光文社文庫 2022年4月の新刊

(2022年4月12日発売/一部地域をのぞく)

今月の新刊はコチラ

  • 機捜235
    今野 敏
    定価:770円(税込み)

    新しい相棒は冴えないロートル、でもタダ者じゃない
    捜査共助課見当たり捜査班出身――

    解説:西上心太

    渋谷署に分駐所を置く警視庁第二機動捜査隊所属の高丸。公務中に負傷した同僚にかわり、高丸の相棒として新たに着任したのは、白髪頭で風采のあがらない定年間際の男・縞長だった。しょぼくれた相棒に心の中で意気消沈する高丸だが、実は、そんな縞長が以前にいた部署は捜査共助課見当たり捜査班、独特の能力と実力を求められる専門家集団だった……。

    今野 敏(こんの・びん)

    1955年北海道生まれ。
    ‘78年「怪物が街にやってくる」で第4回問題小説新人賞を受賞。2006年『隠蔽捜査』で第27回吉川英治文学新人賞、’08年『果断 隠蔽捜査2』で第21回山本周五郎賞、第61回日本推理作家協会賞をダブル受賞。’17年「隠蔽捜査」シリーズで第2回吉川英治文庫賞を受賞。
    日本推理作家協会元代表理事。著書多数。近著に『探花 隠蔽捜査9』がある。

  • 当確師
    真山 仁
    定価:704円(税込み)

    選挙は戦争だ。
    当選確率99%! 勝たせるためならなんでもやる。
    選挙コンサルタント・聖達磨、人呼んで”当確師”。
    『ハゲタカ』『ロッキード』の著者が選挙戦のリアルを描く!

    解説:大島新(「なぜ君は総理大臣になれないのか」「香川1区」監督)

    来年秋に行われる次期市長選で、圧勝が確実視される現職を倒して欲しい――。当選確率99%を約束する選挙コンサルタント・聖達磨の元に、莫大な報酬と共に無謀な依頼が持ち込まれた。候補者の選定から任された聖は、首都機能補完都市にも選ばれた高天市に向かう。この勝負、勝ち目はあるのか!? 人間臭い選挙戦をリアルに描いた傑作ポリティカル・フィクション!

    真山 仁(まやま・じん)

    1962年大阪府生まれ。同志社大学法学部卒業。新聞記者、フリーライターを経て、2004年、企業買収を巡る熱き人間ドラマを描いた小説『ハゲタカ』でデビュー。他の著書に『売国』『バラ色の未来』『オペレーションZ』『当確師 十二歳の革命』『ロッキード』『それでも、陽は昇る』『プリンス』『タイムズ「未来の分岐点」をどう生きるか』『レインメーカー』『プレス 素晴らしきニッポンの肖像』などがある。本作は’20年にテレビドラマ化された。
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  • 殺人鬼がもう一人
    若竹七海
    定価:770円(税込み)

    悪いヤツラが暮らす町・辛夷ヶ丘で続発する不審な出来事。
    解決に奔走するのは悪徳警官。
    著者ならでは、毒気たっぷりの連作ミステリー!
    本書の収録作の切れ味には妖刀の凄みに似たものすら感じる。――千街晶之(「解説」より)

    都心まで一時間半の寂れたベッドタウン・辛夷ヶ丘。二十年ほど前に連続殺人事件があったきりののどかな町だが、二週間前の放火殺人以来、不穏な気配が。そんななか、町いちばんの名家の当主・箕作ハツエがひったくりにあった。辛夷ヶ丘警察署生活安全課の砂井三琴は相棒と共に捜査に向かうが……。悪人ばかりの町を舞台にした毒気たっぷりの連作ミステリー!

    若竹七海(わかたけ・ななみ)

    東京生まれ。立教大学文学部史学科卒。1991年、連作短編集『ぼくのミステリな日常』でデビュー。以降、青春ミステリから歴史ミステリ、ホラーまで幅広いジャンルで、多彩な作品を発表。2013年、「暗い越流」で第66回日本推理作家協会賞<短編部門>を受賞。著書に『ポリス猫DCの事件簿』『錆びた滑車』『プラスマイナスゼロ』『不穏な眠り』『パラダイス・ガーデンの喪失』『みんなのふこう 葉崎は今夜も眠れない』、絵本『親切なおばけ』(杉田比呂美・絵)など。

