光文社文庫 2022年5月の新刊

(2022年5月11日発売/一部地域をのぞく)

今月の新刊はコチラ


  • 飯田線・愛と殺人と
    西村京太郎
    定価:682円(税込み)

    歴史と神話に彩られた飯田線が運んだ殺意!?
    十津川警部 正義の捜査!

    解説:細谷正充

    十津川警部の部下・北条早苗刑事の友人で旅行会社に勤める野田花世が殺害された。彼女は、飯田線ツアーの企画を作る際に知り合ったアイヌの青年・金子太郎と愛を育んでいたらしい。一方、飯田線をめぐる歴史と神話を勉強していた花世に、偏執的につきまとう人物がいたことが浮上して……。十津川は、復讐心を燃やす金子をとめ、異常な犯人を逮捕できるのか!?

    西村京太郎(にしむら・きょうたろう)

    1930年東京都生まれ。都立電機工業学校卒業後、人事院に勤務。’63年『歪んだ朝』で第2回オール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。’65年『天使の傷痕』で第11回江戸川乱歩賞を受賞。’78年にはトラベル・ミステリーブームの先駆けとなる『寝台特急殺人事件』を発表、ベストセラーに。2005年第8回日本ミステリー大賞を受賞。十津川警部シリーズなどトラベル・ミステリーから社会派推理まで幅広く活躍、著作は640冊を超える。’22年3月、肝臓癌のため死去。

  • 或るエジプト十字架の謎
    柄刀 一
    定価:858円(税込み)

    オマージュを超えた柄刀一版《国名シリーズ》第一弾
    首なし死体は、なぜ磔にされねばならなかったのか?
    名探偵・南美樹風が挑む四つの怪事件

    解説:千街晶之

    カメラマンの南美樹風は、大学の後輩たち五人を連れ、山間部のコテージへと夏合宿にやってきた。翌朝、中央広場のT字形の案内板に磔にされた首なし死体が発見される! 被害者は合宿に参加していなかった学生と判明。死体に異様な演出を施した犯人の目的やいかに?(表題作)
    名探偵・南美希風が四つの怪事件に挑む、柄刀版《国名シリーズ》第一弾!

    柄刀 一(つかとう・はじめ)

    1959年、北海道生まれ。公募アンソロジー『本格推理』シリーズ(光文社文庫)への参加を経て、’98年『3000年の密室』で長編デビュー。ロマンティシズム溢れるテーマを揺るぎない論理で展開する知的な作風で、多くの熱狂的な支持を集めている。近著に、『或るギリシア棺の謎』『ミダスの河』『流星のソード』『ジョン・ディクスン・カーの最終定理』などがある。

  • 殺人犯 対 殺人鬼
    早坂 吝
    定価:770円(税込み)

    僕の殺人の邪魔をするのは誰だ!
    孤立した島の中で次々に起こる惨劇。ここには僕以外にもう一人、殺人者がいる。殺人計画を続けながらの、犯人捜しが始まる――
    鬼才が放つ、戦慄の本格ミステリ!!

    解説:福井健太

    ここは孤島にある児童養護施設。嵐で船が出せず職員が戻れなくなっている。島には子供だけ。この好機に僕、網走一人は彼女を自殺未遂に追い込んだ奴等の殺人計画を実行することにした。まずは剛竜寺だ。――何故もう殺されている? 抉られた片目に金柑のはまった死体。僕より先にこんな風に殺したのは誰だ!
    戦慄の連続殺人の真相を見破れるか!

    早坂 吝(はやさか・やぶさか)

    1988年、大阪府生まれ。京都大学文学部卒業。京都大学推理小説研究会出身2014年に『○○○○○○○○殺人事件』で第50回メフィスト賞を受賞しデビュー。同作で「ミステリが読みたい!2015年版」新人賞を受賞。’17年『誰も僕を裁けない』で第17回本格ミステリ大賞候補。著作に『アリス・ザ・ワンダーキラー』『メーラーデーモンの戦慄』『四元館の殺人 探偵AIのリアル・ディープラーニング』などがある。

  • 野守虫
    刑事・片倉康孝 飯田線殺人事件
    柴田哲孝
    定価:924円(税込み)

    “乗り鉄”刑事vs.最凶最悪の脱走犯!
    舞台は絶景のローカル線・飯田線。
    追う者と追われる者、命をかけた対決の行方は!?
    旅情×本格警察ミステリー!!

