光文社文庫 2021年10月刊行

(2021年10月13日発売/一部地域をのぞく)

今月の新刊はコチラ

  • 陰の人
    吉原裏同心(36)
    佐伯泰英
    定価:770円(税込み)

    本作からシリーズ名とカバーデザインを一新!
    京と吉原、長く続いた過酷な旅と戦いについに終止符が――
    文庫書下ろし

    吉原を過去最大の危機が襲う。会所頭取、四郎兵衛の無残な姿。すべてを乗っ取らんと着々と勢力を固める一味。その周到な計略に、残された面々は苦境に耐えるばかり。 一方、修業中の京から姿を消した神守幹次郎。 最後の頼みの綱ともいえる彼は一体どこにいるのか? そして、吉原は生き残れるのか……!? いま「吉原裏同心」は新たな時代へと踏み出す!

    佐伯泰英(さえき やすひで)

    1942年北九州市生まれ。闘牛カメラマンとして海外で活躍後、主にノンフィクション作品を発表する。’99年初の時代小説「密命」シリーズを手始めに、次々と時代小説を発表。文庫書下ろし作品のみで累計6500万部突破の快挙を成し遂げる。大好評の「吉原裏同心」「夏目影二郎始末旅」シリーズ(小社刊)の他、2019年に映画化された「居眠り磐音」、「酔いどれ小籐次」「新・酔いどれ小籐次」「交代寄合伊那衆異聞」「古着屋総兵衛影始末」「新・古着屋総兵衛」「鎌倉河岸捕物控」「空也十番勝負 青春篇」「照降町四季」などの各シリーズで幅広い読者層から支持を得ている。
    佐伯泰英ウェブサイト


  • 焼跡の二十面相
    辻 真先
    定価:770円(税込み)

    敗戦後の帝都に二十面相、ふたたび現る! 
    辻真先版『怪人二十面相』開幕!

    解説:芦辺 拓

    1945年8月、大日本帝国の敗戦――。焼跡となった東京で小林少年はただ一人、未だ行方の摑めない明智小五郎の留守を預かっていた。そんな中、かつて世間を騒がせた二十面相から四谷重工業の社長・四谷剛太郎あてに犯行予告が届く。世紀の大怪盗と、怪しげな軍需産業の首領……彼らが狙い、守るものとは――!?

    辻真先(つじ まさき)

    1932年、愛知県生まれ。名古屋大学文学部卒。NHKでTVドラマの演出に携わる傍ら、テレビアニメの脚本を多数手掛ける。本格ミステリ、旅行エッセイ、アニメのノベライズなど、執筆範囲は多岐にわたり、1982年、『アリスの国の殺人』で第35回日本推理作家協会賞、2009年、『完全恋愛』で第9回本格ミステリ大賞、2019年、第32回日本ミステリー文学大賞を受賞。近著に『二十面相 暁に死す』、『たかが殺人じゃないか』などがある。
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  • PIT
    特殊心理捜査班・水無月玲
    五十嵐貴久
    定価:792円(税込み)

    唖然茫然……まさかの大どんでん返し!
    敏腕プロファイラー・水無月玲が率いる特殊心理捜査班”PIT”が、連続猟奇殺人犯“V”と現職刑事惨殺犯を追う!

    解説:千街晶之

    ビッグデータ解析による犯罪予測システムを開発していた蒼井俊は、連続猟奇殺人犯“V”を見つけるため、プロファイラーの水無月玲が率いるPITへの異動を命じられた。個性豊かなメンバーたちとVを追っている最中、現職の刑事が惨殺されて――。AIとプロファイリング、先に犯人にたどり着くのはどちらか!? 驚愕の真相が待つ、警察ミステリー最前線!

    五十嵐貴久(いがらし たかひさ)

    1961年東京生まれ。成蹊大学卒。出版社勤務を経て2001年『リカ』で第2回ホラーサスペンス大賞を受賞してデビュー。’07年『シャーロック・ホームズと賢者の石』で第30回日本シャーロック・ホームズ大賞受賞。警察小説、時代小説、青春小説、家族小説など幅広い作風で映像化も多数。著書に「南青山骨董通り探偵社」シリーズ、『こちら弁天通りラッキーロード商店街』『天保十四年のキャリーオーバー』『SCS』『スイム!スイム!スイム!』『命の砦』『波濤の城』『バイター』『リフレイン』『ウェディングプランナー』など多数。
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  • クリーピー ゲイズ
    前川 裕
    定価:836円(税込み)

    衝撃作『クリーピー』の狂気が甦る!!
    犯罪心理学者の高倉孝一の周囲で続発する不審な事件。その背後には得体の知れない”悪の天才”が……?
    文庫オリジナル

    解説:若林 踏

    犯罪心理学者・高倉孝一のゼミ生・千倉有紀が、塾講師募集の面接に行ったのち姿を消した。高倉の妻・康子は、友人と参加したバスツアーで、高倉を知っているらしい気味の悪い男から威圧的に話しかけられたという。その話を聞いた日の夜遅く、何者かが高倉家の扉を激しく叩いた! 高倉は否応なく不気味な事件の渦に巻き込まれていく――。原点回帰のシリーズ最新長編!!

