光文社文庫 2022年3月の新刊

(2022年3月15日発売/一部地域をのぞく)

今月の新刊はコチラ

  • 独り立ち
    吉原裏同心(37)
    佐伯泰英
    定価:792円(税込み)

    吉原会所に、新しい風が吹く。
    文庫書下ろし

    端午の節句のその日、大門前に立った男女。一年余の京での修業を終え、吉原に戻った神守幹次郎と加門麻であった。再会を喜び合う吉原の面々だったが、長い闘いで吉原が失ったものは大きかった。幹次郎は会所を率い、吉原を再生させることを誓う。そんな中、廓で小さな騒ぎが。やがてそれが幕閣を巻き込む大騒動へと発展していく。新しく始まる吉原の運命やいかに。

    佐伯泰英(さえき・やすひで)

    1942年北九州市生まれ。闘牛カメラマンとして海外で活躍後、主にノンフィクション作品を発表する。’99年初の時代小説「密命」シリーズを手始めに、次々と時代小説を発表。文庫書下ろし作品のみで累計6500万部突破の快挙を成し遂げる。大好評の「吉原裏同心」「夏目影二郎始末旅」シリーズ(小社刊)の他、2019年に映画化された「居眠り磐音」、「酔いどれ小籐次」「新・酔いどれ小籐次」「空也十番勝負」「照降町四季」「交代寄合伊那衆異聞」「古着屋総兵衛影始末」「新・古着屋総兵衛」「鎌倉河岸捕物控」などの各シリーズで幅広い読者層から支持を得ている。
    佐伯泰英ウェブサイト

  • 廃墟の白墨
    遠田潤子
    定価:792円(税込み)

    『雪の鉄樹』『オブリヴィオン』に続く、圧倒的傑作!
    今宵、大阪のビルに集められた男たちが、過去を語り始める。

    解説:松井ゆかり

    和久井ミモザは、死の床にある父親に届いた薔薇の絵の写真と不可解な手紙に導かれ、大阪に赴く。 指定された廃墟のようなビルにいたのは正体不明の三人の男。 ここを「王国」と呼ぶ男たちは、父の過去を話し始める。 かつて「王国」で起きた忌まわしい事件が語られるうち、ミモザ自身の真実もまた明らかになり――。 愛と罪、贖罪が重なり合う、哀切と衝撃の傑作長編。

    遠田潤子(とおだ・じゅんこ)

    1966年大阪府生まれ。関西大学文学部独逸文学科卒。 2009年『月桃夜』で第21回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。’16年、『雪の鉄樹』が「本の雑誌が選ぶ2016年度文庫ベストテン」第1位、’17年、『オブリヴィオン』が「本の雑誌が選ぶ2017年度ベスト10」第1位、『冬雷』が第1回未来屋小説大賞に。’20年、『銀花の蔵』が第163回直木三十五賞候補になるなど、注目やまない活躍を続けている。 他の著書に『アンチェルの蝶』『雨の中の涙のように』『ドライブインまほろば』『緑陰深きところ』『紅蓮の雪』などがある。

  • 暗黒残酷監獄
    城戸喜由
    定価:880円(税込み)

    第23回日本ミステリー文学大賞新人賞 最年少受賞作!

    解説:佳太山大地

    椿太郎は同級生に目もくれず、人妻との不倫に勤しみ、友人は皆無の高校生だ。ある日、姉の御鍬が磔になって死んだので、遺された「この家には悪魔がいる」というメモの謎を探ることに。父にも母にも、そして自殺した兄にも、秘密が隠されていた。全てを明らかにしたとき、家族の驚くべき真実を目の当たりにする――

    城戸喜由(きど・きよし)

    1990年北海道生まれ。「暗黒残酷監獄」で第23回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞し、デビュー。

  • C
    しおさい楽器店ストーリー
    喜多嶋 隆
    定価:858円(税込み)

    No Music,No Life!
    「音楽なしじゃ生きていけない!」
    一本のウクレレが育んだ絆はやがて温かな奇跡を生み出した!
    哲也と涼夏の恋のゆくえからも目が離せない青春音楽小説第3楽章!
    文庫書下ろし

    春先のある日、しおさい楽器店にカスタネットを買いにきた地元の漁師の娘ナツキ。事故で指先に後遺症が残る彼女は、得意の手釣り漁ができず、生活にも困っているらしい。哲也のバンド仲間で開業医の息子シナボンは、彼女のためウクレレを使ったリハビリを考える。音楽が育んだ絆は、やがて温かい奇跡を生み出してゆく! 湘南の潮風のように爽やかな大人の青春小説。

    喜多嶋 隆(きたじま・たかし)

    明治大学卒業。コピー・ライター、CFディレクターを経て、第36回小説現代新人賞を受賞してデビュー。センス光る文体とスピード感あるストーリー運びで、独特の「喜多嶋ワールド」を生み出し、多くの熱烈なファンを獲得している。CMディレクターを主人公とした流葉爽太郎シリーズをはじめ、著書多数。

  • 女殺し屋
    新・強請屋稼業
    南 英男
    定価:814円(税込み)

    140万部突破の人気シリーズ 新章第二弾!
    殺し屋刑事、狙撃される!