    解説:村上貴史

    勾留中の凶悪犯が脱走した! その男は刑事・片倉康孝が六年前に強盗傷害で逮捕した竹迫和也だった。竹迫の行方が知れぬなか、片倉は休暇を使って秘境のローカル線・飯田線に乗り天龍峡を訪れた。逃亡を続ける竹迫もまた、悲惨な過去を清算すべく、飯田線を目指す――。名勝・天龍峡で因縁の二人の運命が交錯する! 好評シリーズ第4弾!

    柴田哲孝(しばた・てつたか)

    1957年東京生まれ。日本大学芸術学部中退。2006年『下山事件 最後の証言』で日本推理作家協会賞(評論その他の部門)と日本冒険小説協会大賞(実録賞)、’07年『TENGU』で大藪春彦賞を受賞する。著書に『下山事件 暗殺者たちの夏』『チャイナ インベイジョン 中国日本侵蝕』『GEQ 大地震』『赤猫』『Dの遺言』『リベンジ』『ミッドナイト』『幕末紀』『ジミー・ハワードのジッポー』などがある。

  • ぶたぶたのお引っ越し
    矢崎存美
    定価:594円(税込み)

    新しい町、新しい家、出会いとお別れ。
    お引っ越しの、笑いと涙のドラマ!
    文庫書下ろし

    リタイア後、田舎に移住したいという夫と考えが合わず悩む成実の前に、移住のアドバイザーとして登場したのは――(「あこがれの人」)。家賃の安い「告知事項あり物件」に引っ越すことになった詠斗は、挨拶に訪れた隣の部屋で、衝撃の出会いを果たす――(「告知事項あり」)。お引っ越しによる、出会いと別れ。その節目に、不思議なぬいぐるみと出会ったら。心震える3編を収録。

    矢崎存美(やざき・ありみ)

    埼玉県出身。1985年、星新一ショートショートコンテスト優秀賞を受賞。’89年に作家デビュー。著書に「ぶたぶた」シリーズのほか、「食堂つばめ」シリーズ、「NNNからの使者」シリーズ(以上、ハルキ文庫)、「繕い屋」シリーズ(講談社タイガ)、「神様が用意してくれた場所」シリーズ(GA文庫)、『キルリアン・ブルー』(TO文庫)、『あなたのための時空(とき)のはざま』(ハルキ文庫)ほか多数。
    矢崎存美|note

  • 浅見家四重想 須美ちゃんは名探偵!?
    浅見光彦シリーズ番外
    内田康夫財団事務局
    定価:770円(税込み)

    「須美ちゃんは名探偵の素質があるね。」浅見光彦――『沃野の伝説』(内田康夫)より
    名探偵・浅見光彦の母・雪江、兄嫁・和子、姪・智美、甥・雅人。
    浅見家の人々が抱える悩みや不思議な謎に、お手伝いの須美ちゃんが挑戦!
    みんなが笑顔になる、心温まるミステリー、待望の第二弾登場。
    文庫書下ろし

    浮かない顔の雅人の様子が気になり吉田須美子が訊ねると、賞をとったクラスメイトの俳句が、盗作かもしれないと言う。件の句を聞いた浅見光彦の「松尾芭蕉だっけ?」という言葉をたよりに図書館に調べに行くと、ページを折られた痕跡のある芭蕉の本が――!(「雅な悩みごと」)浅見家の面々がちょっと困った時に頼りになる須美ちゃん。みんなの笑顔を取り戻します!