  • 不可視の網
    林 譲治
    定価:924円(税込み)

    犯罪者は、被害者は、何処にいる!?
    日本SF大賞、星雲賞受賞作家が描く意欲作!
    AIに制御された監視カメラ網に「守られた」街。事件は何故映されなかったのか。
    文庫書下ろし

    船田信和は「安全・清潔都市事業モデル地区」に指定され活気のある姫田市で自分の能力を発揮し、人生をやり直そうとしていたが、アプリに紹介された廃屋の解体現場で、バラバラにされた人体を発見してしまう。警察の聴取を終え、金のかからない空き家に住みつくが――。近未来を舞台に、人々の成功と生きることへの執着をAI監視社会を通して描く意欲作登場!

    林 譲冶(はやし・じょうじ)

    北海道生まれ。1995年『大日本帝国欧州電撃作戦』(共著)でデビュー。日本SF作家クラブ第19代(2018−2020)会長。 ≪星系出雲の兵站≫全9巻(ハヤカワ文庫JA)で第41回日本SF大賞、第52回星雲賞日本長編部門(小説)を受賞。
    Twitter

  • ベンチウォーマーズ
    成田名璃子
    定価:792円(税込み)

    出会えたから素直になれた。
    私たちの本気はここから!
    『東京すみっこごはん』の原点がここにあります!

    どうして俺が……。ケガで戦線離脱中のバレー部エース、朔。恐ろしいジンクスが降りかかるというクラス対抗駅伝にくじで選ばれ、失意は深まる。メンバーの共通点はそれぞれの部活でメインを張れず、私生活でも下降気味の「ベンチ」なことだった。接点なんてなかった五人がぶつけ合う本音。そして迎える真夏の本番。さあ、ベンチの意地と本気を見せようか。
    『東京すみっこごはん』の著者が贈る感動の青春小説!

    成田名璃子(なりた・なりこ)

    1975年青森県生まれ。東京外国語大学卒業。2011年『月だけが、私のしていることを見下ろしていた。』で第18回電撃小説大賞メディアワークス文庫賞を受賞し、デビュー。’16年本作が第12回酒飲み書店員大賞を受賞。著書にベストセラーとなった「東京すみっこごはん」シリーズ、『咲見庵三姉妹の失恋』『坊さんのくるぶし 鎌倉三光寺の諸行無常な日常』『今日は心のおそうじ日和 素直じゃない小説家と自信がない私』『月はまた昇る』『今日は心のおそうじ日和2 心を見せない小説家と自分がわからない私』『ひとつ宇宙(そら)の下』などがある。

  • やり過ごした殺人 新装版
    赤川次郎
    定価:836円(税込み)

    赤川ファン必見! 大人気シリーズ新装版第二弾!

    解説:似鳥 鶏

    早川一家は母・香代子が泥棒、長男・克己が殺し屋、次男・圭介が弁護士で、三男・正実が警察官、そして長女・美香は詐欺師という奇想天外な家族だ。家族の秘密を唯一知る圭介はこの度、結婚! 早川一家にも平穏が訪れたかと思っていた矢先、克己の元に正実の暗殺依頼が届く――。ユーモアミステリーの傑作、早川一家シリーズ第二弾。

    赤川 次郎(あかがわ・じろう)

    1948年、福岡県生まれ。1976年、『幽霊列車』で第15回オール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。『悪妻に捧げるレクイエム』で第7回角川小説賞を受賞。2005年、第9回日本ミステリー文学大賞を受賞。2016年、『東京零年』で吉川英治文学賞受賞。

  • ギフト
    異形コレクションLⅢ
    井上雅彦・監修
    定価:1,100円(税込み)

    全篇新作書下ろし!

