光文社文庫 2022年7月の新刊

(2022年7月12日発売/一部地域をのぞく)

今月の新刊はコチラ

  • サンズイ
    笹本稜平
    定価:946円(税込み)

    大物政治家の汚職事件の闇を追え!
    担当刑事に仕掛けられた卑劣な罠とは!?
    おれたちは決して巨悪を逃さない!

    解説:宇田川拓也

    汚職サンズイ事件担当の警視庁捜査二課刑事・園崎省吾は、ある大物政治家のあっせん収賄容疑を追っていた。事件の鍵を握る海千山千の秘書・大久保から、彼の下に情報提供の申し出が。だが、約束はすっぽかされ、その間に妻と息子が何者かに轢き逃げされる! さらに園崎に殺人未遂の容疑がかけられて――。園崎と彼を支える仲間たちは巨悪に逆襲できるのか!?

    笹本稜平(ささもと・りょうへい)

    1951年 千葉県生まれ。立教大学社会学部社会学科卒業。 2000年、『ビッグブラザーを撃て!』(「暗号-Back-Door』 改題) にて作家デビュー。’01年には『時の渚』で第18回サントリーミステリー大賞・読者賞をダブル受賞した。’03年の『太平洋の薔薇』で第6回大藪春彦賞を受賞。
    他の作品に『山狩』『公安狼』『K2復活のソロ』『分水嶺』『最終標的――所轄魂』『転生――越境捜査』『その峰の彼方』『尾根を渡る風――駐在刑事』『春を背負って』『還るべき場所』『サハラ』『天空への回廊』などがある 2021年11月逝去。

  • Qrosキュロスの女
    誉田哲也
    定価:836円(税込み)

    謎のCM美女の正体を追え!
    ミステリーでサスペンスで青春小説!?
    誉田哲也が仕掛ける「幸せな嘘」の物語

    解説:タカザワケンジ

    ファストファッションの人気ブランド「Qros」のCMで人気俳優・藤井涼介と共演し注目を集める美女。だが、名前も一切のプロフィールも不明で、ネット上には様々な情報が飛び交っていた。藤井の自宅を張り込む新米芸能記者・矢口慶太の前に、突然その謎の美女が現れて――。虚々実々の駆け引き渦巻く芸能界とスクープの現場をリアルに描く痛快エンターテインメント!

    誉田哲也(ほんだ・てつや)

    1969年、 東京都生まれ。学習院大学卒。 2002年、『妖(あやかし) の華』 第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞を受賞。’03年には、『アクセス』で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞している。
    主な著作に、『ストロベリーナイト』『ソウルケイジ』『シンメトリー』『インビジブルレイン』『感染遊載』『ブルーマーダー』『インデックス』『ルージュ 硝子の太陽』『ノーマンズランド』『オムニバス』(以上、光文社刊)、「ジウ」シリーズ(全3巻)『国境事変』『歌舞伎町セブン』『歌舞伎町ダムド』『ハング』『ノワール 硝子の太陽』『歌舞伎町ゲノム』(以上、中央公論新社刊)、「武士道」シリーズ (全4巻) 「増山超能力師」シリーズ (全2巻) (以上、文藝春秋刊)、『背中の蜘蛛』『ケモノの城』『ヒトリシズカ』(以上、双葉社刊)、『フェイクフィクション』『あなたが愛した記憶』(集英社刊)、『もう、聞こえない』『プラージュ』(幻冬舎刊)、『あの夏、二人のルカ』(角川書店刊)などがある。

  • 神を喰らう者たち
    新堂冬樹
    定価:1210円(税込み)

    ガルシア×マイケル最終決戦
    最強の暗殺者たちの死闘の行方は!?
    「悪の華」シリーズ 衝撃の完結編!

    解説:香山二三郎

    マフィオソの首領ジョンビーノからその座を奪って十四年。マイケルはイタリア政財界を牛耳る実業家となっていた。彼に父と家族を殺されたガルシアが、復讐のためシチリアに潜伏しているとの噂もあるのだが。二人の因縁に巻き込まれたフリーライターの長瀬は、彼らを殺すためだけに生きてきた女暗殺者サリヤと出会う――。「悪の華」シリーズ、衝撃の完結編!