  • 十七歳
    小林紀晴
    定価:770円(税込み)

    1985年、諏訪。湖、盆地、写真館、島木赤彦……
    記憶の奥のあの日々が戸惑いとともによみがえる。

    ニューヨークで十五年ぶりに友人と再会したカメラマンの守屋は、生まれ育った長野県の諏訪で過ごした高校三年生の一年間を思い出す。想いを寄せていた宮坂木綿子の病。東京へ出たものの目的を見つけられない先輩の姿。そして自分自身の曖昧な未来……。写真家として活躍する著者が、誰もが経験する若さゆえの甘くて苦い日々を描いた青春小説。

    小林紀晴(こばやし・きせい)

    写真家。 1968年長野県生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業後、新聞社カメラマンを経て’91年に独立。アジアを旅しながら作品を制作する。写真集に『孵化する夜の啼き声』『深い沈黙』、著書に『写真学生』『父の感触』『愛のかたち』『まばゆい残像 そこに金子光晴がいた』など多数。最新刊に『写真はわからない 撮る・読む・伝える 「体験的」写真論』(光文社新書)がある。’97年 写真集『DAYS ASIA』で日本写真協会新人賞、2013年 写真展「遠くから来た舟」で第22回林忠彦賞を受賞。

  • 復讐捜査
    新・強請屋稼業
    南 英男
    定価:814円(税込み)

    140万部突破の人気シリーズ、慟哭の最終巻!
    ワルにはワルの意地がある!
    殺し屋刑事、ラストファイト!

    新宿署の刑事・百面鬼竜一が女殺し屋と食事をしていると、近所の銀行で銃声がして、銀行の支店長が拉致された。メガバンクの支店長が次々に殺されるという凶行が発生。女殺し屋とともに事件の背後を探っていた百面鬼だが、かつてない窮地に陥る。そして強請屋の相棒・見城豪と巨悪に決死の戦いに挑むのだが……。感動を呼ぶラストが待つシリーズ最終巻。

    南 英男(みなみ・ひでお)

    1944年、東京都生まれ。
    明治大学卒業後、雑誌編集者を経て青春ハードボイルド小説などを執筆して人気を博す。’85年『街に棲む野獣』以降、ハードサスペンスに取り組む。ベストセラーになった「強請屋稼業」シリーズ、「毒蜜」シリーズ、「姉御刑事」シリーズなど全著作合計が2300万部を突破した。。

  • 喧騒の夜想曲 白眉編Vol.1
    日本最旬ミステリー「ザ・ベスト」
    日本推理作家協会編
    定価:1034円(税込み)

    当代きっての人気ミステリー作家が勢ぞろい!
    結末まで、作者と推理の知恵比べを

    収録作品
    赤川次郎「手から手へ、今」/芦沢 央「春の作り方」/天祢 涼「居場所」/太田忠司「川の様子を見に行く」/恩田 陸「降っても晴れても」/呉 勝浩「論リー・チャップリン」/近藤史恵「シャルロットと猛犬」/知念実希人「永遠に美しく」

  • ケーキ嫌い
    姫野カオルコ
    定価:748円(税込み)

    手土産もディナーの最後も、なぜケーキ? 嫌いな人はどうすればいいの? 困りませんか? 「お気持ちだけで」と言えなかった長年のもどかしさに始まり、酒にぴったりの創作レシピから、ロドルフ殿下や「ロンパールーム」の牛乳など懐かしの食の思い出まで――おいしく詰まったヒメノ式食エッセイ集! 文庫書下ろしも収録。

    姫野カオルコ(ひめの・かおるこ)

    1958年滋賀県甲賀市生まれ。独特の視点とエッジの立った筆致で読者層は男女同数。『昭和の犬』で第150回直木賞を受賞。

  • 見番けんばん 決定版
    吉原裏同心(3)
    佐伯泰英
    定価:792円(税込み)

    汀女、捕わる。
    強大な敵に、一触即発!!

