』『ねずみ石』『かがみのもり』『忘れ物が届きます』『だいじな本のみつけ方』『よっつ屋根の下』『もしかして ひょっとして』『ドアを開けたら』『横濱エトランゼ』『めぐりんと私。』『バスクル新宿』『27000冊ガーデン』など多数。連作に「成風堂書店事件メモ」シリーズ、「出版社営業・井辻智紀の業務日誌」シリーズ、「千石社」シリーズ、「天才探偵Sen」シリーズなどがある。

  • むところ
    知らぬ火文庫
    朱川湊人
    定価:880円(税込み)

    平安の世から、人の業は底知れない
    鬼より怖ろしきもの、それは人の心――
    古典を大胆に紡ぎ直した
    〈知らぬ火文庫〉シリーズ第二弾!

    遠い古、近江国のこと。鬼が出ると噂の安義橋を渡る羽目になった太郎暮房。怖気づきつつも橋を進むと、艶やかな長い髪と切れ長の目、雪のように白い肌を持つ美女が一人立っていた。女は彼を呼び止め、思いがけないことを言い出すのだが。(「安義橋秘聞」)
    「今昔物語」ほか、古典を題材に紡がれる怖ろしくも美しい物語の数々。日本人の心の中に棲む「鬼」に迫る連作集。

    朱川湊人(しゅかわ・みなと)

    1963年大阪生まれ。慶應義塾大学卒業。出版社勤務を経て、2002年 「フクロウ男」でオール讀物推理小説新人賞を受賞し、デビュー。翌年には「白い部屋で月の歌を」で日本ホラー小説大賞短編賞を、’05年には『花まんま』で直木賞を受賞している。他の著書に『狐と鞭 知らぬ火文庫』『本日、サービスデー』『冥の水底上・下』『月蝕楽園』『なごり歌』『かたみ歌』『わくらば日記』『いっぺんさん』『アンドロメダの猫』『スズメの事ム所 駆け出し探偵と下町の怪人たち』『時間色のリリィ』など多数。

  • 葬る
    上野 歩
    定価:748円(税込み)

    お墓ってなんなんだろう?
    誰もが迎える“そのとき”のために
    多くの人の死に接するうち従来の墓地のあり方に疑問を抱いた石材店の娘・浜尾麻衣は、その人の生き方に添った“葬る”を模索していく。
    文庫書下ろし

    鎌倉にある石材店、石浜の娘・浜尾麻衣は、施主の信頼を集める父・隆一、職人の緒方と墓石を売るのが仕事だ。高額な都営霊園から永代供養、樹木葬、散骨など、時代とともに葬法の考え方も家族のあり方も移り変わっていく。これまで通りの商売をしていていいの? 麻衣がさまざまな”葬る”を考えるなか、母・曜子が倒れて――。お仕事小説の名手が贈る感動作!

    上野 歩(うえの・あゆむ)

    1962年、東京生まれ。専修大学文学部卒。’94年、『恋人といっしょになるでしょう』で第7回小説すばる新人賞を受賞。近著に『キリの理容室』『天職にします!』『料理道具屋にようこそ』『あなたの職場に斬り込みます!』『お菓子の船』などがある。

  • 女豹刑事デカ
    雪爆スノウ・ボムズ
    沢里裕二
    定価:792円(税込み)

    女性講師の失踪、謎の上陸者たち、武装した半グレ集団……
    一連の事件の裏にはロシアの陰謀が!?
    女豹刑事、決死の潜入捜査!
    文庫書下ろし

    青森県に新設された芸術大学の女性講師が失踪した。拉致の可能性が高いこと、また大学自体にも不審なところがあることから、公安部特殊工作課の紗倉芽衣子が潜入捜査を命じられた。軍事要塞のようなキャンパス、武闘家のような学生たち、そしてその裏にはロシアの影が!? 閉塞感でいっぱいの現代に風穴を開ける、破天荒なスパイアクション小説!