    前川 裕(まえかわ ゆたか)

    1951年東京生まれ。一橋大学法学部卒。東京大学大学院(比較文学比較文化専門課程)修了。スタンフォード大学客員教授などを経て、法政大学国際文化学部教授。専門は比較文学、アメリカ文学。『クリーピー』が第15回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞し、作家としてデビュー。『2013年版このミステリーがすごい!』では「新人賞ベストテン(茶木則雄・選)」で第1位となり、’16年には映画化され話題となった。著書に『クリーピー スクリーチ』『クリーピー クリミナルズ』『真犯人の貌』『アウト・ゼア』『クリーピー ラバーズ』『文豪芥川教授の殺人講座』『魔物を抱く女 生活安全課刑事・法然隆三』『愛しのシャロン』『白昼の絞殺魔 刑事課・桔梗里見の猟奇ファイル』などがある。

  • 星詠師の記憶
    阿津川辰海
    定価:902円(税込み)

    『透明人間は密室に潜む』でミステリランキングを席巻した話題の作者が贈る、見逃せない長編が登場!

    解説:斜線堂有紀

    被疑者を射殺してしまったことで、一週間の自主謹慎に入った刑事の獅堂は、故郷の村を訪れている。突然、学ランの少年・香島が、彼の慕う人物が殺人事件の犯人として容疑をかけられている、と救いを求めてきた。殺人の一部始終が記録されている証拠の映像は、紫水晶の中にあり、自分たちはその水晶を研究している〈星詠会〉の研究員であると語るのだが――

    阿津川辰海(あつかわ たつみ)

    1994年、東京都生まれ。東京大学卒。2017年『名探偵は噓をつかない』が光文社の新人発掘プロジェクト「カッパ・ツー」の受賞作に選ばれ、デビュー。作品に『紅蓮館の殺人』『名探偵は噓をつかない』『蒼海館の殺人』がある。
    阿津川辰海の読書日記
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  • なぜ、そのウイスキーが死を招いたのか
    三沢陽一
    定価:748円(税込み)

    客がふと漏らす謎を、バーテンダーが魔法のように解き明かす!
    仙台が舞台の本格ミステリ、登場!
    文庫オリジナル

    ここは仙台のバー。タウン誌の記者が、一週間ほど前の事件を思い出しバーテンダーに語り出した。――三か月前に取材をした医師が殺されたと知り合いの新聞記者から連絡が来た。現場に駆け付けると、警察関係者や、マスコミの人垣の間から、微かに燻製のような匂いが漂ってくる。この香りは一体――?(「何故、死体はオクトモアで濡れていたのか?」)話を聞いたバーテンダーが真相を解き明かす!

    三沢陽一(みさわ よういち)

    1980年長野県生まれ。仙台市在住。東北大学SF・推理小説研究会出身。2013年、第3回アガサ・クリスティー賞を受賞し、受賞作を改題した『致死量未満の殺人』でデビュー。著作に『アガサ・クリスティー賞殺人事件』『不機嫌なスピッツの公式』『華を殺す』『グッバイ・マイ・スイート・フレンド』などがある。

  • 凶銃ワルサーP38
    続 みな殺しの歌
    大藪春彦
    定価:902円(税込み)

    初期大藪文学の金字塔!
    非情美に彩られた凄まじきアクション長編!

    解説:宇田川拓也

    なぶり殺しにあった兄の復讐のため、人生を捧げることを誓った衣川恭介。標的のうちの二人を始末するが、警察からも指名手配される身となってしまう。
    残る仇敵は六人。しかし、国家権力をバックにしたあくどい罠が衣川を待ち受けていた――
    呪われた銃ワルサーP38を手に、孤独な殺戮者・衣川の闘いは果てしなく続く。

    大薮春彦(おおやぶ はるひこ)

    1935年京城生まれ。早稲田大学教育学部中退。‘58年、大学在学中に『野獣死すべし』でデビュー。江戸川乱歩に高く評価された。独特の乾いた文体、過激なアクション、銃や車の精密描写などで一躍人気作家に。日本のハードボイルド史に残る数多くの作品を書き上げている。代表作に「伊達邦彦」シリーズのほか、『蘇える金狼』『汚れた英雄』などがある。’96年没。

  • 破滅
    警視庁分室刑事
    南 英男
    定価:814円(税込み)

    南英男の人気シリーズ!
    個性豊かな捜査員たちが、探偵殺し事件の真相に迫る!