    天明六年、将軍家治の逝去により、老中・田沼意次が失脚、吉原遊廓は閉門停止となった。そんな折り、廓内でお針の女が殺され、用心棒・神守幹次郎は、現場に残された謎の石礫から意外な下手人に迫る。さらに、芸者衆を束ね監督する見番頭取が怪しい動きを見せ、大物による吉原乗っ取りの企みが明らかになる。やがて卑劣な魔の手は幹次郎の妻・汀女に伸びて――

    佐伯泰英(さえき・やすひで)

    1942年北九州市生まれ。闘牛カメラマンとして海外で活躍後、主にノンフィクション作品を発表する。’99年初の時代小説「密命」シリーズを手始めに、次々と時代小説を発表。文庫書下ろし作品のみで累計6500万部突破の快挙を成し遂げる。大好評の「吉原裏同心」「夏目影二郎始末旅」シリーズ(小社刊)の他、2019年に映画化された「居眠り磐音」、「酔いどれ小籐次」「新・酔いどれ小籐次」「空也十番勝負」「照降町四季」「交代寄合伊那衆異聞」「古着屋総兵衛影始末」「新・古着屋総兵衛」「鎌倉河岸捕物控」などの各シリーズで幅広い読者層から支持を得ている。
    佐伯泰英ウェブサイト

  • 清掻すががき 決定版
    吉原裏同心(4)
    佐伯泰英
    定価:792円(税込み)

    三味の響きに紛れ、
    卑劣な敵が現れる。

    汀女の手習い塾に通う遊女に、偽の文を使って客から金子を詐取した疑いがかかる。汀女の観察眼は、ひとりの哀れな新造を探り当てるのだが……。一方、吉原面番所に新しく着任した同心・山崎蔵人が、突如四郎兵衛会所の閉鎖を命じ、吉原は窮地に陥る。裏同心の幹次郎らは、山崎同心のどす黒い過去と暗い欲望、幕閣のある人物とのつながりを知り、成敗へと向かう!

    佐伯泰英(さえき・やすひで)

    1942年北九州市生まれ。闘牛カメラマンとして海外で活躍後、主にノンフィクション作品を発表する。’99年初の時代小説「密命」シリーズを手始めに、次々と時代小説を発表。文庫書下ろし作品のみで累計6500万部突破の快挙を成し遂げる。大好評の「吉原裏同心」「夏目影二郎始末旅」シリーズ(小社刊)の他、2019年に映画化された「居眠り磐音」、「酔いどれ小籐次」「新・酔いどれ小籐次」「空也十番勝負」「照降町四季」「交代寄合伊那衆異聞」「古着屋総兵衛影始末」「新・古着屋総兵衛」「鎌倉河岸捕物控」などの各シリーズで幅広い読者層から支持を得ている。
    佐伯泰英ウェブサイト

  • 遺恨 新装版
    鬼役(四)
    坂岡 真
    定価:726円(税込み)

    200万部を超える大ベストセラーシリーズ「鬼役」を著者が大幅に加筆修正した新装版、第4弾。
    消えた目安箱の謎、そして鬼役が見せた覚悟とは!
    将軍家毒味役の矢背蔵人介は、仙台藩絡みの謎に挑む。
    文庫書下ろし

    鬼役と呼ばれる将軍家毒味役の矢背蔵人介は、小姓組番頭・橘右近から深更、江戸城御用之間に呼び出された。橘から告げられたのは目安箱が消えたという事実だった。橘の密命を受けて動き出した蔵人介だったが、ことは仙台藩に関わることで、先にはかつてない強大な敵の姿が浮かぶ。一か八かの勝負をかけた蔵人介は、罠にかかってしまう……。200万部突破の超人気シリーズ、著者が大幅加筆修正した新装版、待望の第四巻。

    坂岡 真(さかおか・しん)