    新堂冬樹(しんどう・ふゆき)

    1998年『血塗られた神話』で第7回メフィスト賞を受賞しデビュー。『無間地』『忘れ雪』『黒い太陽』『不倫純愛』など映像化・コミック化作品も多数。近著に『任侠ショコラティエ』『虹の橋からきた犬』『動物警察24時』『犯人は、あなたです』『絶対聖域』などがある。

  • 心音
    乾ルカ
    定価:770円(税込み)

    あなたはまるで、
    人の死を自分の幸福に変えて生きているようだ
    募金活動で得た1億5千万円で命を救われた少女・城石明音。
    その後の苛烈な半生を、周囲の人間の目を通して描いた社会派エンターテインメント! 

    解説:杉江松恋

    城石明音は先天性の心疾患を患っていた。八歳の時に悪化し、両親は米国での心臓移植手術を決断する。募金活動により一億五千万円という莫大な費用を集め、明音は一命を取り留めたが、帰国した明音を待っていたのは、幸福だけではなかった。恨み、嫉妬、同情、愛情、様々な思いを抱えた人々が明音の人生を動かしていく。そして――。骨太の社会派エンターテインメント!

    乾ルカ(いぬい・るか)

    1970年北海道札幌市生まれ。2006年に短編「夏光」で第86回オール讀物新人賞を受賞してデビュー。2010年『あの日にかえりたい』で第143回直木賞候補、『メグル』で第13回大藪春彦賞候補となる。著書に『奇縁七景』『コイコワレ』『花が咲くとき』『明日の僕に風が吹く』『わたしの忘れ物』『おまえなんかに会いたくない』など。

  • 独り舞
    李 琴峰
    定価:704円(税込み)

    芥川賞作家・李 琴峰 衝撃のデビュー作!
    第60回群像新人文学賞優秀作

    解説:野崎 歓

    小学生の頃、想いを寄せていた同級生が亡くなった。迎梅は死への思いに囚われながら、レズビアンである疎外感に苛まれて生きていた。高校時代の淡い恋、そして癒えない傷。日本に渡り、名を変え、異なる言語を使う彼女を苦しめ続けるものとは何なのか――

    李 琴峰(り・ことみ)

    1989年台湾生まれ。2013年に来日し、’17年に本作で第60回群像新人文学賞優秀作を受賞し、デビュー。’19年に『五つ数えれば三日月が』で第161回芥川龍之介賞候補。同作は後に単行本化し、第41回野間文芸新人賞候補となる。’21年に『ポラリスが降り注ぐ夜』で芸術選奨新人賞を受賞。同年、『彼岸花が咲く島』で第34回三島由紀夫賞候補、第165回芥川龍之介賞を受賞。

  • 不可触領域
    鳴海 章
    定価:880円(税込み)

    「絶望島」で彼女は何を見るのか!?
    SINコロナ✕日本沈没✕ネオヒューマン

    「狙撃手」「浅草機動捜査隊」シリーズの鳴海章が描く、近未来冒険SF!
    文庫書下ろし

    蔓延するSINコロナウイルス。地球的な気候変動で水没した東京。そして驚異的な身体能力を持つ改造人間たち。大きく変貌してしまった世界で、かつて警察庁公安部特別班に所属していた伊藤朱璃は、いまや「絶望島」と呼ばれている、房総半島だった一角へと潜入した。ある少年を探すために……。圧倒的なスケールと緻密な世界観で描く著者の新たな代表作!

    鳴海 章(なるみ・しょう)

    1958年北海道生まれ。日本大学法学部卒。PR会社を経て、91年に『ナイト・ダンサー』で第37回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。航空サスペンスで名を馳せ、その後、意欲的に作品を発表し新境地を拓く。『冬の狙撃手』『死の谷の狙撃手』『雨の暗殺者』など「狙撃手」シリーズ、『刑事小町』『失踪』など「浅草機動捜査隊」シリーズのほか著書多数。

  • 凛の弦音
    我孫子武丸
    定価:770円(税込み)

    真面目すぎる弓道少女が、ある日、殺人事件を解決?
    弓道青春ミステリー、誕生!