    強請屋の相棒・見城豪とともに、若い女性の遺体強奪事件の裏を探っていた新宿署の刑事・百面鬼竜一は、何者かに銃で狙われた。
    暴力団同士の抗争に絡む事件を追っていた百面鬼の前に現れた「闇」が、女性の遺体強奪という卑劣な事件だった。
    真相を探っていた百面鬼がようやく辿り着いた黒幕の正体とは――。仰天のラストが待つ衝撃のシリーズ第二弾!

    南英男(みなみひでお)

    1944年、東京都生まれ。明治大学卒業後、雑誌編集者を経て青春ハードボイルド小説などを執筆して人気を博す。’85年『街に棲む野獣』以降、ハードサスペンスに取り組む。ベストセラーになった「強請屋稼業」シリーズ、「毒蜜」シリーズ、「姉御刑事」シリーズなど全著作合計が2300万部を突破した。

  • 駅に泊まろう!
    コテージひらふの雪師走
    豊田 巧
    定価:682円(税込み)

    とことん旅する小説!
    まだまだ新米コテージ・オーナーの北海道ハートフル・ストーリー第四弾!
    コックの亮に五つ星ホテルからの誘いが!?
    さらに超美女の婚約者(?)まで現れて――
    文庫書下ろし

    美月がオーナーになって二度目の冬。十二月のコテージ比羅夫は雪に埋もれ、宿泊客もまばらになるシーズンだ。そんな時、札幌の五つ星ホテルから、コックの亮に助っ人に来てほしいという依頼が舞い込む。亮はかつて、ホテルのメインダイニングのスーシェフだったのだ。さらに、亮の婚約者だと名乗る超美人が現れて……。北海道の魅力いっぱいの人気シリーズ第四弾!

    豊田 巧(とよだ・たくみ)

    1967年大阪府生まれ。ゲームメーカーで電車運転ゲームなどの宣伝プロデューサーを務めるかたわら、2009年『鉄子のDNA』(小学館101新書)で作家デビュー。「電車で行こう!」シリーズ(集英社みらい文庫)、「RAIL WARS!」シリーズ(実業之日本社ほか)、「鉄血の警視」シリーズ(講談社文庫)、『鉄警ガール」(角川文庫)ほか、 著書多数。

  • ペット可。ただし、魔物に限る ふたたび
    松本みさを
    定価:748円(税込み)

    魔犬ケルベロス、ヒト型妖精、台湾妖怪、ミノタウロス……
    今回も不思議な生き物たちが巻き起こす大騒動!!
    ペットは世を忍ぶ仮の姿です!
    愉快でホロリと泣ける 大好評シリーズ第二弾!
    文庫書下ろし

    特殊なペットだけが住む「カシェット緑ヶ丘」で、愛犬まるをと暮らして三か月。猿渡大河は様々なハプニング解決に奮闘した末、管理人を引き受けることになった。意欲満々の彼の前に「いきもの全般が苦手」という三〇一号室の少女が困り顔で現れて――。不思議なペットたちとユニークな住人たちが巻き起こす、とびきり愉快でホロリと泣ける大騒動!

    松本みさを(まつもと・みさを)

    栃木県在住。新聞社、出版社勤務を経て、二児の育児のかたわら小説の執筆を続け、恋愛、ホラー、ショートショート、実話怪談など、幅広いジャンルのアンソローに参加している。
    幼少の頃より、妖怪·UMA·伝承生物の世界に魅了され現在に至る。
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  • 人生おろおろ
    比呂美の万事OK
    伊藤 比呂美
    定価:682円(税込み)

    女の50代、悩みとともに生きてます

    浮気、恋愛、DV、セックスレス、舅姑&嫁婿問題、介護、パワハラ上司……などなど、生きている限りつきまとうさまざまな悩み事。著者が回答者を務める「人生相談」に寄せられた中から、お悩み解消への示唆に富んだ問答を選りすぐる。相談者に寄り添い、ときには突き放し、しかしあくまで温かい著者の回答は、悩める人の心に明かりをともす。

    伊藤比呂美 (いとう・ひろみ)