    ますます注目度が高まる53冊目の《異形》
    豪華執筆陣による《贈りもの》と《異能力》を巡る妖しくも美しい15の物語

    執筆陣15名

    飛鳥部勝則 井上雅彦 上田早夕里 空木春宵 黒木あるじ 黒 史郎 最東対地 澤村伊智 篠田真由美 斜線堂有紀 竹本健治 津久井五月 平山夢明 深緑野分 木犀あこ

    井上雅彦(いのうえ まさひこ)

    1960年生まれ。東京都出身。’81年「消防車が遅れて」が都筑道夫のショートショートコンテストに入賞、’83年「よけいなものが」が星新一ショートショートコンテスト優秀作を受賞したのを機に、文芸誌に短い小説を発表。それらを集めた個人短編集『異形博覧会』が話題となる。怪奇幻想、SF、ミステリの分野で多岐にわたり作品を発表し続け、『竹馬男の犯罪』『珈琲城のキネマと事件』などの幻想ミステリ、『夜会 吸血鬼作品集』『燦めく闇』などのホラー短編集、『1001秒の恐怖映画』『綺霊』などのショートショート集、『夜の欧羅巴』『遠い遠い街角』などの現代ファンタジーと著書多数。’97年より書き下ろしアンソロジー・シリーズ〈異形コレクション〉の企画・監修を務め、同シリーズで第19回日本SF大賞特別賞を受賞。

  • Jミステリー2022 SPRING
    光文社文庫編集部・編
    定価:1,320円(税込み)

    日本ミステリーの最前線をいく超豪華執筆陣、夢の競演! ミステリーファン必読のアンソロジー誕生。
    文庫書下ろし

    今、ミステリー界を牽引しているのは誰か。各国で絶大な人気を誇る東野圭吾をはじめ、飛ぶ鳥を落とす勢いの知念実希人、芦沢央、青柳碧人、織守きょうや、今村昌弘によるファン垂涎ものの全編新作書下しアンソロジーがここに誕生!

  • 流離 決定版
    吉原裏同心 (1)
    佐伯泰英
    定価:792円(税込み)

    文字が大きくなった決定版、紙と電子が同時発売!
    幹次郎と汀女の伝説は、ここに始まる。

    安永五年、豊後岡藩の馬廻り役・神守幹次郎は、意に沿わぬ婚姻に苦しむ納戸頭の妻・汀女と出奔した。幼馴染のふたりは妻仇討の追っ手を逃れ、当てのない流浪の旅に出る。やがて江戸に出た幹次郎たちは、幕府が唯一許しを与えた遊廓・吉原にて、ふたりの追っ手に加わっていた汀女の弟・信一郎の危難に出くわすのだが――。幹次郎と汀女、二人の伝説がここに始まる。

    佐伯泰英(さえき・やすひで)

    942年北九州市生まれ。闘牛カメラマンとして海外で活躍後、主にノンフィクション作品を発表する。’99年初の時代小説「密命」シリーズを手始めに、次々と時代小説を発表。文庫書下ろし作品のみで累計6500万部突破の快挙を成し遂げる。大好評の「吉原裏同心」「夏目影二郎始末旅」シリーズ(小社刊)の他、2019年に映画化された「居眠り磐音」、「酔いどれ小籐次」「新・酔いどれ小籐次」「空也十番勝負」「照降町四季」「交代寄合伊那衆異聞」「古着屋総兵衛影始末」「新・古着屋総兵衛」「鎌倉河岸捕物控」などの各シリーズで幅広い読者層から支持を得ている。
    佐伯泰英ウェブサイト

  • 足抜 決定版
    吉原裏同心 (2)
    佐伯泰英
    定価:792円(税込み)

    廓から消えた花魁を追え!
    読み始めたら止まらない傑作シリーズの決定版、第2弾!

    吉原が遊女らの白無垢の衣装で彩られる八朔の日、当代きっての人気太夫・香瀬川が忽然と姿を消した。遊女三千人の頂点に立つ太夫が、なんと足抜?前代未聞の事態に、廓の用心棒・神守幹次郎は探索に乗り出す。大門以外に出入り口のない町から、太夫はどうやって抜け出したのか? 失踪の陰に、私欲に溺れる悪党たちの姿が見え隠れする。裏同心の成敗の行方やいかに。

    佐伯泰英(さえき・やすひで)

    1942年北九州市生まれ。闘牛カメラマンとして海外で活躍後、主にノンフィクション作品を発表する。’99年初の時代小説「密命」シリーズを手始めに、次々と時代小説を発表。文庫書下ろし作品のみで累計6500万部突破の快挙を成し遂げる。大好評の「吉原裏同心」「夏目影二郎始末旅」シリーズ(小社刊)の他、2019年に映画化された「居眠り磐音」、「酔いどれ小籐次」「新・酔いどれ小籐次」「空也十番勝負」「照降町四季」「交代寄合伊那衆異聞」「古着屋総兵衛影始末」「新・古着屋総兵衛」「鎌倉河岸捕物控」などの各シリーズで幅広い読者層から支持を得ている。
    佐伯泰英ウェブサイト