    解説:阿部修士

    弓道一筋の高校一年生・篠崎凛は引退した恩師の家で起きた殺人事件を解決に導いたのをきっかけに、「天才弓道美少女」として世間からもてはやされるように。身の回りで起こるちょっとした事件に巻き込まれるたび、凛は葛藤しながらも真摯に向き合っていく。弓道に、友情に――ひたむきに挑み、成長していく爽やかさ満点の青春ミステリー!

    我孫子武丸(あびこ・たけまる)

    1962年兵庫県生まれ。’89年『8の殺人』で作家デビュー。 以降、本格ミステリ、ユーモア小説など多彩な作品を発表。著書に『探偵映画』『殺戮にいたる病』、 近著に『修羅の家』『残心 凜の弦音』などがある。また、『かまいたちの夜』などのゲームや、コミックの原作も手がける。

  • とりあえずの殺人 新装版
    赤川次郎

    定価:858円(税込み)

    母は大泥棒、次男が弁護士で、長女が詐欺師、末っ子が警察官の早川一家。長兄である克巳は凄腕の殺し屋だが、ある日、女子大生に仕事の”現場”を見られてしまい――。そして一家はアパレル会社の社長をめぐる連続殺人に巻き込まれていく! 果たして家族の絆で事件を解決できるのか!?
    ファンから根強い人気を誇る早川一家シリーズ第三弾!

    解説:青柳碧人


    赤川次郎(あかがわ・じろう)

    1948年、福岡県生まれ。1976年、『幽霊列車』で第15回オール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。『悪妻に捧げるレクイエム』で第7回角川小説賞を受賞。2005年、第9回日本ミステリー文学大賞を受賞。2016年、『東京零年』で吉川英治文学賞受賞。

  • 203号室
    加門七海
    定価:660円(税込み)

    2022年、ハリウッド映画化!
    世界が認めたジャパンホラーの傑作

    「ここには、何かがいる……」大学に受かり、念願の一人暮らしを始めた沖村清美が選んだアパートの一室は、どこかがおかしかった。絶えずつきまとう腐臭、部屋に残る得体の知れない足跡……。次々と起こる怪異が、清美をじわりじわりと追いつめていく。著者自身の実体験も盛り込まれたリアルすぎる恐怖。読み出したら止まらない、戦慄のノンストップ・ホラー!

    加門七海(かもん・ななみ)

    東京都生まれ。多摩美術大学大学院修了。美術館の学芸員を経て、1992年に『人丸調伏令』で作家デビュー。オカルト・風水・民俗学などに造詣が深く、伝奇小説、フィールドワーク作品を中心に活躍。著作に小説『祝山』『鳥辺野にて』『目嚢——めぶくろ―』など、エッセイ『猫怪々』『たてもの怪談』『お咒い日和 その解説と実際』『着物憑き』『加門七海の鬼神伝説』『大江戸魔方陣 徳川三百年を護った風水の謎』『船玉さま 怪談を書く怪談』など多数。2022年、本書『203号室』がハリウッド映画化された。

  • 毒蜜 決定版
    快楽殺人
    南 英男
    定価:836円(税込み)

    シリーズ累計80万部突破!
    不死身の始末屋を狙う姿なき敵!

    陸上自衛隊第一空挺団特殊部隊員、新宿のやくざ――。異色の経歴を持ち、いまは裏社会のトラブル解決を仕事にする巨軀の始末屋・多門剛。その多門の恋人たちが次々に拉致された。多門自身も姿なき敵に襲われ、さらに人質解放のために、ある条件を提示して脅迫してきた。冷酷漢の正体とは……。かつてない異色のハードサスペンスシリーズ、未知の興奮が待ち受ける第二弾。

    南 英男(みなみ・ひでお)

    1944年、東京都生まれ。明治大学卒業後、雑誌編集者を経て青春ハードボイルド小説などを執筆して人気を博す。‘85年『街に棲む野獣』以降、ハードサスペンスに取り組む。ベストセラーになった「強請屋稼業」シリーズ、「毒蜜」シリーズ、「姉御刑事」シリーズなど全著作合計が2300万部を突破した。

  • 女はいつもじゅうから
    林真理子
    定価:748円(税込み)

    四十代はモテ期、女としての黄金期!