    1955年生まれ。詩人。青山学院大学文学部卒業。’80年代の女性詩ブームを牽引する。結婚、出産をへて’97年に渡米したのち、2018年に帰国。熊本に在住。主な著書に『良いおっぱい 悪いおっぱい』『とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起』『女の絶望』『父の生きる』『読み解き「般若心経」』『閉経記』『ショローの女』『いつか死ぬ、それまで生きる わたしのお経』など多数。

  • 千手せんじゅ學園少年探偵團
    また会う日まで
    金子ユミ
    定価:858円(税込み)

    コミカライズも決定!
    光文社キャラクター文庫の人気シリーズ「千手學園少年探偵團」、区切りとなる第五作!文庫書下ろし

    秋が訪れ、千手學園祭の日が近づいた。永人は音楽教師・中原の頼みで合唱隊の指揮を引き受けることに。さらに最大の目玉で、選ばれた5名の生徒しか舞台に上がれない戯曲『建国・五大王』に昊とともに抜擢された。しかし一人残された慧との間に歪が生じ、乃絵を含む4人はお互いを疑い始める――。そしてついに千手學園の謎が明らかに!?

    金子ユミ(かねこ・ゆみ)

    『アナタを瞳でつかまえる!―天然女子はカメラアイ!?』(コスミック出版)でデビュー。ほかの著書に『メールヒェンラントの王子』(光文社文庫)、『水底図書館』(ポプラ文庫ピュアフル)など。ゆみみゆ名義でボーイズラブノベル、漫画原作を手がける。
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  • 神戸北野 僕とサボテンの女神様
    藍川竜樹
    定価:726円(税込み)

    北野異人街のすぐ近くに、大量のサボテンに囲まれたその店はある――
    一風変わったサボテン専門店<仙寿園>へようこそ。
    ちょっと天然な女神様と、大人の入口に立ったばかりの僕が、サボテンにまつわるトラブルに巻き込まれて……。
    文庫書下ろし

    中学を卒業したばかりの白石那由多は、尊敬する従兄の京に頼まれて、北野の異人館街近くにあるサボテン専門店・仙寿園を訪れた。京の後輩で店長の坂上緋沙子を手伝うためだ。緋沙子の美しさに驚く那由多だが、サボテン以外のことに無頓着な彼女の天然ぶりに気づく――。こんな二人は店に持ち込まれるサボテンがらみの様々なトラブルを解決出来るのか!?

    藍川竜樹(あいかわ・たつき

    兵庫県出身、在住。やぎ座。著作に『古器旧物保存方つくも神蒐集録 わけあって交渉人の助手になりました』(マイナビ出版)、『目が覚めると百年後の後宮でした 後宮侍女紅玉』(二見書房)などがある。
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  • 町方燃ゆ
    父子十手捕物日記
    鈴木英治
    定価:726円(税込み)

    死んだはずのご隠居が葬儀の最中に殺された!

    死んだはずの商家の隠居が葬儀の最中に刺し殺され、本当にあの世に送られてしまった。
    いたずら好きの隠居は、自分の葬儀を眺めて、どんな人が参列してくれるのか、確かめたかったのだという。定町廻り同心の御牧文之介と中間の勇七はさっそく探索を始めるが、今度は先輩同心が殺されてしまう……。一方、父・丈右衛門は心労著しい藤蔵らとともに湯治で箱根へ向かう。

    鈴木英治(すずき・えいじ)

    1960年、静岡県沼津市生まれ。明治大学経営学部卒業。
    ‘99年、第一回角川春樹小説賞特別賞を『駿府に吹く風』(『義元謀殺』に改題)で受賞。
    主な作品に「口入屋用心棒」「手習重兵衛」「徒目付久岡勘兵衛」「新兵衛捕物御用」
    「下っ引夏兵衛捕物控」「大江戸やっちゃ場伝」「無言剣殺」「突きの鬼一」などの人気シリーズがある。

  • 御館の幻影
    北条孫九郎、いざ見参!
    近衛龍春
    定価:792円(税込み)

    表舞台には現れない魅惑の武将がいた!
    美形の戦国武将、運命に翻弄された一生とは――
    文庫書下ろし

    時は激動の戦国。織田信長、豊臣秀吉、徳川家康と天下人が現れては変わる時代に、北条家の支城城主の息子として生まれた北条孫九郎。しかし、母が今際に本当の父の名を明かしたことから、人生は波瀾に満ちたものに――
    まっすぐに生きて、最後まで自分を貫き通した三国一の美将・北条孫九郎の華々しくも哀しき生涯を、歴史小説の巧者である著者が存分に描いた力作!