    警視庁捜査一課特命捜査対策室・継続捜査班分室の尾津航平は、赤坂の宝石店を襲った強盗に出くわす。そこで捕まえるのに協力してくれた美人の元SP深町杏奈と出会う。杏奈に惚れた尾津に、二年前に起きた探偵毒殺事件の再捜査命令が下る。探偵の経歴を調べるうちに浮かび上がった過去の「誤認逮捕」――。尾津が摑んだ衝撃の真相とは――。人気シリーズ最終巻。

    南 英男(みなみ ひでお)

    1944年、東京都生まれ。明治大学卒業後、雑誌編集者を経て青春ハードボイルド小説などを執筆して人気を博す。‘85年『街に棲む野獣』以降、ハードサスペンスに取り組む。ベストセラーになった「強請屋稼業」シリーズ、「毒蜜」シリーズ、「姉御刑事」シリーズなど全著作合計が2300万部を突破した。

  • 黒衣聖母
    芥川龍之介 日下三蔵・編
    定価:880円(税込み)

    芥川ミステリに驚嘆!!
    謎を追う面白さと濃厚な探偵小説味!
    短編の名手として知られる、芥川龍之介のミステリ作品集が登場!

    天文十八年、悪魔はフランシス・ザヴィエルに従う伊留満に化けて、日本にやって来た。マルコ・ポオロの旅行記とは様子が違うし、誘惑する相手も見当たらない。暇つぶしに園芸でもやろうと、畠に種を播いた。花をつけたその植物の名を問うた牛商人に悪魔は――。(煙草と悪魔)
    ご存知、短篇の名手として知られる芥川龍之介の、ミステリ作品集が登場!

  • 白い陥穽
    鮎川哲也のチェックメイト
    鮎川哲也
    定価:814円(税込み)

    驚愕のラストが待つミステリーの醍醐味
    人気TVドラマの原作となった本格推理の巨匠の傑作短編第2弾!!

    解説:山前 譲

    信用金庫の支店長をつとめる花は、浮気をネタに高額な金を強請られていた。会社の実力者の入り婿となり、将来を約束されていた彼にとって、妻の不興を買うのは避けなければならず、恐喝者を抹殺する以外に道はなかった。綿密な計画のもとに殺人を実行した花井だったが……(「暗い穽」より)。人気テレビドラマの原案となった倒叙推理アンソロジー第二弾!

    鮎川哲也(あゆかわ てつや)

    1919年東京生まれ。南満洲鉄道勤務の父に伴い少年時代を大連で過ごす。’43年「婦人画報」の朗読文学募集に佐々木淳子の筆名で書いた掌編「ポロさん」が入選。’49年「宝石」百万円懸賞コンクールに本名(中川透)で応募した『ペトロフ事件』が一等入選。’56年には講談社の「書下し長篇探偵小説全集」の13巻募集に『黒いトランク』が入選。以後、本格物の長短編を数多く発表。’60年に、『憎悪の化石』と『黒い白鳥』で日本探偵作家クラブ賞(現・日本推理作家協会賞)を受賞。’90年から発足した東京創元社主催の鮎川哲也賞、’93年から始まった光文社文庫の『本格推理』にて多くの新人を発掘。2002年9月24日死去。ミステリー界に遺した功績をたたえ、翌年日本ミステリー文学大賞特別賞が贈られた

  • 女神
    新装版
    明野照葉
    定価:792円(税込み)

    華やかで美しくて、仕事も抜群にできる
    こんなに完璧なのに、この人、どこかおかしい……
    著者の代表的ベストセラー!

    (どうしてああも完璧なんだろう)。
    誰をも惹きつける美貌。トップの営業成績。恋人は年下の医師。会社の先輩・君島沙和子に、真澄の目はつい奪われてしまう。だが、ときに垣間見せる尖った表情、その完璧主義、秘密主義に普通ではないものを感じ始めて……。転職、転居を繰り返す沙和子の秘められた素顔とは?現代社会の病理を深く抉る傑作サスペンス長編。

    明野照葉(あけの てるは)

    東京都生まれ。1998年、「雨女」で第37回オール讀物推理小説新人賞を受賞。2000年、『輪廻RINKAI』で第七回松本清張賞を受賞。主な著書に『魔家族』『東京ヴィレッジ』『契約』『さえずる舌』(以上、光文社文庫)ほか、『汝の名』『宿敵』『誰?』『人殺し』『愛しいひと』『家族トランプ』などがある。