    女の四十代は、子育ても仕事も社交もおしゃれもとなると、本当に忙しくて大変だ。だが「楽しく有意義な四十代を迎えれば、その延長としての五十代がやってくる」(「はじめに」)。そう、女の人生、勝負はいつも四十から。ここでの積み重ねが、その後の人生を豊穣にする。十年以上にわたって「STORY」の巻頭を飾る人気エッセイ、平成最後の五年分収載。

    林真理子(はやし・まりこ)

    1954年山梨県生まれ。日本大学藝術学部卒。’82年エッセイ集『ルンルンを買っておうちに帰ろう』がベストセラーに。’86年「最終便に間に合えば」「京都まで」で直木賞、’95年『白蓮れんれん』で柴田錬三郎賞、’98年『みんなの秘密』で吉川英治文学賞、2013年『アスクレピオスの愛人』で島清恋愛文学賞を受賞。’18年紫綬褒章を受章

  • 今日の芸術 新装版
    岡本太郎
    定価:748円(税込み)

    時代を超えて、衝撃と感動を呼び起こす
    不滅のベストセラー

    「今日の芸術は、うまくあってはいけない。きれいであってはならない。ここちよくあってはならない」斬新な画風と大胆な発言で大衆を魅了し続けた岡本太郎。1954年の底本刊行当時、本書は人々に大きな衝撃を与え、ベストセラーとなった。彼が伝えようとしたこととは何なのか? 「伝説」の名著は、時を超え、いつの時代にも新鮮な感動を呼び起こす。

    岡本太郎(おかもと・たろう)

    1911年神奈川県生まれ。’30年パリへ渡る。パリ大学文学部哲学科に在籍、民族学などを学ぶ。抽象芸術運動に参加、のちにシュールレアリズムの運動に加わるなど、前衛的な活動を続け、’40年に帰国。’53年以降、サンパウロ、ヴェネチアの各ビエンナーレほか国際的に活動する。’70年大阪万博に「太陽の塔」を制作。評論活動も旺盛で、’61年『忘れられた日本〈沖縄文化論〉』で毎日出版文化賞受賞。他に『自分の中に毒を持て』『岡本太郎著作集』など著書多数。’96年没。

  • 思い出トルソー
    針の魔法で心のホコロビ直します
    貴水 玲
    定価:748円(税込み)

    たった一着の服が人生を変えることがある。
    祖母譲りの技術はあるものの引っ込み思案な裁縫師・日壁エレナと、小さな仕立屋を受け継いだ元ホストの悠木智広。
    二人が依頼者の心の声を聞き、人生に寄り添う服を仕立てるべく奮闘する!
    文庫書下ろし

    引きこもり気味の日壁エレナは、裁縫師だった祖母の縁で北千住にある仕立屋「テーラー・ランタナ」を手伝うことになった。オーナー・悠木智広のホスト時代の客だった双子の姉妹から、亡き伯母のウエディングドレスをリメイクして欲しいと依頼されたのだが、二人の好みは見事にバラバラで……。エレナは祖母譲りの技術で依頼人の思いに応えられるのか!?

    貴水 玲(たかみ・れい)

    群馬県出身、1981年生まれ。2014年『妖精童話(ルビ・フェアリーロマン)~聖約の乙女は恋の扉を開く~』(ネオスブックス ブロッサムサイド)でデビュー。その他の著書に『社内保育士はじめました』シリーズ(光文社キャラクター文庫)などがある。

  • 枕絵 決定版
    吉原裏同心(7)
    佐伯泰英
    定価:792円(税込み)

    老中松平定信の側室を守る、
    緊迫の御用道中!

    七月、足田甚吉の祝言話が持ち上がり、玉菊灯籠で吉原が華やぐ季節、からくり提灯の職人が殺された。職人が隠し持っていた危な絵が、幹次郎らを意外な下手人へと導く。そんな中、吉原会所頭取の四郎兵衛から、幹次郎は陸奥白河への御用旅を命じられる。松平定信の側室・お香を連れ帰る密命を帯びた道中、妖しい女六十六部の一団が襲い、さらに凄腕の刺客が現る!