  • 刀と算盤
    馬律流青春雙六
    谷津矢車
    定価:748円(税込み)

    自作解説

    江戸の町に「馬律流」という武術を伝える道場があった。その主人・紗六新右衛門の長屋に「唯力舎」という変わった貼り紙がある。そこでは一瀬唯力という男が「黒字なった時から一年間、儲けの一割を報酬」として支払うことを条件に、経営指南をしてくれるという――。唯力と新右衛門をはじめとする仲間たちが知恵と勇気を振り絞る、青春時代小説!

    谷津矢車(やつ・やぐるま)

    1986年東京都生まれ。2012年「蒲生の記」で第18回歴史群像大賞優秀賞受賞。2013年『洛中洛外画狂伝 狩野永徳』でデビュー。‘18年『おもちゃ絵芳藤』で歴史時代作家クラブ賞作品賞受賞。ほかに『信長様はもういない』『廉太郎ノオト』『北斗の邦へ翔べ』などがある。
    Twitter

  • 天命
    毛利元就武略十番勝負
    岩井三四二
    定価:1,012円(税込み)

    城を奪われた無力な若殿から謀略と軍略の将へ
    毛利元就を変えた十の戦

    大内、尼子の二大勢力に翻弄される弱小国人・毛利家の次男に生まれた元就。兄を亡くし、図らずも大将となった元就は、いつ敵方に寝返るとも知れぬ家臣たちをまとめ、乱世を生き抜くために必死で足掻く。自らも九死に一生を得て己の天命を悟った男は、幾度も哀しみから立ち上がり、武略に長けた逞しい武将となっていく。毛利元就の戦いの生涯を描く傑作歴史小説。

    岩井三四二(いわい・みよじ)

    1958年岐阜県生まれ。
    一橋大学卒業後、会社勤務を経て、’96年『一所懸命』でデビュー。同作で第64回小説現代新人賞受賞。’98年『簒奪者』(『兵は詭道なり 斎藤道三』と改題)で第5回歴史群像大賞、2003年『月ノ浦惣庄公事置書』で第10回松本清張賞、’04年『村を助くは誰ぞ』で第28回歴史文学賞、’08年『清佑、ただいま在庄』で第14回中山義秀文学賞受賞。『銀閣建立』『難儀でござる』『たいがいにせえ』『おくうたま』『光秀曜変』など著著多数。

  • 継承
    鬼役(三十二)
    坂岡 真
    定価:704円(税込み)

    シリーズ累計200万部突破!
    超人気シリーズ「鬼役」、1年4か月ぶり最新刊!
    ――これが最後の毒味になるかもしれぬ!
    文庫書下ろし

    息子に跡目を継がせ、三十有余年務めた役目を辞すことになった将軍家毒味役の矢背蔵人介だったが――。将軍家毒味役の矢背蔵人介は御用之間に呼び出しを受ける。毒味役の裏で暗殺御用を引き受けてきたが、指令役の小姓組番頭・橘右近の死後、遠ざかっていたその部屋にいた人物から、なんと御役御免を言い渡される。家督を養子の卯三郎に引き継ぎ、新たな役目を引き受けた蔵人介は、新たなる江戸城内の陰謀に巻き込まれてしまう――。超人気シリーズ、待望の第三十二弾。

    坂岡 真(さかおか・しん)

    1961年、新潟県生まれ。11年の会社勤めを経て文筆の世界へ。花鳥風月を醸し出す筆致の時代小説を描く。作品の質の高さには定評があり、「鬼役」シリーズは累計200万部を超える大ヒットシリーズとなった。主なシリーズとして、「ひなげし雨竜剣」(光文社文庫)、「帳尻屋始末」、「帳尻屋仕置」、「照れ降れ長屋風聞帖」、「はぐれ又兵衛例繰控」、「あっぱれ毬谷慎十郎」「十手長屋物語」、「うぽっぽ同心十手裁き」、「死ぬがよく候」、「のうらく侍御用箱」「新・のうらく侍」、「火盗改しノ字組」などがあり、ほかの作品に『一分』(光文社)、『絶局』(小学館)などがある。いま、時代小説界を引っ張る作家のひとりである。