    1961年、新潟県生まれ。11年の会社勤めを経て文筆の世界へ。花鳥風月を醸し出す筆致の時代小説を描く。作品の質の高さには定評があり、「鬼役」シリーズは200万部を超える大ヒットシリーズとなった。ほかに主なシリーズとして、「ひなげし雨竜剣」(光文社文庫)、「帳尻屋始末」「帳尻屋仕置」「照れ降れ長屋風聞帖」「はぐれ又兵衛例繰控」(双葉文庫)、「あっぱれ毬谷慎十郎」「十手長屋物語」(ハルキ文庫)、「うぽっぽ同心十手裁き」(徳間文庫)、「死ぬがよく候」(小学館文庫)、「のうらく侍御用箱」「新・のうらく侍」(祥伝社文庫)、「火盗改しノ字組」(文春文庫)などがあり、お紋作品に『一分』(光文社)、『絶局』(小学館)などがある。いま、もっとも注目されている時代小説作家のひとりである。また、人気を誇る作品が最近コミカライズされており、「鬼役」「ひなげし雨竜剣」を原作とする時代コミックシリーズも人気を博している。

  • さまよう人
    父子十手捕物日記
    鈴木英治
    定価:726円(税込み)

    出合茶屋で心中!?

    生き残った女が消えた

    出合茶屋で役者が首をつった。どうやら心中らしいが、女の姿は見あたらない。検死の医者も自死と言うが、役者と知り合いだった中間の砂吉は納得がいかず、ひとりで調べ始める。ところが、今度はその砂吉が首つりに見せかけて殺されかける。事件の真相を解明すべく、祝言を控えた南町奉行所定町廻り同心・御牧文之介と中間の勇七も探索に加わるが……。

    鈴木英治(すずき・えいじ)

    1960年、静岡県沼津市生まれ。明治大学経営学部卒業。
    ’99年、第一回角川春樹小説賞特別賞を『駿府に吹く風』(『義元謀殺』に改題)で受賞。主な作品に「口入屋用心棒」「手習重兵衛」「徒目付久岡勘兵衛」「新兵衛捕物御用」「下っ引夏兵衛捕物控」「大江戸やっちゃ場伝」「無言剣殺」「突きの鬼一」などの人気シリーズがある。

  • 告ぐ雷鳥
    上絵師 律の似面絵帖
    知野みさき
    定価:726円(税込み)

    嬉しい絆、切ない絆……律の筆が人々の縁を紡いでゆく――
    流産の悲しみを乗り越え、若おかみとして、職人として
    ひたむきに生きる律。待望のシリーズ第八弾!
    文庫書下ろし

    授かった赤子を喪って半月。周囲の労りもあり、律は気落ちしながらも上絵の仕事に励んでいた。そんなとき舞い込んだ着物の依頼は、「らいの鳥」を描いてほしいというもの。珍しい意匠に悩む律の周辺に、かつてその似面を描いた大泥棒・晃矢の影が見え隠れして――。若おかみとして、職人として、成長していく律の生きざまを濃やかに描く人気シリーズ第八弾!

    知野みさき(ちの・みさき)

    1972年生まれ、ミネソタ大学卒業。 2012年『鈴の神さま』でデビュー。 同年『妖国の剣士」で第4回角川春樹小説賞受賞。本シリーズの作品の他に「深川二幸堂 菓子こよみ」シリーズ、「山手線謎日和」シリーズ、「江戸は浅草」シリーズ、「神田職人えにし譚」シリーズなどがある。

  • 後家の一念
    くらがり同心裁許帳
    井川香四郎
    定価:792円(税込み)

    誰か人を救いましたか?
    辛い人の心を救ってあげましたか?
    くらがり同心・角野忠兵衛、怒りの鉄槌!
    忠兵衛馴染みの小料理屋『蒼月』の父娘には、なにやらいわくがありそうで……。
    文庫書下ろし

    京橋の油問屋で八人が惨殺される事件が起きた! 金目当ての凶行のようだが、恨みを持つ者の仕業とも思える。定町廻り筆頭同心・篠原恵之介らが調べを進めると、三年前に亡くなったこの家の長男の嫁が姿を消していた……。(表題作)くらがり同心・角野忠兵衛、北内勝馬はもちろんのこと、忠兵衛馴染みの小料理屋『蒼月』の父娘も活躍する書下ろし第三弾!!