    佐伯泰英(さえき・やすひで)

    1942年北九州市生まれ。闘牛カメラマンとして海外で活躍後、主にノンフィクション作品を発表する。’99年初の時代小説「密命」シリーズを手始めに、次々と時代小説を発表。文庫書下ろし作品のみで累計6500万部突破の快挙を成し遂げる。大好評の「吉原裏同心」「夏目影二郎始末旅」シリーズ(小社刊)の他、2019年に映画化された「居眠り磐音」、「酔いどれ小籐次」「新・酔いどれ小籐次」「空也十番勝負」「照降町四季」「交代寄合伊那衆異聞」「古着屋総兵衛影始末」「新・古着屋総兵衛」「鎌倉河岸捕物控」などの各シリーズで幅広い読者層から支持を得ている。
    佐伯泰英ウェブサイト

  • 炎上 決定版
    吉原裏同心(8)
    佐伯泰英
    定価:792円(税込み)

    狙われた遊廓。
    炎の中で、運命が決する。

    吉原裏同心・幹次郎の前に、人喰い猿を連れた三人の武芸者が現れる。男たちは廓に乗り込み、遊女を殺し金銭を奪う悪行に及ぶ。必死の探索を続ける幹次郎らを嘲笑うかのように巧みに逃亡する男たち。その裏で糸を引くのは大きな企みを持つある勢力だった。江戸を騒乱に陥れる陰謀を阻止すべく動く幹次郎ら。そして運命の一夜、吉原が最大の悲劇に見舞われる!

    佐伯泰英(さえき・やすひで)

    1942年北九州市生まれ。闘牛カメラマンとして海外で活躍後、主にノンフィクション作品を発表する。’99年初の時代小説「密命」シリーズを手始めに、次々と時代小説を発表。文庫書下ろし作品のみで累計6500万部突破の快挙を成し遂げる。大好評の「吉原裏同心」「夏目影二郎始末旅」シリーズ(小社刊)の他、2019年に映画化された「居眠り磐音」、「酔いどれ小籐次」「新・酔いどれ小籐次」「空也十番勝負」「照降町四季」「交代寄合伊那衆異聞」「古着屋総兵衛影始末」「新・古着屋総兵衛」「鎌倉河岸捕物控」などの各シリーズで幅広い読者層から支持を得ている。
    佐伯泰英ウェブサイト

  • 神隠し
    隠密船頭(九)
    稲葉 稔
    定価:704円(税込み)

    稲葉稔の累計75万部突破シリーズ最新刊
    〝南町奉行の隠密〟沢村伝次郎が、消えた子供捜しに奔走する!
    文庫書下ろし

    小料理屋「桜川」に、南町奉行所の沢村伝次郎を訪ねて海苔問屋の主夫妻が相談に来た。店の女将で伝次郎の妻・千草は伝次郎にことの経緯を話し、伝次郎は拐かされた十三の息子を探してほしいという主夫妻の依頼を受けた。その後に起きた殺しの調べの傍ら、探索を続けた伝次郎が摑んだ意外な真相とは――。情に厚い「南町奉行の隠密」の傑作シリーズ、感動が待つ第九弾。

    稲葉 稔(いなば・みのる)

    1955年、熊本県生まれ。脚本家、放送作家などを経て、1994年作家デビュー。著書に決定版として刊行されている「研ぎ師人情始末」、「剣客船頭」、「隠密船頭」シリーズ(以上、光文社文庫)をはじめ、「浪人奉行」シリーズ(双葉文庫)、「大河の剣」シリーズ(角川文庫)、「武士の流儀」シリーズ(文春文庫)などがある。2020年、本書の「隠密船頭」シリーズが第9回 日本歴史時代作家協会賞 文庫書き下ろしシリーズ賞を受賞した。


  • 門出の陽射し
    父子十手捕物日記
    鈴木英治
    定価:726円(税込み)