    近衛龍春(このえ・たつはる)

    1964年、埼玉県生まれ。大学卒業後、暫しオートバイレースに没頭。通信会社勤務、フリーライターを経て、『時空の覇王』でデビュー。
    その膨大な資料に裏打ちされた骨太の物語には定評があり、迫力の戦国作品などは、多くのファンを魅了している。最近では、『九十三歳の関ヶ原――弓大将大島光義――』が話題を集めた。ほかに、主な著書では、『上杉三郎景虎』『本能寺の鬼を討て』『川中島の敵を討て』『剣鬼 疋田豊五郎』『坂本龍馬を斬れ』『水の如くに 柔術の祖・関口柔心 不敗の生涯』『武田の謀忍』(以上、光文社文庫刊)、『家康の女軍師』『島津は屈せず』『南部は沈まず』『居合 林崎甚助』『裏切りの関ヶ原』『忍びたちの本能寺』などがある。この語ますます目が離せない作家である。

  • みぞれ雨
    名残の飯
    伊多波 碧
    定価:748円(税込み)

    心に沁みる物語が詰まったシリーズ第二弾!
    この店にいれば皆、素直になれる。
    文庫書下ろし

    隅田川縁にある橋場の渡しの側にある一膳飯屋『しん』には今日も、訳ありな客たちが、一時の休息を求めて訪れる。我が子との別れを決意した女、夢破れた元戯作者、貧しさに苦しむ女、男勝りで剣術に没頭する女剣士――。この店にいると皆、素直になれるのだ。ある者は新たな一歩を踏み出し、ある者は過去と決別する。好評を博した時代小説シリーズ、待望の第二弾。

    伊多波 碧(いたば・みどり)

    2001年作家デビュー。絶妙な語り口と生き生きとした人物造形に定評がある。’21年、時代小説の新シリーズ「名残の飯」の第一弾として『橋場の渡し』を刊行したところ、読者、書店員の間で話題を呼んだ。本作はそのシリーズ二作目となる。ほかの著書に『うそうそどき』『リスタート!』『父のおともで文楽へ』などの作品がある。

  • あたらしい朝
    日本橋牡丹堂 菓子ばなし(九)
    中島久枝
    定価:682円(税込み)

    夢の新婚生活は、菓子みたいには甘くない!?
    婚礼の祝い菓子から山野辺藩特注の菓子まで、今回も目移りしそうなお菓子がてんこもり!
    文庫書下ろし

    周囲にお膳立てされるままに祝言の日を迎えた小萩と伊佐。鎌倉から両親と祖父母もやってきて、賑やかな宴が開かれた。喜びを嚙みしめる間もなく、見世の仕事に加えて、近所付き合いにも悩まされる日々――。そんな折、山野辺藩留守居役の杉崎から、藩の顔となる新しい菓子を考案してほしいという大きな仕事を命じられる。小萩の新妻ぶりも楽しいシリーズ第九弾。

    中島久枝 (なかしま・ひさえ)

    フードライターとして全国のおいしいお店や素敵な人々をたずね、歴史や文化とともに新聞や雑誌に紹介。著書に『和菓子 人と土地と歴史をたずねる』(柴田書店)ほか。2013年、『日乃出が走る一浜風屋菓子話』でポプラ社小説新人賞特別賞を受賞。シリーズは3巻まで刊行している。他の小説作品に「お宿如月庵へようこそ」シリーズ(ポプラ文庫)、「一膳めし屋丸九」シリーズ(ハルキ文庫)などがある。

  • 本所寿司人情
    夢屋台なみだ通り(四)
    倉阪鬼一郎
    定価:704円(税込み)

    老職人の死。見世の焼失……幾多の苦難を乗り越えられるのか?
    泪寿司の灯はおれたちが守る
    江戸の屋台の味と人情が心に沁みる好評シリーズ!
    文庫書下ろし

    泪寿司を支えていた職人、寿一が急死した。大黒柱を失い味を落とした上に、火付けに遭って見世が燃えてしまう。気落ちを隠せない主の小太郎だが、稲荷寿司の屋台で再出発を志すことに。見世は寿一の息子で大工をしながら手伝っていた寿助が引き継ぐのだが――。幾多の苦難を力を合わせて乗り越え、たくましく生き抜く江戸の庶民の姿を描く好評シリーズ第四弾。

    倉阪鬼一郎(くらさか・きいちろう)

    1960年三重県生まれ。早稲田大学大学院中退。草創期の幻想文学会に参加。’87年『地底の鰐、天上の蛇』でデビュー。その後、ブランクを経て、’97年『百鬼調の夜』で本格デビュー。幻想小説からホラー、ミステリー、時代小説まで幅広いジャンルで独創的な作品を発表し続け、俳句や翻訳も手がける。数多くの時代小説のシリーズ作品を持つ。