    沢里裕二(さわさと・ゆうじ)

    青山学院大学卒業。作家、音楽プロデューサー。2012年、『淫府再興』で第2回団鬼六賞優秀作受賞。『処女刑事』がヒット。近著に『全裸記者』『ダブル・カルト 警視庁音楽隊・堀川美奈』『鬼辰閻魔帳 仕置きの花道』『処女刑事 京都クライマックス』など。

  • 明治白椿女学館の花嫁
    落ちぶれ婚とティーカップの付喪神
    尾道理子
    定価:726円(税込み)

    あなたと二人で、乗り越えたいんです。
    婚約を破棄された男爵令嬢を救ったのは?
    自分の手で幸せを摑む最幸のシンデレラ・ストーリーをお届けします!
    文庫書下ろし

    女学校に通う桂小路麿緒は、婚約披露の園遊会当日に、父親に自殺され、爵位も家も失い、無一文となった。
    救いの手を差し伸べたのは、一代で身を起こし、財をなした時任宗次郎。自身の妻になるか、商売で役に立つなら屋敷においてやってもいいと言う。言葉は辛辣だが、行動自体は親切な宗次郎。彼には、麿緒には伝えていない過去の思い出があったのだった――。

    尾道理子(おのみち・りこ)

    2020年、第5回角川文庫キャラクター小説大賞〈読者賞〉を受賞した『毒母の息子カフェ』でデビュー。「皇帝の薬膳妃」シリーズで人気を博している。

  • 星降る宿の恵みごはん
    山菜料理でデトックスを
    小野はるか
    定価:726円(税込み)

    ここに来て、良かった。
    人生もお料理も、ほろ苦さは味わいにかわります。
    美味しいごはんは体を癒やし、自然の恵みは心をしなやかにする。
    文庫書下ろし

    必死で働いてきた会社をリストラされ、立ち直れないでいるまひろは、たまたま見た動画に誘われ、突発的に只見への旅にでた。宿の山菜料理は、優しく、暖かく、落ち込むまひろの心にまでしみこんで来る。この地は子どもの頃に訪れ、ちょっとした思い出があった――。豊かな自然と美味しい料理が心を癒やし、小さな謎やわだかまりを解きほぐす再生の物語!

    小野はるか(おの・はるか)

    「ようこそ仙界! 鳥界山白絵巻」(刊行時『ようこそ仙界! なりたて舞姫と恋神楽』に改題)で第13回角川ビーンズ小説大賞〈読者賞〉を受賞してデビュー。「後宮の検屍妃」(刊行時『後宮の検屍女官』に改題)で第6回角川文庫キャラクター小説大賞〈大賞〉〈読者賞〉をダブル受賞。同シリーズは累計25万部突破の人気シリーズとなっている。

  • 祇園会ぎおんえ 決定版
    吉原裏同心 (35)
    佐伯泰英
    定価:792円(税込み)

    非情な運命を前に、命をかけた総力戦へ!
    吉原を襲う非常にして慟哭の展開!

    江戸・吉原で、評判の遣手らが不可解な辞職をし、相次いで姿を消した。異変の臭いを嗅いだ四郎兵衛ら会所の面々は、その企みの背後を探ろうとする。一方の京では、ひと月の間続く華やかな祭礼、祇園会が始まった。祇園囃子の響く中、幹次郎は新たな刺客からの脅迫と攻撃に直面する。大切な町を守るため、総力戦ともいえる戦いが幕を開ける。慟哭必至のラスト!

    佐伯泰英(さえき・やすひで)

    1942年北九州市生まれ。闘牛カメラマンとして海外で活躍後、主にノンフィクション作品を発表する。’99年初の時代小説「密命」シリーズを手始めに、次々と時代小説を発表。文庫書下ろし作品のみで累計6500万部突破の快挙を成し遂げる。大好評の「吉原裏同心」「夏目影二郎始末旅」シリーズ(小社刊)の他、2019年に映画化された「居眠り磐音」、「酔いどれ小籐次」「新・酔いどれ小籐次」「空也十番勝負」「照降町四季」「交代寄合伊那衆異聞」「古着屋総兵衛影始末」「新・古着屋総兵衛」「鎌倉河岸捕物控」などの各シリーズで幅広い読者層から支持を得ている。
    佐伯泰英ウェブサイト

  • 麻と鶴次郎
    新川河岸ほろ酔いごよみ
    五十嵐佳子
    定価:726円(税込み)

    この夫婦、とことん頼りになります!
    酒問屋、千石屋へようこそ
    よろず困りごとも承ります!
    文庫書下ろし

    新川河岸に蔵を連ねる酒問屋、千石屋。ひとり娘の麻が、上方の出の鶴次郎と祝言を上げて十五年になる。大女でめっぽう酒に強く情に厚い麻と、下戸だが人当たりがよく頭が切れる鶴次郎。ふたりの元には、次々と相談事が持ち込まれ……。巫女さん騒動から錦鯉消失事件まで、風変わりな出来事をふたりが解決してゆく。人情織りなす江戸の季節ごよみ、新シリーズ開幕!