    文之介、晴れてお春と夫婦に!
    丈右衛門は迷い猫の探索に精を出す……

    南町奉行所の定町廻り同心・御牧文之介は、念願かない、幼なじみのお春と祝言を挙げる。一方、隠居した元名同心の父・丈右衛門は、再婚した妻・お知佳とその連れ子と三人で暮らし始める。それぞれが幸せに浸るのもつかの間、長屋三つの家作持ち・宮助が殺される。長屋を三軒も持てるほどの金の出所が気になった文之介は、宮助の身辺を洗い始めるが……。

    鈴木英治(すずき・えいじ)

    1960年、静岡県沼津市生まれ。明治大学経営学部卒業。’99年、第一回角川春樹小説賞特別賞を『駿府に吹く風』(『義元謀殺』に改題)で受賞。主な作品に「口入屋用心棒」「手習重兵衛」「徒目付久岡勘兵衛」「新兵衛捕物御用」「下っ引夏兵衛捕物控」「大江戸やっちゃ場伝」「無言剣殺」「突きの鬼一」などの人気シリーズがある。

  • 桜子姫 決定版
    牙小次郎無頼剣(二)
    和久田正明
    定価:814円(税込み)

    「命の重さは身分では量れぬ」
    電撃の如く走る剣!
    罪なき者を殺めた咎、許すまじ。
    浪人・牙小次郎の正義の一刀が振り下ろされる。

    牙小次郎は今上天皇の外祖父を父に持つ雲上人だが、江戸の纏屋に間借りし、一浪人として暮らしている。ある日、古道具屋で美しい誰ケ袖屛風を手に入れるも、元の持ち主が返して欲しいとやってきた。仔細を聞いた小次郎が快く返してやると、再度持ち主が訪ねてきて――。不条理な力に流されそうになる人々を助けたい。道理をただす、牙小次郎の刀が唸る!

    和久田正明(わくだ・まさあき)

    1945年静岡県生まれ。テレビ時代劇の脚本を多く手がけた後、現在では時代小説の執筆に専念している。その作風は骨太で、歴史的事実とフィクションを取り交ぜた抜群の手法には定評がある。「髪結の亭主」「死なない男・同心野火陣内」「昼行燈・布引左内影御用」(ハルキ文庫)、「はぐれ十左暗剣殺」(徳間文庫)、「提灯奉行」(小学館文庫)、「夫婦十手」「八丁堀つむじ風」(光文社文庫)、「将軍の猫」(角川文庫)、「地獄耳」「十手婆 文句あるかい」「怪盗 黒猫」(二見時代小説文庫)等のシリーズや、『嵐を呼ぶ女』(光文社文庫)『地獄の清掃人』(徳間文庫)など著書多数。

  • 永代橋
    隅田川御用日記(二)
    藤原緋沙子
    定価:682円(税込み)

    きっと、幸せになってほしい――
    藤原緋沙子の代表作を継ぐ待望の新シリーズ第二弾!
    不幸な女たちを駆けこみ宿の主・塙十四郎と女将お登勢の優しさが救う!
    文庫書下ろし

    縁切寺慶光寺の御用宿「橘屋」に、上方から出てきた酒問屋の内儀が駆け込んできた。その直後、橘屋の主・塙十四郎は、永代寺門前町で絡まれていた若い女を救うことになる。しかし、その女は……(表題作)。殺された兄の敵討ちを誓って江戸に出てきた女剣士の悲痛な覚悟など、藤原緋沙子でしか書けない物語を収録。代表作「隅田川御用帳」を継ぐ新シリーズ第二弾。

    藤原緋沙子(ふじわら・ひさこ)

    高知県生まれ。2002年、「隅田川御用帖」シリーズで小説家デビュー。文庫書き下ろし時代小説で絶大な人気を誇る。代表的シリーズとして「隅田川御用帖」があり、ほかにシリーズとしては「渡り用人 片桐弦一郎控」(光文社文庫)、「藍染袴お匙帖」(双葉文庫)、「橋廻り同心・平七郎控」(祥伝社文庫)、「切り絵図屋」(文春文庫)、「見届け人 秋月伊織事件帖」(講談社文庫)、「秘め事 おたつ」(幻冬舎時代小説文庫)などがある。‘13年、「隅田川御用帳」シリーズで第2回歴史時代作家クラブ賞シリーズ賞を受賞。