    井川香四郎(いかわ・こうしろう

    1957年、愛媛県生まれ。主なシリーズに「うだつ屋智右衛門 縁起帳」「くらがり同心裁許帳」「ふろしき同心御用帳」(光文社文庫)のほか、「寅右衛門どの 江戸日記」(文春文庫)、「船手奉行うたかた日記」(幻冬舎文庫)、「金四郎はぐれ行状記」(双葉文庫)、「刀剣目利き 神楽坂咲花堂」(祥伝社文庫)、「もんなか紋三捕物帳」(徳間文庫、双葉文庫、実業之日本社文庫、光文社文庫)など多数。他に『城下町事件記者 熊本・文楽の里』(小学館文庫)、『城下町奉行日記 熊本城の罠』(小学館時代小説文庫)、『赤ん坊地蔵 ご隠居は福の神8』(二見時代小説文庫)など。

  • 香り立つ金箔
    はたご雪月花
    有馬美季子
    定価:704円(税込み)

    江戸の大火で心沈む人々に、「雪月花」は栄養と勇気を届けます!
    でも、髑髏とか幽霊とか、騒ぎに巻き込まれて……。
    江戸の味と人情、謎を味わえる贅沢な人気時代小説シリーズ第三弾。
    文庫書下ろし

    文化三年弥生、江戸は大火が襲われた。家や家族や大切なものを失って苦しむ人々――。そんな人々を想い、苦しむ浅草の旅籠「雪月花」の女将・里緒は、懇意の南町奉行所定町廻り同心・山川隼人からの頼みで、炊き出しに協力することに。一方、雪月花の仲居・お栄が、桜名所を案内した客の力士二人と、金色の髑髏を発見する。その後も若い女が殺される事件が続発。皆、頬に金箔が貼られていた。怪事件の意外な真相とは……。好評「雪月花」シリーズ、待望の第三弾。

    有馬美季子(ありま・みきこ)

    2016年、『縄のれん福寿』(祥伝社文庫)で時代小説デビュー。その後、料理屋を切り盛りする女三代がかしましくも事件を解決していく「はないちもんめ」シリーズも好評を博す。ほかの作品に吉原随一の花魁となった主人公が欲望と嫉妬が渦巻く世界で不可解な謎を艶やかに解き明かしていく『吉原花魁事件帖 青楼の華』(PHP文芸文庫)、『食いだおれ同心』(祥伝社文庫)、他のシリーズとして「冬花の出前草紙」がある。
    ’21年、日本歴史時代作家協会賞、文庫書き下ろしシリーズ賞を「はないちもんめ」シリーズ、「はたご雪月花」シリーズで第10回日本歴史時代作家協会賞、文庫書き下ろしシリーズ賞を受賞した。

  • 当確師
    十二歳の革命
    真山 仁
    定価:748円(税込み)

    選挙で、この国を浄化する。当選確率99%の”当確師”聖達磨。
    今度の敵は現職総理。この勝負に勝てる候補者はいるのか――!?
    『ハゲタカ』『ロッキード』の著者が熾烈な選挙戦の内実を描く!

    解説:末國善己

    当確師・聖達磨の元に、総理大臣をその座から引きずり下ろすため、選挙区で落として欲しいというとんでもない依頼が。総理には選挙区内の湖に、日米共同で研究所を作ろうとしているという噂があった。「里山を守って欲しい」と少年に詰め寄られた総理は失言から窮地に陥る。この少年ならば選挙に勝てるが、もちろん少年に被選挙権はない――。人気シリーズ第二弾!!

    真山 仁(まやま・じん)

    1962年大阪府生まれ。同志社大学法学部卒業。新聞記者、フリーライターを経て、2004年、企業買収を巡る熱き人間ドラマを描いた小説『ハゲタカ』でデビュー。他の著書に『売国』『バラ色の未来』『オペレーションZ』『ロッキード』『それでも、陽は昇る』『プリンス』『タイムズ「未来の分岐点」をどう生きるか』『レインメーカー』『プレス 素晴らしきニッポンの肖像』などがある。前作『当確師』は’20年にテレビドラマ化された。