  • 鎌倉殿争乱
    珠玉の歴史小説選
    菊池 仁・編
    定価:770円(税込み)

    2022年NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」がより面白くなる!
    源頼朝、死す! そして――陰謀の鎌倉がここに。

    鎌倉幕府初代将軍、源頼朝が急死。そのあと将軍の座、執権の座を巡り、絶え間なく暗闘が繰り広げられる。若き将軍を囲む取り巻きや後見人など魑魅魍魎たち……。ある者は権力を狙い、また、ある者は一族が滅ぼされないために先手を打つ……。
    2022年NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が面白くなる、名だたる作家たちの珠玉の傑作を揃えた「鎌倉」歴史小説集!

    【収録作品】
    安西篤子「壇の浦残花抄」/内村幹子「摂家将軍」/桜田晋也「時政失脚」/篠 綾子「鎌倉の鵺」(書き下ろし)/高橋直樹「非命に斃る」/新田次郎「仁田四郎忠常異聞」

    菊池 仁(きくち めぐみ)

    1944年、神奈川県生まれ。文芸評論家。歴史・時代小説の評論を中心に活躍。

  • 父の形見
    研ぎ師人情始末(十三)決定版
    稲葉 稔
    定価:726円(税込み)

    「天の目は誤魔化せぬ」――
    菊之助は難儀を乗り越えられるか――

    剣客研ぎ師の荒金菊之助は南町奉行所定町廻り同心・横山秀蔵から、魚問屋のおかみ殺しの探索を頼まれる。調べ始めたものの、意外なことに難航する。一方、出入りしている料理屋の主が家族に暴力を振るっているのを諫めるが、逆に主の怒りを買うことに。お人好しの菊之助は降りかかる難儀をどう乗り越えるのか――。稲葉稔の原点シリーズ決定版、情が沁みる第十三弾。

    稲葉 稔(いなば みのる)

    1955年、熊本県生まれ。脚本家、放送作家などを経て、‘94年作家デビュー。著書に決定版として刊行されている「研ぎ師人情始末」シリーズ、「剣客船頭」「隠密船頭」シリーズ(光文社文庫)を始め、「浪人奉行」シリーズ(双葉文庫)、「喜連川の風」「大河の剣」シリーズ(角川文庫)、「怪盗鼠小僧推参」シリーズ(幻冬舎時代小説文庫)、「武士の流儀」シリーズ(文春文庫)などがある。2020年、光文社文庫から刊行している「隠密船頭」シリーズが第9回日本歴史時代作家協会賞文庫書き下ろしシリーズ賞を受賞した。丁寧でわかりやすい内容に加えて、胸を衝く物語には定評がある。

  • 刺客
    鬼役(弐)新装版
    坂岡 真
    定価:726円(税込み)

    200万部を超える大ベストセラーシリーズ「鬼役」を著者が大幅に加筆修正した新装版、連続刊行第2弾!
    幕府に巣くう悪を裁く! 奸臣の企みに巻き込まれた蔵人介を待っていた罠とは――

    尾張藩が幕府に献上する三千両の「鯖代」が盗まれた。調べが進む中で浮上したのが天保鶺鴒組なる旗本奴。すると、将軍家毒味役矢背蔵人介の家に居候をする宗次郎と天保鶺鴒組との関わりが浮上してきた――。真の下手人は、そして、その意図は何なのか。蔵人介の正義の剣が悪を断つ! 200万部突破の大人気シリーズ、著者が大幅加筆修正した新装版第二巻。

    坂岡 真(さかおか しん)

    1961年、新潟県生まれ。11年の会社勤めを経て文筆の世界へ。花鳥風月を醸し出す筆致の時代小説を描く。作品の質の高さには定評があり、「鬼役」シリーズは200万部を超える大ヒットシリーズとなった。ほかに主なシリーズとして、「ひなげし雨竜剣」(光文社文庫)、「帳尻屋始末」「帳尻屋仕置」「照れ降れ長屋風聞帖」「はぐれ又兵衛例繰控」(双葉文庫)、「あっぱれ毬谷慎十郎」「十手長屋物語」(ハルキ文庫)、「うぽっぽ同心十手裁き」(徳間文庫)、「死ぬがよく候」(小学館文庫)、「のうらく侍御用箱」「新・のうらく侍」(祥伝社文庫)、「火盗改しノ字組」(文春文庫)などがあり、お紋作品に『一分』(光文社)、『絶局』(小学館)などがある。いま、もっとも注目されている時代小説作家のひとりである。