    五十嵐佳子(いがらし・けいこ)

    山形県生まれ。著書に「結実の産婆みならい帖」シリーズ(朝日文庫)、「女房は式神遣い!」シリーズ、「読売屋お吉甘味帖」シリーズ(祥伝社文庫)、『桜色の風 茶屋「蒲公英」の料理帖』(PHP文芸文庫)、『金子と裕而 歌に生き愛に生き』(朝日新聞出版)など多数。

  • 鷹の城
    定廻り同心 新九郎、時空を超える!
    山本巧次
    定価:836円(税込み)

    八丁堀同心、「戦国時代」へ行く!
    「八丁堀のおゆう」著者初のシリーズ2カ月連続刊行!
    江戸から異色のタイムスリップで戦国へ。
    密室ミステリー、迫力の剣戟、それに淡いロマンスまで盛り込まれた贅沢な作品をご満喫あれ。

    激動の戦国を経た安土桃山時代の天正六年。羽柴秀吉は東播磨の城を囲んでいた。一方、江戸南町奉行所の同心・瀬波新九郎は下手人を追うなか、崖から転落し、天正時代にタイムスリップした。新九郎の眼前には、甲冑姿の戦国武士たちがいた。ひょんなことから滞在を許された青野城内で殺人が起きる。そこから始まった壮大すぎる物語とは――。そして衝撃のラストが待つ! 「八丁堀のおゆう」で人気の著者、渾身の傑作がついにシリーズ化して文庫で登場!

    山本巧次(やまもと・こうじ)

    1960年、和歌山県生まれ。中央大学法学部卒。2015年、第13回「このミステリーがすごい!」大賞隠し玉となった「大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう」でデビュー。同作はシリーズ化され、人気を博し、その後、テレビドラマにもなる。’18年、『阪堺電車177号の追憶』で第6回大阪ほんま本大賞を受賞する。自らの鉄道マン経験から鉄道ミステリーには定評があるが、そのほか軍艦もの、そして時代小説のジャンルでもその独特な作風に評価は高い。おもな作品に「開化鉄道探偵」シリーズ、「江戸の闇風」シリーズ、「まやかしうらない処」シリーズ、『途中下車はできません』『軍艦探偵』など著書多数。近刊に『急行霧島 それぞれの昭和』『江戸美人捕物帳 入舟長屋のおみわ 隣人の影』などがある。

  • 乱鴉らんあの空
    あさのあつこ
    定価:792円(税込み)

    木暮信次郎が、消えた!
    町奉行所定町廻り同心の木暮信次郎が消息を絶った。
    岡っ引きの伊佐治まで大番屋へ捕われ……、いったい何が――。
    100万部突破!超人気「弥勒」シリーズ文庫最新刊!

    北町奉行所定町廻り同心の木暮信次郎の姿が消えた。奉行所はおろか屋敷からも姿を消し、信次郎から手札を預かる岡っ引きの伊佐治は、大番屋に連れていかれる。伊佐治の解き放ちに奔走した小間物問屋『遠野屋』主・清之介は伊佐治と二人で信次郎を捜し始める。一方、北町奉行所に不審な者の影が。最後に待っている衝撃のラスト! 100万部突破シリーズ、驚愕の第十一弾。

    あさのあつこ

    1954年、岡山県生まれ。『バッテリー』で野間児童文芸賞、『バッテリーⅡ』で日本児童文学者協会賞、「バッテリー」シリーズで小学館児童出版文化賞を受賞。2011年、『たまゆら』で第18回島清恋愛文学賞を受賞する。児童文学から一般文学、時代小説、スポーツ小説までと著作ジャンルは幅広く、多くの読者を魅了している。おもな著作に「弥勒」シリーズの『弥勒の月』『夜叉桜』『木練柿』『東雲の途』『冬天の昴』『地に巣くう』『花を呑む』『雲の果』『鬼を待つ』『花下に舞う』『乱鴉の空』(以上、光文社刊)、「バッテリー」シリーズ、「The MANZAI」シリーズ「グラウンド」シリーズ、「ミヤマ物語」シリーズ、(以上、角川書店)「NO.6」シリーズ、(講談社)、「闇医者おゑん秘録帖」シリーズ(中央公論新社)、「小舞藩」シリーズ(文藝春秋)、「天地人」シリーズ(祥伝社)などのシリーズのほか、『たまゆら』『ゆらやみ』(以上、新潮社)、『福音の少年』(角川書店)、『花やさくさく』(実業之日本社)などがある。